Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~
2025年2月3日掲載
皆さんこんにちは、Masacoです♪ 2025年のお正月はどう過ごされましたか? 私は新年早々、1月13日に大阪で「愛(EYE)コンタクトコンサート」を開催したんです! 会場には北は東北から南は九州まで、たくさんの方が来場してくださり、補助席を追加するほどの嬉しいスタートダッシュとなりました! いつも応援に来てくださる常連さんも多かったのですが、この日「はじめまして」の方もいっぱいで、いつも以上にマイクを持つ手に力が入りましたよ!! あの時間のあの光景は、あの日だけで・・・。そんなことを思うと、一瞬一瞬の時間がとっても尊く愛おしいです・・・。この心いっぱいの思いと感謝の気持ちを、次へと繋げていきます♪ ありがとうございました!
そして1月19日には千葉県長生郡長南町から移動運用初め!「HAMtte交信パーティー2025冬」に個人コールサインのJH1CBX/1で参加して、430MHz帯と7MHz帯で118局と交信できました♪ 特に7MHz帯は一度CQを出すと、あとはずーっと呼んでいただき、最後は日没時間切れで、ゴメンナサイ! を言うことになってしまいました(涙)。JH1CBXとは初交信! というお声も多く、心躍る嬉しい1日でした。また暖かくなったら移動運用に行きたいなあ~♪
さて、今年1回目の「Masacoのむせんのせかい」は、筑波大学電気通信研究会(JR1ZTT)を訪問するために、茨城県つくば市に向かいましたよ!!
茨城県つくば市にキャンパスがある国立大学法人の筑波大学。私は茨城県のAMラジオ局で番組を担当していたことがあるので、筑波大学について「学群制で幅広く学べる」「最先端の研究ができる」「キャンパスがとても広くて自然に囲まれている」「学園祭に力が入っている」「クラブ活動も盛ん」というお話はよく聞き、とても身近に感じていました。
でも、ここに「電気通信研究会」という名前のアマチュア無線クラブがあるというお話は、実は最近知ったばかり。「コンテストにも熱心で、2024年は大学創立50周年の記念局も運用したらしいですよ」と編集部の方から伺って興味津々、訪問する日がめちゃ楽しみでした!!
お邪魔したのは12月中旬。秋葉原駅から出ているつくばエクスプレス線の終点、「つくば駅」からタクシーで10分、大学の中央口に着きました。「T」の字をかたどったモニュメントで記念写真を撮っていると「Masacoさん、お待ちしていました!」と、電気通信研究会会長の齊藤さん(学部2年)がいらっしゃいました。
筑波大学の中央口にある大きな「T」の字のモニュメント! 私も思わずこんなポーズを!
--齊藤さん! 始めましてMasacoです。今日はよろしくお願いします!
「こちらこそ、よろしくお願いします。では部室へ向かいましょう。少し歩きますので、ついてきてください」
--はい!
齊藤さんのご案内で、キャンパス内を徒歩で移動。道路が広くて、建物の配置もゆったりしています。東京からの高速バスが到着するバス停もありました。
途中で「大学中地区」という案内看板を発見! それを眺めながら「やっぱり広いですねー」と言ったら、齊藤さんから「この看板に描かれているのはキャンパスの一部分だけなんです。全体は北地区、中地区、南地区、西地区、春日地区の4つに分かれていて、国公立大学のキャンパス面積では日本第3位の広さ(129ヘクタール=東京ディズニーランドの約2.5倍)があります」と教えていただきました!!
「大学中地区」の案内看板。こんなに広いのに、筑波キャンパスの一部分なのだそうです
筑波キャンパスの全体図(筑波大学のホームページより)。国公立大学のキャンパス面積では、九州大学、金沢大学に次いで日本第3位の広さがあるそうです
そのため、つくば駅から出発してキャンパス内をぐるりと回るバス(キャンパス循環システム)が昼間は1時間に6本運行していて、年間19,000円でそのバスに乗り放題になるそうです。また、キャンパスの移動に自転車を使う学生も多いことや、敷地内に学生宿舎が67棟(3,821室)もあって、希望する新入生は基本的に入居できること(1人1室、自炊専用で門限なし)といった情報を教えていただきました!
