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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その9 アマチュア無線とSOTAの楽しさについて(JI1UPLさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。

アマチュア無線の世界はとても楽しいものですが、私はひとつだけ心配な点があります。それはアマチュア無線人口の減少です。アマチュア無線は一人では楽しむことができません。相手があってこその交信です。アマチュア無線人口は減少の一途をたどり数年が経ちますが、年齢、性別、国籍まったく関係なく楽しめるこの素晴らしい趣味の世界を何とか広げていきたいものです。移動運用してもだれも呼んでくれない、CQを出してもだれもいない、そんな世界は考えるだけでも退屈極まりないものでしょう。アマチュア無線人口を増やす、維持することこそ、この素晴らしい趣味の世界の継続につながるものです。このためには、特に若い人たちにもっと興味を持っていただくことが必要だと思います。前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するのは高校生アマチュア無線家のJI1UPL平井さんです。平井さんはお父さんのJI1IHVさんの影響を受けてアマチュア無線そしてSOTAをはじめられました。非常にアクティブで、アンテナの自作や電源の自作などに加え、運用方法などにも、いろいろと実験を繰り返しながらアマチュア無線の活動を積極的に進めておられます。今日はアマチュア無線界そしてSOTAにとってもとても大切な若人の楽しみ方を紹介したいと思います。

SOTA運用の楽しさ

JI1UPL 平井玲緒

皆さんこんにちは!JI1UPL 平井玲緒です。私(JI1UPL)は神奈川県に住んでいる至って普通の高校生です。週末は家の近くからSOTAアクティベーターの方々をチェイスしたり、自らもたまに山に登りアクティベートしています。父もアマチュア無線もSOTAもやっていて、山に行く時は大抵2人で行っています。ちなみに私はSOTA以外の無線もやっていて平日の夜、3.5MHzや7MHzに出ています。

今回、私はSOTA (Summit On The Air) のアマチュア無線運用面での魅力を皆様にお伝え出来れば良いと思っています。

SOTAにおける運用のメリット・面白さは大きく2つあります。1つ目は「運用の制限が少ない」という事です。アパマンハムなどの環境では都市ノイズやアンテナの制限などで思うようにQSOできないことも多々あると思います。しかし、山の上ではとても広いところも多く、ハイバンドはもちろん、7MHzや3.5MHzのフルサイズアンテナも張ることができます!さらに山の上には人工物が少ないのでノイズもほとんどなく、信号もとても聞き取りやすいです。

ただ、木が鬱蒼と茂っている山や山頂があまり広くない山、人気の山でたくさんの登山客の方々がいらっしゃる山等大きくアンテナを展開出来ないような山も一定数あります。そのような場面ではある程度、シャックの設営について考える必要があります。しかし、山の上は山の標高分のタワーに例えられるように元々の地上高があるので簡単なアンテナ(バーチカルやVCH)でも驚く程飛びます。小さくてよく飛ぶアンテナを考えるのも面白さのひとつかも知れません!山の頂上は無線家の為のものではありません。ハイキングを楽しむ方々、写真を撮る方々、皆さんの共有物です。皆さんが心地よく山頂で過ごせるような無線ライフをお願い致します。

2つ目は「手軽にDX交信ができる」ということです。SOTAには「チェイサー」と呼ばれている、SOTAアクティベーティングをしている方を優先的に呼んでくださる方が国内外にたくさんいらっしゃいます。国内では1エリアや4エリア、さらには沖縄などに、国外ではオーストラリア(VK)やニュージーランド(ZL)、さらにはアメリカやヨーロッパなど、日本各地・世界各国にいらっしゃいます。みなさん、素晴らしい設備をお持ちですので微弱な電波でも拾って下さいます!実際、山頂から5w、さらには3Wでもアメリカと交信成功している方もいらっしゃいます!実際僕も、21MHzのSSB  10Wでアメリカやニュージーランド、オーストラリアから了解度5をいただいたこともあります。コンディション次第な所もありますがこのように簡単な設備+小さな電力でDX交信が楽しめます。

僕も含め、SOTAアクティベーターの方はほとんど小電力で楽しんでいます。10Wで充分です。

今回ここに書いた面白さはごく一部です。さすがにSOTAのために小さなリグを新しく買うのはちょっと……という方はハンディー機のみでのお手軽運用も良いかなと思います。山の上からだと、ハンディー機1Wでも驚くほど飛んでくれます。

また、「登山」という行為に変わりはありませんので安全対策は特にしっかりとすることを強くおすすめします。いきなり難しい山でなくてもぜひ、近くの低い山から始めてみてはいかがでしょうか?

ぜひ、お空の上でお会い出来ることを楽しみにしています!また、8月末に東京で行われる「ハムフェア」にもいますのでお会いした際はここには書ききれなかった事が沢山あるのでぜひ、いろいろなことをお聞きください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

いかがでしたでしょうか? SOTAそしてアマチュア無線そのものの楽しさが伝わる内容ですね。 この記事を読んでおられる私JH0CJHと同年代の方々も、おそらく昔無線機を持って山に出かけて思わぬ遠くの局から呼ばれた時の感動が蘇るのではないでしょうか?今のアマチュア無線に足りないもの、それはおそらく我々中高年世代のアマチュア無線家が青少年に伝えきれていないアマチュア無線の楽しさなのだろうと思います。若い年代の人にとって無線工学や科学技術に興味を持ってもらうことは、本人にとっても、とても重要なことだと思います。ぜひ若い人たちと話をする機会があればアマチュア無線がどんなものかを教えてあげる、楽しさを共有できる機会を積極的に作りたいものです。

川内 徹 JH0CJH 

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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