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子供の無線教室 ~電波のフシギをやさしく学ぼう~

第1回 「電波ってなあに?」

月刊FBニュース編集部

今月から始まった新連載「子供の無線教室」。小学生のみんなに電波や無線のことを知ってもらうための入門講座だ。気軽に読んでね。

電波ってどんなもの?

最初はこの連載の中心となる「電波」のことを説明しよう。

キミたちは電波を見たことがあるかな? たぶん「見た!」という人はいないだろう。そう、電波は人間が直接見たり、触ったりできない無色透明の空気のようなものなんだ。でも私たちの周囲をたくさん飛び交っていて、テレビや携帯電話、無線通信など、さまざまな情報を伝えるために使われているんだよ。

電波は漢字からも想像できるように“電気の波”でできているんだ。電気には「プラス」と「マイナス」という、性質の違う2つ極性がある。テレビのリモコンとか掛時計の中に入っている乾電池は、上にポチッと出っ張りのあるほうがプラスで、底の平らな方がマイナスだ。これはじ~っと見つめていても、突然プラスとマイナスが入れ替わることはないんだ(直流)。

ところが電柱から家のコンセントに届く電気(商用電源、電灯線電源)は、時間と共にプラスとマイナスが入れ替わりながら流れているんだ(交流)。例えば東日本で使われている電気は1秒間に50回、西日本では1秒間に60回、プラスとマイナスが入れ替わっているよ。

プラスとマイナスが入れ替る速度を1秒間に何千回、何万回…と超高速にした電気を電線に流してみると、その周囲に「磁界(磁石の力が作用する空間)」と「電界(電気が働く空間)」が、かわるがわる発生して、空間にどんどん広がっていくんだ。これが電波の素なんだよ。

超高速で「情報」が送れる!!

電波の一番の特徴は「空間を超高速で進む」という点なんだ。そのスピードは「光」と同じ、秒速なんと30万キロメートル! 1秒間に地球を7回り半もする速さだよ。ちなみに「音(音波)」は、秒速たったの0.34キロメートル。電波は空気のない宇宙空間でもグングン進むから宇宙とも交信できるけれど、音は空気の振動を使って届くので宇宙空間は無理。大きな違いだね。

そして電波のもう1つの特徴は「電波は情報を届けることができる」という点だ。例えば、声や音楽なんかは「音声信号」、絵や画像は「映像信号」、インターネットなどのデータは「データ信号」として電波に乗せることができるんだ。

例えばテレビは、テレビ局で収録した音声や映像を電気信号に変えて、送信所に送り届ける。そして送信所の高いアンテナタワーから電波に乗せて発射している。それが秒速30万キロで空中を飛んで、キミの家の屋根の上のアンテナがキャッチし、部屋のテレビに絵や音が映し出されるという仕組みだ。


高さ634mの電波塔、東京スカイツリー。テレビの電波はそのてっぺんから発射されている。
見晴らしが良いから、遠くまで届くんだ!!


テレビ電波の受信用アンテナ。キミたちの家の屋根にも同じようなアンテナがあるかもしれない

さまざまなものに利用されている電波

キミたちの身の回りを見てみると、テレビ以外にもいろいろなものが電波を利用しているのがわかるぞ。

キミたちの大好きな携帯ゲーム機、携帯電話やスマートフォンはその代表だ。そのほか、自動車についているカーナビやラジオ。こうしたものは、最新の情報をキャッチしたり、どこでも便利に使えるように電波を使っている。

それからパトカーや消防車、救急車などが現場に駆けつけるときにも電波を使って司令室と交信をするし、飛行機や電車も電波で連絡が取れることで安全で正確な運行ができるようになっている。そう、電波は「目には見えないけれど、私たちの生活や安全のために、なくてはならないもの」と言える存在なんだ。

このコーナーでは次回から、電波や無線の歴史、特徴、活用方法などをどんどん紹介していくぞ。連載を全部読み終わる頃にはキミもちょっとした電波博士になっているかもしれない!?  それでは次回をお楽しみに!!

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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