中央口から歩いて10分。少し汗ばんできたところで、電気通信研究会の部室がある「3A(第3エリアA棟)」という建物に着きました。屋上にV/UHF帯のGPアンテナや、HFのワイヤーダイポールが張ってあるのが見えます!
建物の5階、エレベーターを降りた隣が電気通信研究会の部室でした。ドアを開けるとメンバーの皆さんが出迎えてくださいました♪
電気通信研究会の部室に到着、こんにちは~!とドアを開けた瞬間♪
部室でメンバーの皆さんに歓迎していただきました♪
さっそく部室を拝見! 中は8畳ぐらいの広さで、中には金属製のラックや長机、無線機や周辺機器、測定器、アンテナとケーブル類、移動運用の機材、パソコンなどが置かれ、壁には大きなホワイトボードと世界地図がありました。
奥に長~い部室。金属製のラックがたくさん配置されています
テーブルとラックには無線機がたくさん置いてあります。少し前のHF固定機が多いところに、クラブの伝統を感じます。今のHF帯のメイン機種はIC-756PROⅡとTS-950Sで、「そろそろ最新機種が欲しいと思っています」ということでした。
現在メインで使っている無線機のいろいろ。1kW局の免許も受けています!
ドアのすぐ横のラックには「筑波大学 JR1ZTT」というプラカードが取り付けられていました! これはテレビ朝日系の人気番組だった「タモリ倶楽部」の、2015年秋に放送された「大学アマチュア無線部 最新活動報告会」の回に出演されたときのものですよね!? 同じ仕様のものを日本工業大学にお邪魔したときに見せていただいたので、ピンと来ちゃいました(笑)。あと、大きく「ZTT」と書いてあるヘルメットも発見! ちょっとかぶらせていただきましたよ♪
2015年に部員の皆さんが「タモリ倶楽部」に出演したときのプラカードを発見! その上のカゴには「ZTT」と書かれた作業用ヘルメットも保管されていました
続いて、皆さんと一緒にアンテナを見せていただくために、特別に屋上へ移動。隣の建物との間に張ったフルサイズのダイポール(3.5MHz用、7MHz用)が見えました。
隣の建物との間に張ったダイポール。フルサイズの長いワイヤーアンテナが張れるのは学校社団局の“特権”ですよね♪
つくば市内の中高に通学していた古賀さん(学部1年)が周囲の景色を案内してくださいました。中央の山は茨城県のシンボル「筑波山」です!
屋上の一角には、アンテナタワーやルーフタワー、マストパイプを分解したものがたくさん置かれているものも発見! よく見るとタワーの基礎もあります。コンテストに参加するときなどは、ここにタワーを仮設することもあるそうです。
屋上の一角で分解したタワーやマストパイプを保管中。タワーの基礎も発見!
コンテスト参加のために大きなルーフタワーを仮設したところ
少し離れた別の建物には、144/430/1200MHz帯の八木やGPが付いたアンテナタワー(仰角ローテーター付き)が見えました。これは以前、大学で2基の小型人工衛星の開発と打ち上げを行った「結(ゆい)プロジェクト」で使われたものらしい、ということでした。
別の建物の屋上にもアマチュア無線用のアンテナが設置されていました。小型人工衛星を開発した「結プロジェクト」のものらしいです!
