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FB LABO ~エレクトロニクス研究所~

IC-7600 & IC-7610解体新書

月刊FB NEWS編集部

送信回路

IC-7600の送信信号はDSPで生成したIF信号をLOとミキシングすることにより送信周波数に変換している。よって、このためのLO発生回路やミキサー、フィルターなどが必要となる。一方、IC-7610ではA/Dコンバーターから出力される周波数がそのまま送信周波数となるため部品点数は驚くほど少ない。これは歪や不要な周波数成分の低減、つまり美しい電波を意味する。


<IC-7600> (写真左) 送信系回路の一部、(写真右)左側の基板がPA部、右側の基板が送信用ローパスフィルター


<IC-7610>(写真左)送信用A/Dコンバーター、(写真右)PA部


<IC-7610>送信用ローパスフィルター

オートアンテナチューナー

IC-7600のオートアンテナチューナーはバリコン式だったが、IC-7610ではリレー式となった。これにより、チューニングスピードがアップ。よりスムーズにマッチングできるようになっている。


<IC-7600>(写真左)オートアンテナチューナーの制御部。(写真右)バリコン式のチューニング部


<IC-7610>IC-7600が制御部とチューニング部が別れているのに対し、IC-7610では一体となっている。省電力のラッチングリレーが採用されている

スピーカー

IC-7600のスピーカーは非常にシンプルな構造だが、発売当時、音の評価は高かった。IC-7610では、受信信号をより忠実に再現するために、カスタムメイドの密封型スピーカーハウジングを採用している。また、IC-7600ではスピーカーを直接内カバーに取り付けていたが、IC-7610は、インシュレーター(防振材)を介してマウントすることで、シャーシの共振音を排除している。


<IC-7600>シンプルだが内カバーとの共振作用により、高音質を実現していた


<IC-7610>大型のマグネットを備えたスピーカーユニット、カスタムメイドの密封型スピーカーハウジング、インシュレーターなど、音へのこだわりが随所に見られる

その他


<IC-7600>フロントパネル部に配置されたロジック基板(MAIN CPU等が載っている)


<IC-7610>ロジック系のデバイスのほとんどがメイン基板に納められているため、IC-7610のフロントパネル部はかなりシンプル。主にLCDユニットやバックライト等を制御する回路のみで構成されている


(写真上)IC-7600、(写真下)IC-7610。IC-7610には外部ディスプレイ接続端子、2種類のUSB端子等が追加され、拡張性が高まっている。また、RX-ANTはBNCタイプとなっている

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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