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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第29回 名古屋工学院専門学校アマチュア無線クラブ(JA2YAF)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは、Masacoです! いよいよ7月! 晴れおんな~♪の季節がやってきます(笑)。

今月は「関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM)」「東海ハムの祭典」と大きなアマチュア無線イベントが続きますね。私はどちらにも参加し、歌わせていただきます。KANHAMは12時半~小ホールで、てんご堂雅落さんとのトークショー&ライブがあります! 今年はなんとスペシャルバージョンで、バイオリン奏者との生演奏なんです♪

そして東海ハムの祭典では、12時50分~大ホールで中部大学、手話サークルの皆さんとのコラボステージで手話歌にチャレンジ♪ ぜひぜひ聞いてほしいです! もちろん「月刊FB NEWS」のブースにもいますので、アイボールもお願いしまーす♪

さて今月は、愛知県名古屋市の名古屋工学院専門学校アマチュア無線クラブ(JA2YAF)を訪問しましたよ~!

第29回 名古屋工学院専門学校アマチュア無線クラブ(JA2YAF)の皆さん

私、最近気付いたことがあります!! アマチュア無線のイベントやこの連載の取材で、たくさんの方々とアイボールQSOをさせていただき、お話を伺うのですが、無線通信に関連した企業や官公庁にお勤めのハムの方から「名古屋にある専門学校を卒業しました」「学生時代は、名古屋の専門学校の無線クラブで運用していました」とおっしゃる方が多いことに!!! どんな学校なのだろう!? とても気になって、今回お邪魔させていただきました。


名古屋工学院専門学校の1号館に到着! 屋上には大きなタワーが立っています

“名古屋の専門学校”の正式な名前は「学校法人電波学園 名古屋工学院専門学校」。熱田神宮にほど近い、下町情緒が残るアットホームなエリアにキャンパスがあります。タワーにパラボラアンテナなどが取り付けられた校舎(1号館)の建物はすぐわかりました。


堀内先生(左)と南野先生(右)

「Masacoさん、お待ちしていました!」と出迎えてくださったのは、テクノロジー学部 統括アドバイザーの堀内先生(JH2EUO)。JARLの社員や愛知県支部の監査指導委員長などを務めていらっしゃるOMさんでもあります。

そしてこの学校の講師である南野先生、卒業生の山田さん(JN2OFP)にもお待ちいただきました。南野先生は私が茨城放送でラジオのレギュラー番組を担当させていただいたときの制作技術スタッフだった方! 私のトークを育ててくださったおひとりなのです(笑)。まさかの再会にビックリ!!!


南野先生はモールス通信の達人! JARLの「モールス電信技能 総合2段」の段位をお持ちです

まず、堀内先生にこの学校のことを教えていただきました。

名古屋工学院専門学校は1952(昭和27)年に「名古屋無線電信学校」として創立。当時は商船や漁船などに乗り込み、陸上との唯一の連絡手段である“無線”を使って連絡を取る、船舶通信士が時代の花形といえる仕事でした。その無線従事者を養成するため、モールス通信や電子工学、法規などを教える学校だったそうです。

その後、時代の流れやエレクトロニクスの発展に合わせて「テレビ技術科」や「電子計算機本科」「電気工事士科」などの学科を追加し、学校名も1969年に「名古屋電気通信工学院」と改めました(1991年から現在の校名になりました)。現在は「メディア学部」としてコンピュータ・IT、ゲーム・CG、映像・音響の3分野、「テクノロジー学部」として電気、通信・デジタル家電、機械・制御・CADの3分野があり、さらに大学や短大、高校なども擁する総合学園になったそうです。


名古屋工学院専門学校を会場に、JARD主催の4アマ、3アマの養成課程講習会も開催! 毎回満員になる盛況ぶりだそうです

「学校の創立以来、卒業生は63,000名を超えています。通信関係の学科で学んだ卒業生の多くは、技術系公務員やメーカー、通信会社、放送局などに就職しています」

--技術系公務員ですか。なんだか難しそう…

「例えば、警察庁の中部管区警察局には過去136名、国土交通省の大阪航空局には73名、総務省東海総合通信局には13名が就職しています」

--わあ、そんなにたくさんいらっしゃるんですね!

「はい。無線の技術資格の中では最難関と言われる“第1級陸上無線技術士(1陸技)”の資格を在学中に取る学生も多く、去年は6名の学生が国家試験に合格しました。1陸技は技術系公務員でも別枠採用があるので特に就職に有利なんです」

--1陸技!! 私には雲の上の資格やわ~! みんな頑張っていますね

「授業は15時で終わりますが、その後は17時過ぎまで補習があり、さらに20時頃まで学校に残って自習をする学生がほとんどです。では、学校の中をご案内しましょう。Masacoさんが喜んでくれそうな場所を選びましたよ」

--ありがとうございます、楽しみです!!

モデル船舶室を訪問!

堀内先生、南野先生のご案内で1号館の7階に向かいました。途中、たくさんの教室があり、学生の皆さんがパソコンに向かって真剣に作業を行っていましたよ。

「はい、ご覧いただきたかったのはこちらです」

廊下の奥にあったその部屋は「モデル船舶室」と書かれていました。

--え、モデル? 船舶室?? お船の何かがあるのかしら…

「実際の船舶で使われているものと同じ装備で構成された無線室がある部屋です。学生はここで、実際の無線機器の操作や通信方法などを学んでいました」(モデル船舶室担当の倉田先生)


倉田先生にモデル船舶室の設備を案内していただきました

中に入って驚きました! 船の通信室そっくりに短波帯の無線機(送信機、受信機など)が配置され、ラックには船舶通信用の大きな時計も取り付けられています!! 昭和50年代の船舶の通信室をモデルにしたもので、送信アンテナの代わりにダミーロードがつながっている以外はすべて本物の船舶局と同じだそうです。ちなみに当時の値段で1,000万円かかったとか!!


船の通信士になった気分! カッコいい~!!

--あ、「JNRS」というコールサインプレートがついていますね!

「電波を出さない教育用の設備なので、無線局免許は必要ありませんが、交信練習のためにはコールサインが必要です。そこでNagoya Radio Schoolという意味を込め、“JNRS”というコールサインを表示しています」

--なるほど、交信練習用なんですね!


こちらは昭和30年代をイメージした基地局(海岸局)の設備。天井にあるのはダミーロードとアンテナの分配器です


昭和18年に作られた、旧日本軍の「地1号受信機」(安立電気製)は、とても美しい状態で保管されていました


船の救命ボートで使う、手回し式の発電機がついた非常用無線機と、緊急信号を自動的に発射するブイ(右)です

この室内には、かつて船舶の通信士を養成していたころから実習用として大切に使われてきた、船舶と交信する基地局の設備や、遭難時に使う非常用無線機、旧日本軍の受信機など、さまざまなものが保管されています。とっても見応えがありましたよ。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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