部室に戻って、齊藤さんやメンバーの皆さんから、電気通信研究会の歴史と現在の活動について伺いました。
メンバーの皆さんから電気通信研究会の活動を教えていただきました♪
まず歴史ですが、1973年に筑波大学がこの場所(当時は新治郡桜村)で開校した頃に「筑波大学電子工学研究部」が誕生し、その社団局としてJR1ZTTが免許された・・・ らしいのですが、残念ながら、その当時の経緯は詳しく伝わっていないそうです。その後、「筑波大学アマチュア無線クラブ」と名称を変更してコンテストなどでアクティブに活動。2019年4月からは現在の「筑波大学電気通信研究会」という名前になりました。
実は2017年から2020年頃、部員数の減少でアマチュア無線クラブは廃部の危機に直面したそうです。「そのときはOBの方々に局免許更新の協力を仰いだり、活動内容をアマチュア無線に絞らないことで門戸を開いて部員数を増やしたりして、人数が増えてからアマチュア無線活動に力を入れました」という苦労があったそうです。「部の名前を変えたのも、そうした背景があったからかもしれません」と齊藤さんがおっしゃっていました。
現在のメンバーは20名(筑波大学生: 男子16名、女子1名、インカレによる他大学生: 男子3名)で、資格別では1アマが5名(うち米国FCCのAmateur Extra級2名)、2アマ4名、3アマが7名です。
電気通信研究会という名前なので、メンバーは理系(工学系、情報系)の人が多いのでは? と思っていたら、「もちろん工学系、情報系の方が多いのですが、文系の方もいます。現役メンバーの中だと医学系、国際系、生物系など、理系だけに関わらず在籍しています。入部に条件はなく、アマチュア無線を主とした活動をしていますが“電気通信研究会”の名の通り、電気や通信についてちょっとでも興味がある方なら、誰でも大歓迎です。アマチュア無線技士の資格も入部してから取る方も多く、資格条件もありません。最初の国家試験の受験料(合格1回のみ)を部で負担する“受験料還元システム”もあります!」というお話でした。
毎年4月の新歓祭(新入生歓迎イベント)にも力を入れています!(2023年4月)
気になる今の活動ですが、「アマチュア無線だけでなく、ネットワークや電子工作などの電気分野から情報通信分野まで、それぞれが興味を持つジャンルで自由に活動できる」というのが基本方針で、毎週水曜日の夕方から部室で定例ミーティングを行っています。
アマチュア無線の活動としては、関東大学社団の無線部(筑波大学、東京大学、日本工業大学、東洋大学)の合同移動運用を埼玉県の堂平山剣ヶ峰で企画したり、主要コンテスト(JARL主催コンテスト、高校コンテストなど)への参加、フィールドデーコンテストでの移動運用(2024年は筑波山から)などがあるそうです。
2024年8月のフィールドデーコンテスト参加風景
フィールドデーコンテストのスナップ。夜中もアウトドア用のヘッドランプを装着して車内から運用!
「フィールドデーコンテストのときには、バーベキューをするのが慣例になっています」「フィールドデーコンテストは“無線だけする人”と“バーベキューだけする人”に分かれますね」といった話もありましたよ!
2024年の6m AND DOWNコンテストに部室から8N1ITFで参加。活気が伝わってきますね!
そして2023年10月、筑波大学は「開学50周年(創基151周年)」を迎えました。これを記念して2023年12月1日から2024年9月30日までの10か月間、記念局の「8N1ITF」を運用したそうです(JR1ZTTのコールサインを一時変更扱い)。“ITF”は筑波大学のスローガン「IMAGINE THE FUTURE(未来を想像する)」の頭文字だそうです。
この8N1ITFですが、2012年の「筑波大学創基140周年+ネットワーク衛星“結”プロジェクト相乗り決定記念局」、2013年の「筑波大学開学40周年記念局」でも使ったことがある特別コールサインで、今回が3度目の登場になると教えていただきました。
2012年に「筑波大学創基140周年+ネットワーク衛星“結”プロジェクト相乗り決定記念局」として8N1ITFを運用した際のQSLカードです
今回は「10年ぶりに記念局を運用したいね」という話が持ち上がり、書類を作って大学側と折衝を重ねて実現したそうで、「メンバーの1人がめちゃめちゃ頑張ってくれて、4,000局を超える交信を達成したんですよ!」と誇らしげでした。
こちらはJR1ZTTの現行QSLカード。夕焼けのアンテナと筑波山が美しいです!!
