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アパマンハムのムセンと車

第4回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

連載4回目となります。今回は、乗用車ベースでのHF帯移動運用に最適なグッズをご紹介したいと思います。

V型ダイポール

乗用車ベースでの移動運用となりますと、アンテナ収納時の寸法をできる限り短くする必要があります。そうでないとトランクに収納できません。私はHF帯は以前からRadix社製のV型ダイポールを使用していました。今まで使っていたのは、短縮率の低いもので14MHz帯フルサイズV型ダイポールがベースでした。飛びは良かったのですが、乗用車のトランクには入りません。

ダイポールはアースが取れない場合や、不安定な場合にはもってこいだと思います。移動運用だけではなくアパマンハムのベランダアンテナにも最適だと思います。モービルホイップだとアースがちゃんと取れないと電波が飛ばなかったり、動作が不安定になり、電波障害の原因になったりもします。ダイポールであればアースは関係ありません。このような点から、むしろ初心者の方にお勧めしたいアンテナなのです。


現在、移動運用で使っているのはRD-S106にベースローディングコイルを入れたものです。バラせば軽自動車のトランクにも楽勝で入ります。特記すべき点は、給電部にマッチング回路を入れるようになっていることです。これにより帯域は狭いものの、SWRがきれいに落ちます。飛び自体は、キャパシティハットが付いているせいか、同程度の長さのモービルホイップよりは良いように感じます。

余談ですが、自作のダイポールで共振点はあるもののSWRが下がりきらない場合は、給電部にコンデンサを並列に入れることでSWRは下がります。コンデンサの容量を決めるには、カット&トライか、バリコンを使うと良いでしょう。

同軸ケーブルとトランシーバーとの接続ですが、HF帯なのでロスはあまり気にしなくて良いため、モービル基台につないで接続しています。こうすることで、設営、撤去の時短が計れます。


写真撮影用スタンド

移動先でのアンテナ設営ですが、車両に付けたモービルホイップで運用する以外はアンテナマストが必要です。通常ならば、タイヤで踏むベーススタンドと移動用ポールの組み合わせが一般的です。しかし、ベーススタンドをトランクに入れてしまうとかなりのスペースを取ります。また移動用伸縮マストは、トランクに入れるには長すぎます。

そこで見つけたのが、写真撮影用のライト(照明)スタンドです。私の買ったものはコチラ→https://amzn.asia/d/9M670ER。長さは約4m、先端はカメラの取り付け用ネジになっています。ここにRadixのカメラ用三脚取付マストを取り付けています。組み立ての必要はなく、足の部分を広げてマスト部分を伸ばせば完了です。


HF帯ならば、V/UHF帯と比較して、高さはあまり重要ではないので、太い部分だけを使うようにしています。それでも普通のカメラ用三脚を使うよりも高さは稼げます。注意することは、風が強い時は使用を控えるか、ステーを張る必要があります。カメラの三脚のほうが安定度は高いと思いますが、今から移動運用のために三脚を買うなら、こちらを買ったほうがローコストだと思います。

モービル用ホイップアンテナへのひと工夫

モービルホイップも、HF帯ともなると2m以上のものもあります。そのままの状態ではトランクに入れて持ち運ぶのは、ほぼ不可能です。そのため、イモネジを使って固定されている部分を緩め、分解して持ち運ぶことになります。

この分解、組み立てには六角レンチが必要です。六角レンチは小さくてなくしやすいですし、イモネジが外れてしまうと小さいだけに探すのが大変です。このイモネジを写真のようなビスに交換することで、工具なしで分解、組み立てが容易になります。


ネジ穴の配置によっては、このようなビスが使えない場合があります。そんな時は通常のナベネジを使います。ナベネジもドライバーがないと締め付けたり緩めたりできませんが、ドライバーは六角レンチに比べ大きいので、なくす心配が格段に減ります。


なお、このようにネジを交換したアンテナを車に装着したまま走行することは、安全上お勧めしません。あくまでもモービル半固定での使用に限定したほうが良いと思います。

HFモービルのススメ

アパマンハムは満足なアンテナが建てられないことが多く、そうなるとDXとかも縁遠くなってしまいます。またDXではなく国内局とのQSOも、パイルに負けたりすれば心が折れてしまいそうになります(そう思うのは私だけ? 苦笑)。

こんな時は、モービルでロケーションの良いところへ行きましょう。移動サービスするだけが移動運用ではありません。いわゆる「迎撃移動」もありだと思います。この正月休みに、迎撃移動されている方と移動先で出会いました。こういった楽しみ方をすることで、アパマンハムでも十分楽しめるのではないかと思います。


究極のアパマンハムは、D-STARのターミナルモード運用じゃないかと思ったりしています(笑)。


おまけ

再開して2回目のQSOパーティに参加しました。1回目はSSB/AM/FMだけでしたが、今回はCWでも参加してみました。

「明けましておめでとう御座います」って、CWはどう打つのかと思っていたら、「HNY(Happy New Year)」なんだとか。TwitterなどのSNSではおなじみのようですが、私は知りませんでした(苦笑)。まるで英語版「あけおめ」ですね。QSOしていただいた皆様、ありがとうございました!

おまけ(その2)

CWで移動していて思うことですが、例えば移動局が「A?」と指定したときに、コールサインにAがどこにも入っていない方が応答していることがあります。また、移動局側もこのように指定を無視して応答してきた方をピックアップしている方もいらっしゃいます。

指定無視はよくないですし、指定無視を許してしまうのもよくないと思います。こんな話を正月にローカルのOMさん(何度もDXペディションに行っている方)に話したら、「A? 599 BKってやればいいんだよ」とのこと。レポートが入ると交信が始まっていることになるので、さすがに関係ない局は呼んで来ないそうです。

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