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日本無線協会が「CBT方式」の4アマ国試を実施

公益財団法人日本無線協会は、始めてのCBT(Computer Based Testing=コンピュータ利用試験)方式による4アマ(第四級アマチュア無線技士)の国家試験を8月に東京・銀座で開催する。また来年度(令和4年度)からは、CBT方式の試験が受けられる無線従事者資格や試験場所、日程などを大幅に拡大する計画だ。


東京都中央区晴海の日本無線協会本部入口。3階に無線従事者国家試験会場がある

「国家試験のデジタル化」の推進を表明

日本無線協会が実施している各級の無線従事者国家試験を受験する場合、まず同協会のホームページで試験日程を確認し、指定された申し込み期間に郵便振替で受験手数料を納付して申請書を郵送。後日送られてくる受験票に証明写真を貼って、試験当日に持参する必要がある(東京地区で開催される3・4アマの当日受付試験を除く)。

受験申し込みは、同協会のホームページ上からオンラインで申し込むことも可能だが、受験料の支払い方法や受験票が郵送で届き、証明写真を貼る手間は変わらない。いずれの場合も受験申し込みは「試験が行われる月の2か月前の1日から20日まで」と、かなり余裕を持って設定されているのが実状だ。

一方で、試験が実施される会場も限られている。3・4アマは札幌から那覇まで全国23か所で開催されるが、1・2アマやプロ資格の多くは全国11か所に限られている。そのため住まいと試験開始時刻によっては、前日から試験開催地へ移動しなくてはならない場合もある。

こうした現状から、日本無線協会は今年4月に「国家試験のデジタル化」推進を掲げ、受験者の利便性向上を図っていることを表明。その1つとして、インターネットとスマートフォンを活用して、顔写真等を電子ファイルで提出でき、試験手数料もインターネット経由で精算できるなど、“国家試験の申請から結果通知までの一連の手続きをインターネットで完了する”ことを今年11月から実施するという。さらに2つめとして、一部の資格は令和4年度からコンピュータの画面上で出題・解答を行う「CBT方式」の導入を検討し、試験場所や日程など受験機会を従来に比べて大幅に拡大する予定としている。


日本無線協会は4月20日に「国家試験のデジタル化」の方針を表明した

今年8月に4アマ国家試験をCBT方式で限定開催

さらに日本無線協会は、来年度からのCBT方式国家試験の本格導入に先立ち、8月2日~23日まで初の4アマCBT試験を「銀座CBTS歌舞伎座テストセンター」(東京都中央区銀座)で限定開催することを発表、7月1日から15日までインターネット出願で受け付けを行った(募集定員は全日程合計で100名、定員になった7月13日に締め切られた)。

このCBT方式国家試験は、試験期間(8月2日~23日、各日とも10~17時)のうちから受験を希望する日時を自分で指定して受験でき、試験問題はテストセンターのパソコン画面で出題され、試験結果は専用ページのURLアドレスが入った電子メールで通知されるといった、これまでにない形式のものとなっている。


日本無線協会は6月中旬に「CBT方式による限定の国家試験の実施について」を発表した

日本無線協会の発表から、一部を抜粋で紹介する



CBT方式による限定の国家試験の実施について
当協会(公益財団法人日本無線協会)では、デジタル化の進展等を踏まえ、無線従事者国家試験の受験者の皆様の利便性向上の取り組みとして、試験日程や試験場所を大幅に拡大することのできるCBT(Computer Based Testing)方式による試験の導入を予定していますが、本格導入に先立ち、以下のとおり日程等を限定した試験を実施いたします。

この試験は、当協会が電波法に基づき、これまでと同様の無線従事者国家試験として実施するものです。また、会場・システムの運営等の事務の一部を(株)CBTソリューションズに委託します。

なお、今回のCBT方式による国家試験の実施にあたり、受験者の皆様にはアンケート調査へのご協力をお願いしたいと考えております。皆様からのご意見・ご要望等を参考にCBT方式による国家試験の充実等を図っていく所存です。

➀対象の資格:第四級アマチュア無線技士

②実施場所: (株)CBTソリューションズ 銀座CBTS歌舞伎座テストセンター
 (東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー5階)

③実施方法合格基準等: 
 出題範囲・出題方式:択一式
 試験時間: 60分(※合格基準は、従来の筆記による試験と同一です)

④申請期間及び試験日程:
 申請期間: 令和3年7月1日(木)~7月15日(木)(※ただし定員になり次第、締め切ります)
 試験日程: 令和3年8月2日(月)~8月23日(月)のうちの1日を選択してください。

⑤募集定員: 100名(全日程の合計)

⑥申請手続き等: 申請はインターネットのみで受け付けます


今回実施する「CBT方式による限定の国家試験」の手続き説明図



CBTソリューションズは、公的資格から「漢検」や「英検」といった民間検定、大学入試の語学試験、企業の採用試験など、さまざまな試験が手軽に受験できるよう、全国280か所に「テストセンター」を設置している企業だ。アマチュア無線界ではJARDやQCQ企画が実施している「eラーニング方式」の養成課程講習会の修了試験も、全国のCBTテストセンターで自分の都合のよい日時に受けられるようになっている(要事前予約)。

今回、日本無線協会が行う4アマCBT試験の受験者には、試験終了後にアンケートが送られる。同協会は「今後CBT方式による国家試験を拡大していくため、受験者の皆様からのご意見により改善・充実を図って参りたく、ぜひともアンケート(任意)にご協力ください」と呼び掛けている。アマチュア無線技士をはじめ各種の無線従事者国家試験が、都合のよい日時・会場で手軽に受験できるようになる時代が、遠からずやってくるかもしれない。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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