また大学のイベントにも参加しているそうで、5月末の「やどかり祭(新入生が主役の宿舎祭)」と、11月初旬の「雙峰祭(学園祭)」には“若鶏の炭火焼き”や“肉巻きおにぎり”といった模擬店を出すのが恒例だそうです!
2023年11月の雙峰祭(学園祭)は模擬店で若鶏の炭火焼きを販売。「電撃鶏」という名前が、電気通信研究会っぽいですね!
2024年5月のやどかり祭(宿舎祭)では肉巻きおにぎりを販売。見事“完売”の記念写真です♪
--若鶏の炭火焼きなんて本格的ですね! どれぐらい売れました?
「1つ300円で1,000食以上売れました。鶏肉は近所のスーパーから大量に買い付けて、コンロはレンタルです。2日間ずーっと焼いていました。でも2024年秋の雙峰祭は、売れ行き予測に対して参加できる部員数が少なく、対応できなくなると見込んで、残念だけど不参加にしました」
雙峰祭の「若鶏の炭火焼き」は想定以上の売れ行きで、途中でスーパーマーケットに行って鶏肉を追加購入することになったそうです!!
--そうなんだ~! この模擬店がきっかけで電気通信研究会に入った人はいなかったの?
「肉を焼くので手一杯で、無線の展示は全然できなくて。サークル名も看板の隅に小さく入れていただけなので、入部した人はありませんでした(笑)」
--うわー、残念!
やどかり祭の「肉巻きおにぎり」調理風景。みんな頑張っています!!
ここで、集まってくださったメンバーの皆さん9人に、ミニインタビューを行いました!
●岩崎さん(学部4年)
理工学群応用理工学類で半導体や放射線などを勉強しています。今一番忙しくてヤバい時期ですが、ちょっと覗きにきたら捕まってしまいました(笑)。出身は東京で実家から通えなくもないですが、つくばエクスプレスの定期券の値段を見て、大学周辺のアパートの家賃と比べてみて、あまり変わらないなということで下宿をしています。普段は自炊をしているつもりですけど、後で出納帳を見ると3割ぐらいが外食です。
入部したきっかけですが、もともとは高専(高等工業専門学校)で電気通信研究会に所属していました。それで2年前に筑波大の3年生に編入して、せっかくだから大学のサークルというものに参加してみようと思い、ここを見つけて入りました。無線運用よりは機材整理といった裏方サポートが好きで、備品にQRコードのシールを貼って、スマートフォンでそれを読み込むと、購入した日や不具合の状況といった記録を読んだり、書き加えることができる物品管理システムをみんなと協力して作りました。
これからやりたいことですが、僕は今3アマで、1アマの問題集を見たら「これはムリだな」と感じました(笑)。なので、FCCのAmateur Extra級に挑戦してみたいと思っています。内定先の企業(工作機械関係)で海外に行くチャンスもあるらしいので、1.5kWをぶちかましたいです。将来はたくさん稼いで、たくさん趣味を楽しみたいと思います。
●部長 JL1DGW 齊藤さん(学部2年)
生命環境学群生物学類に所属し、3年から多様性コースに進みます。入学したての時に「新歓祭」というイベントがあり、いろいろな部のブースを見て回っていたときに電気通信研究会を見つけました。ブースには無線機ではなくてボードゲームが広げてあり、それに食いついたら、実は無線のクラブだということが分かって、無線も面白そうだなって思ったんですよ。
活動で楽しいことは、最近は(部長として)書類しか書いてないんですけど・・・ 個人的には、フィールドデーコンテストのように外に出て活動するのが好きなんです。今後の夢は、これまで誰にも言っていなかったのですが、“パイロットになりたい”と思っていて、将来はANAかJALに入りたいですね。
●JE6LNT 木場迫(こばさこ)さん(修士2年)
大学院の理工情報生命学術院システム情報工学研究群 情報理工学位プログラムです。以前は宮崎大学で学んでいました。研究したい内容にぴったりの先生や研究室があるということで、大学院から筑波大学に来ました。Masacoさんが宮崎大学無線部(JA6YBR)を訪問された時にもお会いしていますから、これで2度目の「むせんのせかい」登場です(笑)。
