Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

IC-9700レビュー ファミリーで移動運用

長野県南佐久郡佐久穂町(麦草峠2127m)

JJ1PHP 谷口真司

7月末の遅い梅雨明け後、8月の埼玉は連日の猛暑となり、屋外で移動運用をできる環境ではなく、子ども達の夏休みでもあるため、涼しい長野県にキャンプと移動運用に出かけました。

キャンプ場(長野県南佐久郡北相木村・長者の森)は、山中にあり携帯電話は「圏外」。連絡手段は無線を使うしかありません。到着後、早速宿泊場所のコテージにアンテナとIC-9700を設置しました。子ども達(JJ1JFTあかり、JJ1JFVひろあき)には、各自のID-51PLUS2を持たせました。


3バンドGPをテラスに固定しています。


肩掛けバッグにID-51PLUS2を入れています。

携帯電話が使えない状況下は、アマチュア無線が本領発揮です。山中でも今回の様にGPを立てておけば相手がハンディ機でも数キロ離れたとしても十分に交信が可能です。

今回は、IC-9700に位置情報を持たせるため、自作したGPSレシーバーを接続しています。IC-9700と相手局が位置情報を持っている環境で、D-STAR(DV)モードでカーチャンクした場合、自動で相手局は応答し、ディスプレイにコールサイン、位置(方角)、距離を表示させる機能があります。

このキャンプ場は、起伏が大きく近くに小川もあり、子ども達が遊びに行ってしまうと、見回しても探し出せませんが、GPSを搭載しているD-STARの無線機さえ持っていれば位置がわかるため、ちょっと安心です。

この機能は今回のようなキャンプでの使用も便利ですが、災害・非常時には命を守る強いツールになるものと思います。


右上のユニットが、自作したGPSレシーバー。ディスプレイに相手局の位置情報が表示されています。

このキャンプ場で、昼は川遊びと魚釣り。夜は花火を堪能し、最終日に移動運用を行いました。目的地に移動する途中、近くに今年度からの使用開始予定であり建設中のJAXA美笹深宇宙探査用地上局(GREAT)があり、様子を見に行ってきました。外観はほぼ完成の状態のようです。アンテナの口径は直径54mとのことで唯々巨大なアンテナでした。


このアンテナを使えたらEMEも簡単に出来そうです。

建設中とは言え、電波天文業務の用に供する設備の運用を阻害することになってはいけませんし、住宅や工場等、人工の電波が飛来しにくい立地に設置されているようでID-51PLUS2とモービルホイップの組み合わせでは、144MHz帯、430MHz帯とも入感がありませんでした。ここは早々に引き上げ、目的地である長野県南佐久郡佐久穂町の麦草峠に向かいました。

今回の移動運用は峠の最高地点は2127mの地点です。ここには駐車スペースがあり、タイヤベースを使い3バンドGPを立てQRVしました。


標高2127mの地点からの運用です。

ここの場所は標高が高いのですが周辺にも標高の高い山があること、アンテナを設置している高さより背の高い白樺などの樹木があるために少し不安があったこともあり、ワッチされている局が多い144MHz帯のFMとSSB、430MHz帯のFMの2バンド、2モードに狙いを定めQRVしました。


運用場所は道路際の駐車スペースです。


144MHz帯SSBモードでの運用。プリアンプをONにしています。

バンドスコープで確認後、430MHzのFMモードの様子を確認しました。今回は道路端からのQRVのため、オートバイや車が通過すると声(音)が聴きづらくなるために、IC-9700の音量をかなり大きくして使用しましたが、スピーカから聞こえる声は音割れもせずクリアでした。

準備も完了し、CQを出したところ7エリアの宮城県多賀城市、福島県会津若松市から立て続けにコールを頂くことができました。ここから、宮城県多賀城市までの直線距離で約350km以上,福島県会津若松市も約250kmもあり驚きです。RSレポートは59QSBでフェージングを伴いながらのQSOとなりました。

フェージングの谷では聞こえづらい状況となるため、内部プリアンプをオンにすると声が浮き上がり信号強度だけでなく、明瞭度も大幅によくなりました。周辺には、雑音の発生源もなく感度抑圧されるような送信所もないため今回の移動運用はプリアンプを常時ONで運用しました。

JJ1JFV(ひろあき)は、0エリアからの移動運用は初めてのため、「ポータブルゼロ」を忘れたり、噛みそうになりながらのQSOでしたが、エリア内の0エリアだけでなく、エリア外の1エリア(埼玉県・茨城県)、2エリア(岐阜県)からたくさんのコールを頂け移動運用を楽しむことができました。

もう少し運用したい気持ちがあったのですが、5時を超えてくると、さすがに2000m超のロケーションのため天気は晴れても、気温が19℃を下回ってきてしまったことと、おなかが空いてきてしまったので今回はこれでクローズとしました。今回もQSOいただきました各局へ感謝申し上げます。

<番外編>
2019年8月8日(木)に行われたARISSスクールコンタクトを受信しました。自宅の前の道路にIC-9700を持ち出して、プチ移動運用です。国際宇宙ステーション(ISS)からの電波は144MHz帯ですので、アンテナはもちろん先月JJ1JFV(ひろあき)が製作した自作ヘンテナです。ISSの方向にヘンテナを向けて受信しました。


ISSからの受信(145.80MHz,FMモード)

埼玉からの受信ですので、京都の中学生・高校生の声を聴くことはできませんが、ISSからのニック・ヘイグ宇宙飛行士の声は、5分以上わたりクリアに受信することができました。

IC-9700レビュー ファミリーで移動運用 バックナンバー

2019年9月号トップへ戻る

次号「月刊FBニュース2019年10月号」は 10月1日(火)に公開予定

サイトのご利用について

©2019 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved. 発行元: 月刊FBニュース編集部