PHONEで楽しむQRP通信
2025年2月17日掲載
昨年(2024年)暮れにインターネット販売にて、中華製ATUをポチッとしてしまいました。現在流行りのQRP対応ATUはATU-15のようですが、ピコトラ旧製品(MX-6Z、MX-15)を所有する筆者は0.2Wでも動作するといわれているATU-10-01Aを選定しました。
品物は2024年中に届いたので、IC-705にて動作確認を行ったところ、HF・QRP用ATUとされていますが50MHz帯まで動作し、かつ、対応する入力パワーも評判? 規格通りにIC-705の2%(0.2W)設定での動作を確認できました。さすがに1%(0.1W)では動作しませんでした、ハイ。
過去に使用していたATU(エレクラフトのT-1)はチューナーとV.SWRの測定の切り替えが少々面倒であったため、第9回で紹介した自作のマニュアルチューナー(大阪日本橋のデジットで購入したポリバリコンを使用すると2,000円未満で製作できた)を使用するようになりました。しかし、今回は久々のQRP対応のATUに目を向けてみました。
1.8MHzチューニング
3.5MHzチューニング
つづいて、筆者の使用するHFローバンド用アンテナを紹介しますと以下の構成になります。
1.8MHzのアンテナは、3.5MHzセンターローディングモービルホイップにワイヤーを追加し1.8MHzに同調させたものを2組使用してM型のバンザイダイポールアンテナ(全長15m程度)を形成しています。なお、3.5MHzセンターローディングモービルホイップはコメットHR3.5に限ります。他社のものだと延長ワイヤーが長くなったり、同調しませんでした。
3.5MHz&7MHzのアンテナは同軸ケーブルでトラップを形成した2バンド逆V型ベントワイヤーダイポールです。加えて18MHzの単純な逆V型モノバンドワイヤーダイポールを1つのバランを介して給電しています。ワイヤーエレメントの素材はACコードやスピーカーコードなどの安価な平行より線を引き裂いて使用しています。これらのアンテナとATU-10-01Aを併用してQRPで1.8MHzを含めたHFローバンドに気軽にQRVできるようになりました。ということで2025年のQSOパーティはIC-705の出力5W SSBでHFローバンドに挑戦してみました。
狭い敷地でエレメントを展開
これまでローバンドでのQRP運用はQRP特別記念局の7MHzにおいて5WでのQRVの経験がありました。また、かつては7MHzで個人コールにて朝方(5時~7時前)のノイズ、混信の少ない時間帯に0.5W SSBでの運用を行ったこともありました。故に7MHzではPHONEでの5W運用は可能であるものと認識しています。ただ、1.8MHzや3.5MHzは、はなからQRP運用をあきらめていました。しかし、前述したATUを活用することでQRVする局の多いQSOパーティ期間中にQRP運用することに挑戦? してみました。
初日の1/2は所要があり9時から7MHzにQRVし30分程度で3局とQSOできました。1/3~4は7MHzをメインに運用しました。3.5MHzでも数局とQSOできました。1/5はついに1.8MHzで交信が成立しました。
これまでこのバンドではQROでの交信実績しかありませんでしたが、今回初めてQRP 5Wでの交信でした。相手局の耳の良さに助けられての交信であることは言うまでもなく感謝にたえません。なお、相手局のアンテナはフルサイズDPとのことでした。
1/6~7は3.5MHz・7MHzで何とか1局のQSOができました。このことでQSOパーティ期間中はローバンドにおいて連日QSOを楽しむことができました。しかし、5エリア9エリアとはQSOできずAJDを達成することはできませんでした。
今回、QSOパーティ開催期間中のQSO実績は以下の通りです。
実際の運用を振りかえると・・・。
1.8MHzではほとんどQRVしている局を確認できませんでしたし、信号強度が強い局もみられませんでした。そんななか、ワッチ中に一瞬信号強度が強くなった局があり、これを逃したら今回1.8MHzの交信実績ができないと感じ、懸命にコールしやっとのことでコールサインを認識してもらいQSOが成立しました。
3.5MHzでは同一の市(長野県中野市)の局で固定局と移動局が同時間帯にQRVしており、交信できたのは移動局でした。固定局の方は信号強度も9+であったことから交信できるものと思っていましたが、呼べども応答がありませんでした。これから考えるとこの局は送信出力と受信能力のバランスがとれていなかった局であったことが伺えます。筆者もQROにて運用しますが、極まれに了解度3程度の信号で呼ばれることもあることから常に高利得アンテナが欲しいと思っています。
7MHzではQRV中に「周波数チェック」があり、使用中であることを告げても届いていないのか、CQを開始されることがありました。このことから1つの周波数での継続運用時間は1時間にも満たないものでした。これはQRP運用での悲しき定めでもあります。まあ、QSYすれば済むことなのでいちいち気にはしていません。
18MHzは秋にMIZUHO MX-18SにてSSB 2Wでの交信実績があったので5Wの運用に対してはQSOできるものと考えています。但し、バンドが開いていなければ話になりません。幸い、期間中は夕方まで伝搬状態に恵まれQSOすることができました。
QRP運用はコンディションと相手局の耳の良さに頼ることが多いのは事実です。今回のQSOパーティでは久しぶりにワクワクとした、かつ、スリリングなQSOを楽しむことができました。
QSLカード
★★★IC-705ディスプレイ用日よけ★★★
IC-705のディスプレイに日よけ(サンバイザー・サンシェード)をつけてみました。使用したのはカーナビモニタ用の5.5~10.0インチ対応のものですがIC-705のディスプレイは4.3インチであることから幅と高さを切り詰めて取り付けました。
購入品
取り付け後
今回はこれでおしまいです。
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