宮崎大学ではMasacoさんの取材がきっかけで、完全に“無線の世界”に入ってしまい、2年と少しの間、部長をやらせてもらい、コンテストにも結構はまってしまいました。筑波大学に来たら電気通信研究会があって、研究室の先輩にも入部している方がいらっしゃったので入ってみようと思いました。活動で好きなのはやっぱりコンテストです。みんなと一緒にやるのが楽しくて、設営から運用やって片付けまでやっています。最初は怖かったのですがアンテナタワーに登るのも好きになりました(笑)
後の夢ですが、実はOMさんから7MHzから50MHzの伸縮する八木アンテナをいただいたのですが、タワーを立てる場所や土地がないので、将来はそれを建てられるシャックを作りたいですね。
左から岩崎さん、齊藤さん、木場迫さん
●JJ1LWC 古賀さん(学部1年)
理工学部工学システム学類の1年です。元々はJJ1YAF(つくば市にある茗溪学園中学校高等学校の科学部無線工学班)で活動をしていて、そこから筑波大学の無線部に入った先輩がいて、私が高2のときに「おいでよ、会長にしてあげるよ」って誘ってくれた流れで入ってきました(笑)。筑波大学の合格が決まった直後に部室の見学にも来ました。
無線に興味を持ったのは、小学生の頃に「子供の科学」という雑誌に載っていたアマチュア無線の記事を読んで“やってみたいな”と思ったのがきっかけです。でも無線機が結構高いので、いきなり親に「無線をやりたい」というのは気が引けて。中学で茗溪に入ったら「なんだ、アマチュア無線部があるじゃないか」と気付きました。
将来の夢ですが、来年度から部長になる予定ですので、このサークルにもっとたくさん人が集まって、もっと面白さを知ってくれる人が増えるといいなって思っています。そのようなことが実現できる部長になりたいです。
●竹澤さん(学部4年)
情報学群情報メディア創成学類にいます。出身は栃木県宇都宮市です。私も去年、高専から3年次編入でこの大学に来ました。新歓祭でうろうろして部屋の一角に入ったら、そこにいた人と話がすごく合った・・・ というか、パソコンや電気回路とかがわかる人間が集まっている集団の雰囲気が良かったので入部を決めました。無線の免許は入部後に取りました。無線の運用よりもサークル運営が好きなのかなと思っています。大掃除の方針を決めたりとか、そういうところを主導してやっています。
これからやりたいことは、そろそろコールサインを取ろうかなと思っています。あと車が好きなので愛車にモービル機も取り付けたいと思っています。あと一応1アマを持っているのですが、これまで1kWは出したことがないので、それもやってみたいですね。
●JK1WHC 太田さん(修士2年)
大学院の理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 情報理工学位プログラム博士前期課程に所属しています。簡単に言うとコンピュータサイエンスですね。木場迫さんと同じ研究室です。
出身は埼玉県です。高校生の頃から航空無線を聞くことにはまって、航空無線通信士の資格も取りました。アマチュア無線にはあまり興味がなくて「航空無線通信士の資格に4アマはついているけど、使う機会はないよな」ぐらいに思っていました。筑波大学に入り、学部の4年間はこの部には所属していなくて、修士に上がったタイミングで情報系の後輩たちが電気通信研究会にいたので、アマチュア無線ってどうなんだろう? という興味から入部しました。
1アマはこの部に入ってから取りました。勉強に要した時間は3日ぐらいです。実はその前に1陸技を取っていたんです。こちらはさすがに1回で全部合格はできなかったので2回の受験で取りました。技術的な部分は1アマも1陸技もそんなに変わらない感じだったので、あとは法規の違うところを勉強して・・・ という感じでした。
