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アパマンハムのムセンと車

第3回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

今回は、モービル運用やアパマンでの運用に役立つヒントを、グッズも含めてご案内したいと思います。

釣り竿アンテナとアース

最近、再び流行している(?) HF帯の釣り竿アンテナですが、釣り竿以外に必ず必要になるのが、アンテナチューナーとアースです。

アンテナチューナーは、アイコムのAH-730をはじめとする屋外型アンテナチューナーを使うのが、いちばん手っ取り早いです。


屋外型アンテナチューナーの例 (アイコム AH-730 アイコムHPより引用)

各トランシーバーメーカーからオプションとして売られているほか、海外のメーカーからいろいろな種類が発売になっています。

次に大事なのがアースです。アースというと、地面に銅製の棒を打ち込んだり、穴を掘って銅板を埋めるイメージがありますが、これらは保安設置、若しくは避雷針用であり、無線通信に使用するアースではないと思います。特にアパマンハムでは、地面にアース棒を打ち込むなんて、ほぼ不可能です。ベランダの手すりが大地(アース)に繋がっていれば、アースとして使用出来ます。つながっていなくても大きければアースになり得ます。私のところは手すりがコンクリートであり、アースになるような金属部分はありません。

そこでおすすめしたいのが、写真のようなアース板です。幅20cm、長さ3mほどのアルミ板を複数枚、ベランダの中に敷いています。これはホームセンターで売っているアルミ板(ここでは40cm×90cm、厚さ0.5mm)を短冊状に切り、穴を開けてネジ止めしたものです。この程度の厚さなら、ハサミで容易に切れますし、穴開けもハンドドリルでも容易です。




とても大切なことですが、アンテナチューナーからアース板までの配線は、極力短くするようにします。私は下の写真のように5cmほどです。以前、20cmくらいだったときは安定しませんでした。アンテナチューナーは床に直に置くくらいでないとダメだと思います。


アース板の代わりに網を使う方がおりますが、網の構造によってはアースにならないものもありますのでおすすめしません。安く済ませるならアルミホイルを2~3枚重ねたものでも大丈夫です。ただし床に密着するように、かつ風で飛ばされないように重しを工夫します。市販のアース線(5m×5本など)でもいいのですが、床に密着させることが難しいと思いますし、見栄えも良くないので私はアルミ板を使っています。

このアルミ板アースとの組み合わせでエレメントはいろいろな長さを試しましたが、13mの時が一番調子が良いようです。釣り竿は全長6mほどですので、足りない分は写真の赤線のようにオートチューナーまで折り返して設置しています。


パドル切り替え器

マイクの切り替え器は市販品でもありますが、なぜかパドルの切り替え器は見たことがありません。まあ、簡単な物ですから自作すればいいのでしょうが、ケースの加工などが面倒です。そこでヘッドホン切り替え器で使えそうな物を探してみました。
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この製品は、入力が4回路(リア側)、出力が1回路(フロント側に4つジャックがありますが、すべて並列につながっています)の単純な構造です。実際には出力側にパドルをつなぎ、入力側を各トランシーバーにつないでいます。これで全く問題なく使えています。お気に入りのパドルを切り替えて使えるので、重宝しています。シャックが狭くなりがちなアパマンハムにはもってこいではないでしょうか。

BSアンテナ用ベース+移動用マスト

アパマンハムの悩みのひとつがアンテナだと思います。特に鉄格子でないベランダにはアンテナを固定する方法でお悩みの方も多いでしょう。私のところのマンションも手すりがコンクリートでアースはおろか、固定をどうするか最初は悩みました。しかし、QRTする前の知識を思い出し、BSアンテナ用の基台が使えるのでは? と思い出し、さっそく探してみました。
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この2種類が見つかり両方とも使っています。どちらも似たり寄ったりなので、値段と好み、在庫で決めていいと思います。注意することは、くれぐれも無理して大きなアンテナを上げないことです。強風の時は、すばやくベランダ内にアンテナを収納することを考えておきましょう。私も台風の時はもちろん、「今日は風が強いな」と感じるだけでも倒して収納しています。


BSアンテナ基台とアンテナマストはUボルト付の金具で固定します。アンテナマストは鉄パイプを使うのが一般的ですが、小さいアンテナや調整が必要なアンテナを上げるのにもってこいなのが移動用アンテナマストです。これならば調整や使わない時には下げられますし、運用する時には高く上げられます。もっとも、私のところが屋根がない最上階なので出来ることだとは思いますが・・・。アパマンハム以外にも、一戸建ての方でも応用できると思います。

高短縮率アンテナに必須! 手動アンテナチューナー

アパマンハムでHFをやろうとすると、どうしても高短縮率のアンテナになります。このようなアンテナは構造上、SWRが低く使える帯域が狭いです。もちろんモービル用ホイップアンテナもしかりです。こんな時に威力を発揮するのがアンテナチューナーです。最近のHFトランシーバーにはオートアンテナチューナーが内蔵されていますが、SWRでいうと1:3くらいがチューニングできる限度です。それ以上の高SWRではチューニングを諦めてしまいます。

オートアンテナチューナーが流行る前に、手動のアンテナチューナーが流行しました。こちらであれば、もっと高いSWRでも対応出来るケースが多いです。しかし、現在では国内では1社のみ、その他は輸入品に頼らないといけません。


そこで私はヤフオク、mercariを活用することにしました。アンテナチューナーなら壊れていても、高価なバリコンなどモトがとれるパーツがあるうえに、私でも修理出来そうだと思ったからです。もし程度のよさそうなアンテナチューナーが安価で入手できるなら、1台買っておくのもいいと思います。私は4台ほど購入し、現在は手元に2台残しています。残っていないものは自分には合わなかったということで、ネットオークション市場に「リリース」しました。もちろん、中古はどうしても不安という方は、国内外の新品を購入すれば良いでしょう。

モービルからのCW運用に最適なミニパドル

上記でも書きましたが、モービル用アンテナは高短縮率のため帯域が狭いです。それもあって、最近HFは7MHz帯のCWがメインになってます。これならトランシーバー内蔵アンテナチューナーでも追いつきます。

アンテナの問題がクリアされると、今度はパドルをどうするか? だと思います。浦島太郎話になりますが、最近のトランシーバーにはエレキーが内蔵されていて、とても便利になりました。おまけにメッセージキーヤーも入ってますので便利です。

自宅では私はベンチャーのパドルを愛用していますが、これは非常に華奢に出来ているので、移動運用には向きません。ましてや車内で使うのは不可能に近いです。そこでネットでいろいろ探していたら見つけました。
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値段も安いし磁石がついているので、鉄部分なら貼り付けて使うことが出来ます。私の車は右ハンドルでパドルは左打ち(私は右利きです)なので、センターコンソールに金属プレートを貼り付けてパドルを固定しています。左打ちにしていて良かったと思った瞬間です(笑)。


こんな状態なので、運転中に呼びたい局が見つかった場合、迷惑にならない場所に車を停めて即呼べるので、便利になりました。移動運用も、前回紹介したステアリングに引っかけるテーブルと組み合わせて、快適に運用出来ます。

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