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アマチュア無線の今と昔

第15回 浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ

JF1KKT 横田勝彦

2024年2月1日掲載

連載第15回目になります。今年に入って早いもので、もう1ヶ月がすぎました。2月に入ればすぐ節分になります。

節分は、旧暦の立春が新年であったため、その前の日に邪気を払う目的ではじまったのが由来とされており、現在の大晦日のような日であったといわれています。年の変わり目に邪気を払い、1年の無病息災を願う行事として豆まきを行ったり、恵方巻やイワシを食べる風習が今も残っているのです。

今年の節分はこの記事が皆さんのお目にとまる直後の2月3日(土)です。参考までに恵方巻きの向きは東北東です。とまあ、堅い話はさておいて、今回もお話を進めていきましょうhi


節分といえば豆まきですネ


恵方巻きも節分の風物詩です

WARCバンドの話

今から45年前の1979年に開催されたWARC(世界無線通信主管庁)会議で、新たにアマチュアバンドとして認められた、10/18/24MHz帯の各バンドのことを、通称WARCバンドといいます。最初に10MHz帯が開放され、続いて18MHz帯、24MHz帯も許可になりました。10MHz帯は1/2アマ、18MHz帯は1/2/3アマ、24MHz帯は全クラスに開放されています。

運用状況として、10MHz帯は7MHz帯のサブバンド的な扱いになっているようです。日中に7MHz帯がスキップするような状態では、10MHz帯に移って運用をしている感じです。18MHz帯は14MHz帯とも21MHz帯とも違うコンディションで、国内の遠距離通信が盛んです。10MHz帯ではSSBが許可されないのに対して、18MHz帯ではSSBのほうが圧倒的にアクティブです。

この原稿を書いている時、クリッパートン島のDXペディション(TX5S)が18MHz帯のCWでQRVしていましたが、そりゃもうビックリするような大パイルアップで、驚いたというよりは惚れ惚れしてしまいましたhi 24MHz帯も、21MHz帯と28MHz帯の中間的な位置づけになっているようです。

いずれのWARCバンドにも言えることですが、国内も海外も、コンテストの使用周波数から外れていることです。コンテストの最中に、のんびりとQSOする局長さんが多数いらっしゃいます。もちろんDXコンテストの時も同様です。

余談ですが、DXerとコンテスターは、アンテナを見ればわかると言われています。それはコンテスターの皆さんは、WARCバンドのアンテナがない(あっても小さい)からです。コンテストはコンテストで楽しいですが、疲れた時にほっとできるWARCバンド、私は好きです。まだまだ使用頻度が低いようにも思えますので、せっかく許可されたバンドを取り上げられないようにしたいものです。


JARLバンドプラン(JARL WebサイトよりWARCバンドのみ抜粋)

二次業務の話

皆さんご存じのように、1200MHz帯~5600MHz帯は、アマチュア業務は二次業務になっています。1200MHz帯は放送の中継波として、また2400MHz帯や5600MHz帯は無線LANなどにも使われております。

新春恒例のイベントとして、箱根駅伝があります。正月休みにテレビでご覧になった方も多くいらっしゃると思います。この放送の中継に1200MHz帯を使っており、中継車が移動すると近くのアマチュア局は1200MHz帯の運用が出来なくなっていました。ちょうどQSOパーティが開催されており「中継車からの混信で、一時QRTします」とアナウンスしている局長さんがいらっしゃいました。私が聞いたのは1200MHz帯ですが、他のバンドではどうなったのでしょうか?

コンテスト時の1200MHz帯のアクティビティを考えると、二次業務になっていることはちょっと残念に思います。皆さんもアクティブに運用して、バンドを取り上げられることのないようにしましょう!


箱根駅伝では中継車が大活躍しています

年末から年始にかけての移動

昨年末から今年の初めにかけて、AJAハンターの方にとって、大きなイベントがありました。それは浜松市の区が変わったことです。今までの、中区、東区、西区、南区、北区、浜北区の6区が浜名区、中央区の2区になりました。天竜区は変わりません(図参照)。

AJAアワードは交信時点で有効な区は、消滅後もそのままカウント出来ます。そのため消滅前にQSOしておかないと、二度とQSOできない区になってしまいます。ですので、年末は最後のチャンスとばかりに、バンドのあちこちで移動運用が盛んに行われていました。年始は新しい2つの区からの運用にパイルになっていました。移動された皆さんお疲れ様でした。またサービスしていただきありがとうございました。


浜松市の区の変化(浜松市Webサイトより)

3.5MHz帯の移動が面白い

昨今のコンディションでは、夜間の7MHz帯がDXバンドであることを強く意識させられます。私自身、早朝の移動運用ではロングパスでWの東海岸から呼ばれました。確かにそちら方面のロケーションは良いところでしたが、こちらは50Wにフルサイズ1/4λ垂直アンテナです。ガンガン飛んでいる訳ではなさそうですが、それでも呼んでくれたことに感激しました。

もはやサイクル25のピーク間近ではありますが、7MHz帯がDXバンドであると強く認識させられた出来事でした。このような状態では、夜間の7MHz帯は国内向けには期待できません。そこで注目なのが3.5MHz帯です。

3.5MHz帯ではアンテナが1/4λで約20.3mとなり、おいそれとフルサイズのアンテナを上げられません。そこで考えるのが短縮コイルです。とにかく張れるだけ張って残りはコイルでなんとかする、というパターンです。以前に紹介した私の移動用アンテナが、まさしくそれです。お金に余裕があれば、AH-730のようなATUを使えば簡単にQRVできると思います。これで日没から日の出まで、国内QSOが楽しめると思います。特にSSBでは、深夜、早朝にもかかわらず。アクティブなOMさんのお声を聞くことができます。

この時期のHFローバンドの運用は、3.5/7/10MHz帯の3バンドにオンエアできれば、1日中楽しめると思います。皆さんとQSOできるのを楽しみにしています。



以前紹介した移動用アンテナ。7mの釣り竿に右側のコイルをプラスして1.9MHz帯までカバー


アイコムAH-730(アイコム株式会社Webサイトより)

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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