将来の夢ですが「飛行機の免許が欲しい」と思っています。実は過去に、航空大学校の入試やANA系の自社養成の公募に応募してみたりしたこともありました。まだ一応新卒としてチャレンジができるんですけど、どうなるかわからないです。無線ではFCCのAmateur Extraにチャレンジとか、1総通を取ってすべての無線局を扱えるようになりたいですし、自宅に固定局を置きたいと思っています。
左から古賀さん、竹澤さん、太田さん
●JL1CFH/KK7UOG 仲村さん(修士1年)
大学院の人間総合科学学術院 人間総合科学研究群 情報学学位プログラムにいます。ディスプレイとか超音波とかの研究をしていますが、ヒューマンコンピューターインタラクション(人とコンピューターの間で生まれる相互作用)を研究している人もいるし、元々は「図書館情報大学」だったエリアなので(※図書館情報大学は2004年に筑波大学に移行)、図書館の研究をしている人もいます。
出身は北海道です。学部1年から筑波大学にいて、今は修士1年で筑波歴は4年目です。と言っても「飛び級」をしたわけではなく、学部の3年目で退学して大学院に入りました。クラブは元々、放送部に入っていたのですけど、3年生で引退になるため、次は何しようかな? と考えてここに来ました。
アマチュア無線は、遠くと繋がるのが面白いですね。これからチャレンジしてみたいことは、無線で言うとSDRの勉強をしてみたいです。サークルで言うと図書館情報大学のコールサインを下ろしてみたいな思います。すでに図書館情報大学がないので、クラブ局も存在していないのですが・・・。今後の夢としては、25歳で博士号を取ることかなと思っています。
●春山さん(学部3年)
社会・国際学群 国際総合学類で学んでいます。出身は神奈川県で、高校(県立厚木高校)で無線をやっていたので、その流れで入りました。筑波大学には無線部があるということは入学前に調べました。活動で好きなところは、無線以外のことも幅広くやっている点です。
アマチュア無線は、いろんな人と話せるのが楽しいです。まだ個人コールを持っていないので、将来はコールサインを取って開局したいです。将来は、人の役に立てるような、物やサービスができたらいいなって今は思っています。
●JL1BBY/AK6IS 成田さん(学部3年)
情報学群情報メディア創生学類です。出身は茨城県行方市で、編入でこの大学に入り、2024年からこの部に加わりました。元々ネットワークに興味があったので入ったのですが、部ではそこまでネットワークのことはやっていなくて、アマチュア無線にハマっちゃった感じです(笑)。実は中学生のときにアマチュア無線に少し興味を持ったのですが、お金の問題と、試験会場まで遠かったことから断念しました。それがこの大学に入って始めることができたという感じですね。
活動で楽しいのはコンテストですね。みんなと一緒に無線をするのが楽しいです。あとは遠くと直接通信するのは面白いと思います。実は夏休みにFCCのAmateur Extra級を取りまして、日本では1アマ相当として通用するので1kWが出せるようになりました。
日本では国家試験を受けてから従事者免許が発給されるまでかなり時間がかかりますが、アメリカのFCC試験なら受験から1週間でライセンスが発行されます。つまり、新入生も無理やりALL JAコンテストに間に合わせることができるんです(笑)。そこでFCCの有資格者を3人集めて、ボランティア試験を開催できるチームを作り、来年4月ぐらいに試験を開催し、新入生をALL JAコンテストに間に合わせたいと思っています。
個人的なところでは、実家は土地があるので、お金を貯めてタワーを建てたいなという気持ちがあります。ただ土地の開墾が必要なのと、竹藪なので竹を超えるだけのタワーを建てるか、竹を何とかしなくちゃいけない、地盤も緩そうというのがありますね。
左から仲村さん、春山さん、成田さん
皆さん、ありがとうございます!! 編入でこの大学にいらした方が多いのと、理工系だけではなくて、本当にいろいろな学群の方がメンバーになっているのにビックリしました!
