SHFの世界
2024年8月15日掲載
IC-905やアンテナを背負子にひとまとめに取付けて背負って移動し、運用地に到着後、「ポンッ!」と置けばすぐに運用ができるコンセプトで移動運用セットを製作しましたのでご紹介します。
背負子の両側にある縦棒部分に、アンテナマストとIC-905のコントローラー取付け用として、赤丸箇所にカメラ用の1/4インチネジのアダプターを2か所取付けています。また一番下の青丸箇所には小物類を入れるカゴを取付けました。
IC-905の本体(RF部)やCX-10G(10GHzトランスバーター)は背負子に紐でぶら下げているため、左右に動かないように金具を取付けてマジックバンドで固定しています(緑丸箇所)。
そのほかには、
・アンテナマスト(カメラ用の1/4インチネジ穴付) 35cm 2本
・簡易小型ローテーター(※上記写真にはなし)
・ポータブルバッテリー(マゼンタ丸箇所)
を取り付けて、背負子だけ持って行けば良いようにと考えました。
ただ、5.6GHz用グリッドパラボラアンテナだけは組立てた状態ではどうしても大きくなるので、背負子に載せることが出来ず、バラして運搬し現地で組立てることになりました。
まずは、アンテナマストをカメラ用ネジを利用して背負子に取付けたアダプター部分に取付け(赤丸箇所)ます。全てネジを使用して取付けるので簡単に取付け出来ます。背負子で自立させることができるので三脚も不要です。今回はローテーターを使用しませんでしたが、理由はマストが垂直に立たなかったのでローテーターに水平方向の力が加わり故障しそうだったためです。
グリッドパラボラアンテナの組み立てには少し手間がかかりますが、U字金具を使用してアンテナマストに取付けました。さらに、このグリッドパラボラアンテナ取付け金具を利用して、パイコニカルアンテナも取付けました。
なお、この状態では背負子のフレームとカメラ用アダプターネジがしっかりフィットしていないためアンテナマストが不安定になっていました。そのため、今後ジャストフィットするアダプターの自作を考えています。
もう片方の背負子の縦棒部分に取付けたカメラ用アダプターには、IC-905のコントローラーをカメラ用Z型雲台に載せて取付けました。Z型雲台を使用しているので、コントローラーの角度調整も可能です(緑丸箇所)。
今回、背負子を利用した移動運用セットで機器の持ち運びや無線局の設営を行いましたが、ほぼ一度に持ち運べるので設営がかなり簡単に出来て片付けも楽になったと思っています。特に三脚等の大物がなくなったことで、パラボラを持っていか無ければ、自転車で近くの河川敷や公園に行っての運用も簡単に出来ると思っています。
この背負子にはタイヤが付いているので、平坦であれば転がして運ぶことも出来るのでかなり楽ちんです。ただ、IC-905やポータブルバッテリー自体が重いので総重量はそれなりの重さがあります。正直、一人で地面から直接背負ったり降ろしたりするのは、かなり重いです。テーブルの上や台の上の載せて背負うと楽ですが、外では台が必ずあるとは限らないのが難点です。
背負ったあとは体力しだいですが、歩いたり、階段を上ったりすることは可能です。
実際に車で移動運用に出かけ、駐車場から500mほど離れた場所までこの背負子を背負って歩いてみました。
約10kgの重さでしたが背負っていることで、手で持つよりも簡単に運搬できました。そして現地に到着し背負子を降ろすと短時間で運用が開始できました(実際にはパラボラを組立てるのに一番時間がかかりました)。
街中で担いでいると怪しげですが・・・
タイヤがついているので平坦なところであれば転がして移動できます
アンテナを自立できるのですぐ運用ができます
この時は別に10GHzパラボラ用の三脚も設置しました
この日は、初めて10GHzでの交信にも成功しました。
なお、自宅では、144~1200MHzまでの運用は背負子を屋内に置いたまま、ベランダに設置したアンテナを同軸で接続、2400MHz~10GHzまでの運用は背負子をベランダに設置しそのままアンテナを接続したスタイルで運用しています。
ベランダでの設置
そのままシャックになります
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