おきらくゴク楽自己くんれん
2025年1月6日掲載
皆さんあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。前回は軽トラモバイルシャックの暖房(セラミックファンヒーター)についてでした。暖かかった秋も終わり、12月に入りちょうど予定の空いた日曜日、良く行く高い山の上では雪が積もりそうでしたので雪中の移動運用を実施しました。
私の軽トラックはマニュアルミッションの切替式4WD車です。タイヤはオールシーズンタイプを履かせています。多少の積雪があっても問題なく山道を走ることができます。夏はもちろんのこと、雨の日や凍結路以外の雪道を走ることができます。年に何度積もるかわからない雪の日の事を気にするよりも、雨の日の濡れた路面でのグリップがいいので気に入っています。路面に水膜があってもそれを切り裂いて進む安心感があります。何より雨の高速道路での安定性が抜群なので私の用途には最適だと思っています。
この車は仕事での使用がメインです。雨が降るからと走る日を選ぶことはできないので、今のタイヤが用途に適していると考えています。おまけで雪道も走ることができるという考え方で一年を通してこのタイヤを使用しています。季節ごとにタイヤを変える必要もなくて気が楽です。
この日、朝早く出発して標高を上げていっても雪が積もっていない状態でしたが、奈良県吉野郡吉野町の標高800m程まで上がっていくと路肩に雪が現われて目的地には3~5センチほどの雪で覆われていました。
標高800mを超えると雪景色に
時折吹雪く中アンテナを上げる
外気温は-1℃。雪は止んでいましたが車を停めて外に出ると強風に煽られます。この状態では大きなアンテナの設営は難しいと感じたので、アンテナはシャック屋根のガルバリウム鋼板に貼り付けたマグネット基台に長めの144/430MHzモービルホイップアンテナとしました。
現地到着時シャック内の温度
こんな天気ですし未だ早い時間だったので各バンドはとても静かでした。しかしCQを出すと沢山の局から呼んでもらうことができました。CWの早回り移動運用も魅力的ですがFMやSSBでのんびりした交信も楽しいものですね。
ファンヒーターを利用して飲み物を温める
運用中の暖房はほぼ300Wセラミックファンヒーターを使い5時間程度使用していました。運用開始すぐは室内が冷え切っているのでなかなか温度が上がりませんでしたが、後半は暖かに過ごすことができました。このヒーターを駆動するには12.8Vのリチウムイオン電池では23~26A程の電流を消費します。20℃以上になるとヒーターを止めることで節約しながら使います。さすがに止めると外は2℃程度の気温ですのですぐに足元が冷えてきます。
50Wでの運用の電源も同じリチウムイオン電池からとりました。運用終了時には230Ahの半分程度の容量を使っていたようです。
6mデルタループを上げようとするも強風で断念
6mバンドも運用しようと、かじかむ手でアンテナを組み立て、伸縮ポールに取付けましたが、設営に挑むも強風に阻まれ運用を断念しました。
運用終了前の室内気温
外気温は昼頃になると2~3℃程度だったのですが、室内温度は安定して20℃以上にまで上げることができました。おかげでのんびりした移動運用を堪能することができました。
この日コンテストには参加していなかったのですが、これで真冬のコンテストも安心して移動運用で参加することができそうです。アンテナ、タイヤ踏みベース、シャックまで自作で参加する体制が整っています。
本連載ではこれまで自作アンテナを作るだけでなく、実際に移動運用で使い色々なコンテストに参加したことを書いてきました。おかげで幾度となく入賞することができました。
開局当初、山奥の自宅でUHFハンディ機のみの開局で、普段聞こえてくる局の少ない自宅シャックからコンテストの時だけは沢山の局と交信できるので興味を持ち始めました。その後ローカル局だった故JE3KXBさんに6m機オールモード機を譲っていただき6mバンドの虜になり、遠くのエリアと交信することができる移動運用でのコンテストに参加が楽しみになりました。初めは入賞しようなんて思っていなかったのですが、参加を続けていると参加するバンド、部門を上手に選べばそれほど入れ込まなくても入賞することができることがわかってきて、徐々に出没バンドも増えていきました。
今となって思うコンテストの魅力は必要最小限のやり取りをコンディションの浮き沈みなどに合わせて一瞬の判断やタイミングでスリリングな体験ができることが大きな魅力だと思います。特に50MHzなどで突然のEスポ発生でニューマルチを獲得できた時などは萌えます(笑)。
本連載を開始してから幾度となく記事で紹介したアンテナを使ってコンテストに挑んできました。記事の上では自作アンテナでコンテストに参加したことは書いていますが、結果については触れてこなかったのでここで報告させていただきます。参加部門は全てシングルオペレーター部門での各モード、バンドでの参加です。
初めての自作アンテナでのコンテスト参加記事は、本連載その1で製作した50MHzポケットダイポールを使った2021年のALLJAコンテストでした。コンパクトさが取り柄の50MHzポケットダイポールを生かしコンテストの期間中に同一マルチプライヤー範囲で移動可能なルールを活用し、2エリアの2ヵ所の山頂で移動運用するという意欲的な挑戦の模様を本連載その2で記事にしています。しかし残念ながら2エリアで同部門の参加局に強豪局が参戦しており入賞を阻まれてしまいました。
次は本連載その7で記事にした複数のアンテナを動員し、2022年の全市全郡コンテストでのマルチバンドでの参加でした。このコンテストでも強豪ひしめく電信オールバンド部門での参加でしたので入賞はなりませんでした。
本連載その29では軽トラモバイルシャックで5エリア遠征して、2023年フィールドデーコンテストの参加でしたがこの時は使ったアンテナは製作記事にしていない自作アンテナを使っていました。入賞も地元局に阻まれてしまいました。
次は本連載その40で書いた2024年6m AND DOWNコンテストでは、本連載その26で作った144MHzツインループアンテナで電信144MHz部門に参加。エリア1位に入賞をさせていただきました。
高く上げられるのがFB
このツインループアンテナは簡単・安価な製作に重きを置いており、耐候性・耐久性に難がありますが、性能的には大変FBな自信作です。デルタループアンテナのスタックと同じ原理ですからある程度のゲインが得られる上、八木アンテナなどと比べるとコンパクト軽いので細いポールで高く上げることができます。高くすればアンテナ近隣の影響も受けにくくなりアンテナの特性を十分に活用できます。重くて高く上げることが難しい多エレメントの八木アンテナに負けない性能を発揮してくれます。またいわゆる8の字指向性ですから前後局相手にはアンテナを回転させる必要がありません。これは混信が多い時は不利ですが、参加局数多くなければ好都合です。CQを出すときにより多くの局に存在を知らせることができるからコンテストでは有利になります。
アマチュア無線のコンテストは、人それぞれで楽しみを見つけることができる大きな幅があります。なにも買ってきたアンテナを沢山使って強豪ひしめく部門に参加しなくても、簡単に作ることができる自作アンテナで入賞できそうな部門を狙って出てみてはいかがでしょうか。私の場合ほとんどは作ったアンテナで入賞するにはどうすればいいかと逆説的にコンテストを楽しんできました。入賞も魅力の一つですが基本的なこととして自作アンテナによる交信は一つ一つが喜びであふれます。あまりコンテストに積極的ではなかったみなさんもこのように自作アンテナでコンテストを楽しんでみてはいかがでしょうか。とっても楽しいですよ。それではまた。
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