そして木場迫さん!! この連載で宮崎大学無線部(JA6YBR)にお邪魔したのは2019年の春でしたから、5年半ぶりの再開ですね! あの時は「やっと大学に入ったので、また無線をやりたいと思って、今日はたまたま無線部を訪問しました」というところをインタビューさせていただいたと思います♪ 2回目の登場という方は本当に珍しいんですよ。
このあとは、皆さんと寮生活や通学のエピソードでしばらく盛り上がりました!
最後は恒例の「Masacoの体験コーナー」です! 今回は岩崎さんのお話にも出てきた、電気通信研究会が物品管理に利用している「QRコード」のシールを、私がある備品に貼り付けて、新規登録の作業をするという体験だそうです!
電気通信研究会の備品にはQRコードが印字されたシールが貼ってあります
--岩崎さん、よろしくお願いします!
「はい。こちらがプリンタで出力したQRコードのシールです」
プリンタで印字したQRコードのシール。大小2種類がペアになっています
--へえ~、大きいシールと小さなシールがペアになっているんですね。!
「Masacoさんに貼っていただくのは、こちらの備品です」
--え、これは“お札(ふだ)”ですよね!?
「はい。京都にある電気と電波の神様を奉った“電電宮”のお札です。これも部にとって大切な備品なのですが、QRコードでの管理はしていませんでした。この周囲の薄い紙(持ち帰り用の包装紙)にシールを貼ってください」
--じゃあ貼りますね。神様、失礼します。
お札を包む薄い紙(持ち帰り用包装紙)にQRコードのシールを貼りました
無事、お札にシールを貼り終えました!
・・・ ということで、包装紙の表側の隅に小さなシールを、裏側に大きなシールを貼りました。そのあとはQRコードを貼ったお札を持つ私の写真を撮って、物品管理のデータベースに登録です!
「せっかくですから、コメント欄にMasacoさんのメッセージを書いてください」
ということで、「59! お空の調子も絶好調(ニコニコマーク) 晴れパワー! でFBな1日を♪」と書かせていただきました♪
部のパソコンで物品管理のデータベースに登録。私の写真とメッセージも入っています♪
これで部員の皆さんが、お札に貼ったQRコードをスマホのカメラにかざすと、私の写真とメッセージが出るようになりました(笑)。
QRコードをスマホのカメラにかざすと私が登場します(笑)。部員の皆さん、長く大切にしてください♪
そうそう、このQRコードを使った物品管理システムのことをもっと知りたい方は、岩崎さんがnoteで概要を公開していらっしゃるので、ご覧になってください!
https://note.com/mamimal/n/n0efdd772bb61
筑波大学電気通信研究会の皆さん、授業や研究でお忙しい中を集まっていただき、ありがとうございました! このサークルには独特の“居心地の良さ”がありますね。皆さんがアマチュア無線の運用だけでなく、いろいろな楽しみ方を実践している様子が伝わってきました。
筑波大学電気通信研究会の皆さん、ありがとうございました!!
50年近い歴史があるJR1ZTTなので「OB会のような組織はありますか?」と伺ったら、「あります、100人以上が集まっています」というお返事が! 毎年12月には現役部員とOBが交流できる「OB総会」にも、たくさん参加されるということでした。
「無線機など、部費で賄えないような大きな買い物をしたい場合は、OB会に相談することで、OB会の予算から出していただけることがあります。最近だとイスをたくさん買ってもらいました」というお話や、2017年頃に廃部の危機に直面したときにOBの皆さんが協力してくださったエピソードを伺って、OBの皆さんっていいなあ、頼りになるなあ~と思いました。OBの皆さんの後輩への思いやりや心配りは、この部を愛している信頼関係の中で、しっかり築き上げられた伝統ですね! 今回お会いした現役メンバーも、何年かしたらOBになって、後輩たちをサポートしていくのでしょうね♪ まさに無線が繋いだご縁がだんだん円になって支えあう・・・ 学生の皆さんの雰囲気や、部室の歴史から、この想いを肌で感じる取材でした!
あ、学園祭で模擬店を出すときは知らせてくださいね~! エプロンを持って女将さんをやりに行きますよ。もちろん“スマイル0円”でねっ♪
(JH1CBX Masaco)
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