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新・エレクトロニクス工作室

第28回 猛暑時のミニ工作 その2

JE1UCI 冨川寿夫

2024年8月15日掲載

暑くなりました。毎年の事ですが、あまりの暑さでハンダ付けが滞る季節です。その上、今年はオリンピック観戦で益々ハンダ付けどころではありません。

第16回でも同様の工作で作業用のFAN等々を紹介しました。このFANは私の作業用として作ったのですが、家内が台所で使う調理用になってしまいました。それはそれで良いのですが、暑くなると不思議に作りたくなるFANを今年も作ってしまいました。「作業用FAN2」になります。前回のFANはその1年前に作ったものでした。今回はオリンピックの開始後に作り始めたものですので、まさに今年の猛暑のミニ工作になります。

FANを大型にしたい・・・

前回のFANは写真1のように、小型のFANを2つ使ったものでした。従って、風量的にはかなり少なく、もう少し涼しいものを・・・ とは最初から思っていました。そこで、今年の夏になって家じゅうを探しましたが、大型のものはありません。部品箱にゴロゴロとありそうなFANですが、使いたい時に見つからないFANでもあります。


写真1 第16回で作った作業用のFAN

そこで、秋月電子の通販で探したのが写真2のようなDC12VのFANです。他の部品もあったので、ついでにポチッとしてしまいました。「DCファン 12V 92×92×25mm」という450円のFANになります。これに実験用電源から12Vを加えたところ、その瞬間に前回作のFANよりも絶対に涼しいと確信をしたのです。もちろん数値的な比較はできませんので、感覚的なものです。そこで早速「作業用FAN2」として作り始めました。


写真2 秋月電子で購入した450円のFAN

工作

このFANは涼しく回ります。しかし、前回の小型の場合はそうでもなかったのですが・・・ このサイズが目の前で回転すると少々危険を感じます。実際には大型というほどのサイズでもありません。しかし、裏側は回転部分が露出していて危険です。そこでスズメッキ線をハンダ付けしてFANガードを作る事にしました。後から気が付いたのですが、千石電商の通販で合いそうなFANガードがありました。面倒な方は買った方が簡単でしょう。

FANガードの固定には3mmネジ用のタマゴラグを用いる事にしました。最初にタマゴラグをFANのネジ穴に仮固定して、ここにハンダ付けできるようなサイズでスズメッキ線の円を作ります。円のハンダ付けをした後で、この四隅にタマゴラグをハンダ付けします。FANの樹脂部分に近い位置ですので、ハンダ付けは短時間でさっと行うようにします。次に縦と横にFANガードをハンダ付けします。全て目分量でハンダ付けしましたので若干の歪があり、正方形になっていません。もう少し丁寧に、定規を使って位置決めをする方が良かったかもしれません。写真3のようにFANガードが完成です。


写真3 円から作り始めるFANガード

この裏側のFANガードも写真4のように作りました。裏側の方が回転部分の露出が多いので、もう少し縦と横を多くハンダ付けしても良かったのかもしれません。まあ、キリがありませんし、細いものを完璧に防ぐのは困難です。


写真4 裏側もFANガードを作る

置いた時に不安定ではダメですので、100均で買った木を使う事にしました。これは別の工作のために購入したものです。これを2個使って写真5のような木台にする事にしました。こんな感じかな・・・ と試しているところですが、写真の金具は使わずに一般的なものを使いました。


写真5 木台の上で位置関係を確認

一応FANガードは表用と裏用で作ったのですが、一回外すと区別が付きません。写真6のようになります。ここで考えたのが、前回と同様に家内が台所で使った場合ハンダ面が外に出てしまう問題です。恐らく「これ涼しい」で台所に強制移動になりそうです。この場合、FANの位置を変えた時に有鉛ハンダに触れる可能性があるのは問題でしょう。50年も前であれば問題にはならなかったと思いますけど・・・。


写真6 ハンダ付けしたFANガード

そこで、FANガード全体に塗装をする事にしました。写真7の段ボールの中でスプレーを使って塗装を行いました。このような作業は、もちろん屋外で行います。細いワイヤーの塗装ですので、極めて効率が悪くなり、塗料のほとんどが段ボールに付着します。古いスプレーがあったためですが、下塗り、黒のつや消し、クリアと3種類を何回も塗りました。これは塗装の上手下手よりも、コストパフォーマンス的には絶対に筆塗でしょう。


写真7 段ボール箱の中で塗装を実施

塗った結果が写真8になります。塗装に甘い部分がかなりあり、不満も多々あります。特に裏側は直接見えないので気にしても仕方ないのですが、性分なのでしょう。


写真8 塗装が終了した様子

L金具と木ネジで木台上に固定して、写真9のように完成となります。電源線はFANからのワイヤーをそのままDCジャックまで使っています。電源入力には「2.1mm標準DCジャック 中継用」を用いて、ACアダプタの12Vを接続するようにしました。このような中継用を使う方が、ACアダプタを使うのが容易になります。


写真9 木台上にネジ止めして固定

なお電源線の処理としては、写真10のようにナイロンクリップで木台上に固定しています。これなら多少のテンションが加わっても問題はないでしょう。ナイロンクリップは検索すると各種ありますが、「数個ずつ各サイズ入り」というのは見かけません。個人的にはそれが欲しいです。1kΩの抵抗は100本入りで購入しますが、ナイロンクリップで1サイズ100個は不要です。


写真10 電源線の処理

使用感

定格電流が0.3Aですので、1AのACアダプタで使っています。多少の熱を持ちますが、問題は無さそうです。

風量はFANの大きさに比例するのでしょう。作業用としては、充分な風量があります。写真11のように比較するとかなり大きさが違い、風量も違います。近距離用の扇風機としては充分に思います。実際に使ってみないと解らない事ですが、多少の回転ノイズがあります。静かに越したことはありませんが、まあ仕方のない程度と思います。恐らく、小型で風量が多いほどノイズが多くなるのでしょう。


写真11 前回作と比較すると、やはり風量は多い・・・ 涼しい

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