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コンテストインフォメーション

2024年12月~2025年1月のコンテストレビューと2025年2月の注目コンテスト

JR1UJX 松永浩史

2025年2月3日掲載


締め切りの都合上、先月号では初日の出の写真が間に合いませんでした。写真は自宅から撮影した初日の出です。今回は年末年始に開催されたコンテストのレビューと2月~3月に開催される注目のコンテスト、そしてQSOパーティにまつわる話題について紹介したいと思います。

コンテストレビュー① 1エリアAMコンテスト

以前は天皇誕生日に開催されておりましたが、令和となって以降は12月第四日曜日に開催されております。今回は12月22日に開催されました。

筆者は東京都日の出山から移動運用でQRP部門に参加しました。現地への移動時には晴天でしたが、コンテスト開始後曇り、途中から雪が降り始めました。晴れ予報だったため雨仕舞の準備をしておらず、慌ててPCと無線機を囲い対策としました。

例年通り、開始直後は5~10kHz間隔でAMの信号が並び壮観でした。しかし後半は運用局がやや減る一方、ラグチューに入る参加者も散見されました。参加者は所謂コンテスターだけでなく6m AM愛好家も多く、AM祭りをお楽しみの様子でした。


筆者は出力0.5Wで参加し131交信できました。前年よりも得点が伸びましたが、SNSなどの反応を見る限り例年よりも若干参加者が減り気味ではないかとの声が多いと感じました。事務局が交代し事務処理が迅速になっておりますので、近々に結果が出るのではと思われます。

コンテストレビュー② オール兵庫コンテスト

昭和の時代から毎年1月4日に開催されております。今年は土曜日です。

筆者は1エリアから参加しましたが、前回はオープンしなかった14MHzもオープンしQRPでも交信することができました。但し、QSBが大変深く、S9だった信号が次にスタンバイした時にはノイズレベルということもありました。筆者が心配したのはQSOパーティ参加者との混乱でしたが、県単位のコンテストの中では参加局が多いためか、両者が上手く住み分けていると感じる場面も多々ございました。

コンテストレビュー③ オール熊本コンテスト

オール兵庫コンテストの翌日、1月5日に開催されました。1エリアで聞く限り、21MHzもオープンし実際交信できましたが、オープンに気づかない参加局もおられたかもしれません。一方、14MHzは地元局、近隣県からの乗り込み組でかなり賑わっていました。しかし、こちらもQSBが深く相手局を見失う方も結構おられたようです。

7MHz帯ではQSOパーティ参加者が圧倒的に多く、CQ NYPの合間に聞こえてくるCQ KM TESTをハントする形になっておりました。人によっては厳しいと感じたかもしれません。

コンテストレビュー④ オール埼玉コンテスト

前月号にて紹介しました通り、2024年に県外局同士の交信が有効となり、2025年には電信・電話での交信がそれぞれ得点となるよう規約が改定されました。

SNS上などで参加者の情報を集めてみましたが、やはり県外局の得点の伸びが著しいです。私は県外VUHF部門に参加し385交信できましたが、同部門で400近く交信した方もおられるようです。また、県外オールバンド部門だと400交信を超える方もおられるようです。平均1交信/分を超えるハイペースですので、従来とは全く異なる戦略が必要だと感じました。

注目のコンテスト① KCJトップバンドコンテスト

2月8~9日に開催されます。何といってもシングルバンド・モードのコンテストである点が特徴です。昔はCQを出す頻度にも制限があり敷居が高い印象がありましたが、現在は誰もが参加できるスタイルになっております。QRP部門やマルチオペの部門もございます。

注意点は「提出されたログを照合し、一致した交信のみ得点となる」点です。交信した場合は極力ログを提出していただきたいと思います。なお、シングルオペの全国入賞には約180交信、QRP部門でも100交信程度必要ですが、県単位の表彰もあるので、諦めずに挑戦してみてください。

注目のコンテスト② 関東UHFコンテスト

例年2月11日に開催されます。1年で一番430MHz以上が賑わう日と言って過言でないと思います。開催時間は6時間ですが、中には500近く交信する方もおられる程の盛況ぶりです。FMハンディ機+コンパクトなアンテナでも多数の局と交信できますので、1エリア在住以外の方にも一度お越しいただき参加していただきたいコンテストです。

部門は電信と電信電話、マルチバンドとシングルバンドに分かれています。電信電話での入賞ラインはマルチバンドだと400交信、430MHzだと380交信、1200MHzだと160交信程度と大変ハイレベルです。電信部門でもマルチバンドだと250交信、430MHzだと200交信、1200MHzは90交信程度と高スコアが求められます。

