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2026年3月2日掲載

またOMの方から古いリグを頂きました。1993年製のKENWOODのハンディー機『TH-7』です。私が子供だった頃のリグですが、その存在はのちに古本のラジオライフ誌で知った経緯があります。
当時の携帯電話ソックリに造られたその見た目は、目立たずにQSOできるうえ、まだ携帯電話が珍しかった時代に「カッコ付ける」ことができる、遊び心のある1台です。これもなにかの縁ですので、中身まで調べてみたいと思います。
※注意: 分解は自己責任で
製品を分解すると保証が無効となるだけでなく、メーカー修理を断られることがあります。また、記事中の洞察やコメントはあくまで個人の見解で、誤った認識に基づいている可能性があります。
私は携帯電話に全く詳しくないのですが、学生の頃無線ショップで解約済みの廃棄端末をもらいました(後述)。その端末はデジタルムーバで、97年の機種だったかと思います。その時の端末はこんな感じでした。

タテ×ヨコ(140mm×55mm)。サイズ、色、質感、どう見ても昔の携帯電話
割と角ばっていて、当時のTVの分厚いリモコンといったホールド感です。重さを測ってみると、電池(単三×3本)込みで205gでした。当時の携帯電話が230g程度だったので、ちょうど同じくらいです。

キーパッドカバーを開けたところ。古い機種はキーパッド部が開閉式だった

キーパッドカバーには簡易電話帳を模した「メモリーチャンネルの周波数メモ欄」がある。その下には、本機をモービル機のリモコンとして使う際のキー配列が書かれている
93年当時、私はまだ子供だったので古い携帯についてよく知りませんが、持っているとカッコイイものとしてTVで扱われていたと思います。着信中にキーパッドカバーを開けたりアンテナを引っ張り出したりすると受話に切り替わる仕様だったと思います。あるアメリカのドラマで、アンテナを口で引っ張り出して電話に出るシーンがカッコよかったことを覚えています。
高校のとき、携帯電話の代理店もしていた地元の無線ショップで、要らなくなった端末(デジタルムーバ)を貰いました。バラして中を見ると細い同軸やら薄いシールド板が沢山使われていた記憶があります。基板を見てもドコで電波を作っていて、ドコで復調しているか全く分かりませんでした。唯一、ファイナルモジュールだけは分かりました。引っ張り出すアンテナと、内部に板状のアンテナ(F型アンテナ)が内蔵されていました。
電源を入れてみると、VHFバンドのメインチャンネル周波数が表示されました。取説を読むと、メモリーチャンネルやスキャンなど、ハンディー機の機能が一通り搭載されているようです(受信音が出ず、構造上ダミーロードを接続出来ないため送信動作は確認していません)。時計に加えて電卓機能もあり、遊び心が感じられます。

表示部は小型のLCD。"HT"表示は「無線機モード中」という意味("Handheld Transceiver"?)
"APO"表示は「オートパワーオフ機能」がONという意味。「一定時間操作が無いと勝手に電源を切る」機能はさすがに携帯電話にはあり得ない

側面にあるPTTとモニターボタン、その下にキーパッドカバーのリリースボタン
押しやすさより見た目の配慮を優先したサイズ感

本体下部にある内蔵マイク。その上の穴はビープ音の抜け穴
実際の携帯電話ではマイクはキーパッドカバーに付いていた

側面には『時計表示スイッチ』とボリューム、『無線機モード』と『電卓モード』を切り替えるスイッチ
このように、携帯電話にソックリな無線機ですが、さすがに実用面で妥協する必要があったようです。
アンテナはどうやら実際の携帯電話と同じもので、僅か5cmでトップローディングもありません。100mWという低出力もあり、特に2mバンドでは実用距離が極端に短かったのではないでしょうか。まあ、当時のアマチュア無線のアクティブ人口は今よりもだいぶ多かった(※)ので、自分の出す波が届く範囲でもQSO相手が見つかりやすかったのかもしれません。
※日本におけるアマチュア無線人口のピークは1995年

わずか5cm長のアンテナはどうやら携帯電話用
後述のように筐体内部にエレメント部分は無い

エレメントの付け根あたりの裏面の封印シールを剥がすと、基板上のトリマーコンデンサを回すための穴が。後述のようにアンテナのマッチング調整用

携帯と同様、スピーカーは耳当て部に内蔵
上面にはスピーカーマイク端子があるが、カバーを付けていればあまり目立たない

内蔵マイクはキーパッドカバーを閉じていても見える位置にある

キーパッドはいかにも「古い携帯電話」という感じ
電卓機能で使うための四則計算用のキー割り当てがある

時計表示モード。側面の『CLOCK』ボタンを押しているあいだ、時刻を表示する
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