このコンテストに参加するにあたり注意すべき点は天候です。東京近辺で雪が降ることは少ないのですが、例年このコンテストの頃に限り降ることが多いです。UHFコンテストですので山岳移動が有利ですが、雪や道路凍結に阻まれる可能性が高いです。山岳移動される方はくれぐれも安全確保にご留意いただきたいと思います。

注目のコンテスト③ ARRL DX CONTEST

昨年のWWの好コンディションを受け、大いに期待できます。ベテランの皆様はよくご存じのコンテストだと思いますので、以下、私を含めDXコンテストに馴染みがない方向けに、このコンテストの魅力を紹介します。

魅力① 交信相手はW/VE
地域は限定されるものの、特にWは運用局数が非常に多いです。また、地域が限定されるので、オープンする時間帯も限定され、短期集中の参加が可能です。

魅力② Big gunも多い
日本では考えられないような大設備を用いて運用する局(Big gun)も多いです。そのため、モービルホイップ等の小型のアンテナを使用している方でも交信することが可能です。

魅力③ オペレーションが上手い局が多い
特にBig gunは受信能力が高く、てきぱきとした模範的な運用をする局が多いです。パイルアップになっていてもあまり待たされることはありません。

魅力④ 部門の豊富さ
シングルオペだと出力による区分(ハイパワー、ローパワー、QRP)とネット情報等のアシストの有無による区分(無印、unlimited)に分かれており、さらにマルチバンドとシングルバンド各バンドに分かれています。ご自身の設備や嗜好にあわせた参加が可能です。

今年の開催日は電信部門が2月15~16日、電話部門が3月1~2日です。日本時間だと土曜日の朝9時から月曜日の朝9時までです。

注目のコンテスト④ 広島WASコンテスト

今年は2月22~23日に開催されます。名称だけみると県内局対全国のコンテストと思いがちですが、実はグリッドロケーターのスクエア(上4桁)をコンテストナンバーとするWorld Wideのコンテストです。広島県内局はグリッドスクエアの代わりにJCC/JCGナンバーを送ってきます。また、バンドごとに開催時間が区切られているので、それぞれのバンドに集中し運用・参加できることも特徴です。

とはいえ、配点やマルチプライヤーの関係で県内局を意識し運用することが大切です。特にVUHFの部門に参加される方は「沢山交信したのに勝てなかった」ということが多々発生しますのでご注意ください。

最近の話題 QSOパーティの規約について

QSOパーティの規約中、交換する通報として「RST符号による相手局のシグナルレポート+オペレータの名前」と規定されています。この規定について2つの話題を紹介したいと思います。

話題①「オペレータの名前」について(その1)
一般に、電話での交信では名字(氏)、電信での交信ではハンドルネームを送出する方が多いのですが、電話でハンドルネームを送出する方、逆に電信で名字を送出する方もおられます。これ自体何ら問題がないと筆者は考えておりますが、中には「名前といえば名字に決まっている」とのお考えの方もおられるようで、時々トラブルになっているのをお聞きします。

今回はQSOパーティの電話での交信でハンドルネームを送ったところ「本名を名乗れ」と叱られたとのSNS投稿が話題となりました。主催者も「ハンドルネーム、ニックネーム等でもよい」と判断されておりますし、国際的なアマチュア無線の慣習に照らしてもハンドルネームで問題ないと私は考えます。

話題②「オペレータの名前」について(その2)
FT8を運用されている方はご存じかと思いますが、通常FT8での交信では名前の交換を行いません。そのため、QSOパーティに参加するためにはソフトのシーケンスに工夫して送出・交換する必要がありますが、送出せずそのまま終了する交信が散見されました。

前の話題とも関連しますが、そもそも名前の交換を必須とする必要があるのか疑問があります。名前の交換を必須の通報内容から外してよいのではと筆者は考えます。

話題③「シグナルレポート」について
電話での交信時にはRSレポート、FT8での交信時にはdBのレポートを交換することが一般的ですが、規約には「RST符号による」と明記されております。電話での交信でTが記載されていないから、あるいはFT8での交信でdBしか書かれていないからステッカーを発行してもらえなかったという話は聞いたことがありませんが、「RST符号『等』による」と一文字加えるべきではと筆者は考えます。

寒い時期、降雪が心配な時期です。皆さんも体調不良や事故に十分お気をつけいただきたいと思います。

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