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テクニカルコーナー

ID-31PLUSモデルを外部GPSとして活用する

JK3AZL 高岡 奈瑞

ID-31PLUSモデルは準天頂衛星システム「みちびき」に対応しGPS機能がアップした他、パソコン以外に他の無線機のDATA端子へGPSデータを出力できるようになりました。この機能を利用して、ID-31PLUS2をIC-7100などの外部GPSとして活用する方法をご紹介します。

無線機を外部GPSにするしくみ

ID-31やID-51シリーズなどGPSを搭載したアイコム製無線機は、パソコンにケーブル接続してGPS位置情報を吐き出す[GPS出力(DATA端子)]機能があります。しかし無線機内部のRS-232C変換ICの仕様で、外部から信号が入らない状態ではシャットダウンモードになり、GPS信号が出力されません。同じくIC-7100やIC-9100も同様のため、無線機同士を接続しても双方が黙ったままで通信が始まりません。そのためIC-7100やIC-9100などの無線機に外部GPSを接続する場合は、GARMIN製GPSレシーバーなどを利用するのが一般的でした。


左:ID-800(生産終了機種・GPS非搭載)に外部GPSを接続した様子。
右:GARMINのGPSレシーバー(Garmin 18x PC Receiver)

しかしID-31PLUSモデルのGPS機能は準天頂衛星システム”みちびき”に対応した他、パソコン以外の無線機に接続した場合でもデータが吐き出せるよう進化しました。またIC-9700/Sも処理機能が進化し、進化したID-31PLUS以外のID-31旧モデルやID-51シリーズからでもGPS位置情報を取得できるようになりました。


左上:ID-31PLUS→IC-7100、右上:ID-51PLUS2→IC-7100
左下:ID-31PLUS→IC-9700、右下:ID-51PLUS2→IC-9700
IC-7100はID-31PLUSからしかGPS置情報を取得できないが、IC-9700はID-51PLUS2からも位置情報が取得できる。

外部GPSから位置情報を取得しておくことで、
・時計の自動補正
・最寄りレピータ検索
・相手局との距離がわかる
などのメリットもあります。簡単なケーブル自作だけで接続できるため、該当機種をお持ちの方はチャレンジしてみませんか?


位置情報を取得できる組み合わせ

接続ケーブルの自作

ID-31PLUSなどの無線機をIC-9700やIC-7100などに接続するには、クロス変換したステレオケーブル(φ2.5mm)を使います。このケーブルは一般的に販売されていないので、自作をします。


クロスケーブルの配線図。(ID-31PLUSの取扱説明書より)。

《用意するもの》
・φ2.5mm片端ステレオプラグ付きケーブル(注:プラグ太さはφ6.0mm未満)
・φ2.5mmステレオプラグ

上記の2点はパーツショップなどで100~200数十円程度で入手できます。

配線図にしたがい、外部GPS側のTxDとRxD、受信側のTxDとRxDがクロスになるよう半田付けします。


上:L型のφ2.5mm片端ステレオプラグ付きケーブル。
下:完成したクロスケーブル。

外部GPS側(ID-31PLUSなど)の設定
無線機の[MENU]ボタンを押して、次の設定を行います。
・[GPS]→[GPS設定]→[GPS選択]→内蔵GPS
・[GPS]→[GPS設定]→[GPS出力(DATA端子)]→ON
・[GPS]→[GPS自動送信]→OFF(初期値)
・[機能設定]→[データスピード]→9600bps(初期値) ※1
・[機能設定]→[CI-V]→[CI-V(DATA端子)]→OFF(初期値) ※2

※1:[データスピード]の値は、DVデータとGPSのボーレートどちらにも適用されます。
※2:DATA端子にGPS以外の出力が設定(CI-Vなど)されているとGPSデータを出力できないので、画像伝送を行った場合は[CI-V(DATA端子]の設定を初期値のOFFに戻しておきます。

GPSデータを受け取る無線機の設定

IC-7100やIC-9700など、外部GPSから「位置情報を受け取る側」の無線機は、次の設定を行います。

■IC-9700の場合
MENU画面より[SET]をタップ(タップ=画面をつつく動作のこと)
・[外部端子]→[USB(B)/DATA1端子機能]→[DATA1端子機能]→GPS(初期値) MENUより[GPS]をタップ
・[GPS設定]→[GPS選択]→外部GPS
・[GPS設定]→[GPSレシーバーボーレート]→9600(初期値)

■IC-9100の場合
[CALL・GPS]を長押しで[GPS]画面を選択→[SET]でGPSセットモードにし項目を選択。
・1. GPS Receiver Band →9600

■IC-7100の場合 [SET]ボタンを押して
・[GPS]→[GPS設定]→[GPS選択]→外部GPS
・[GPS]→[GPS設定]→[GPSレシーバーボーレート]→9600
・[外部端子]→USB/DATA1端子機能]→[DATA1端子機能]→GPS(初期値)


IC-7100にID-31PLUSを外部GPSとして接続した様子。

東京ビッグサイトで開催されたハムフェア2019のアイコムブースでも、IC-7100にID-31PLUSを外部GPS接続した実働デモが行われていました。またID-31PLUSやIC-9700の取扱説明書にも外部GPS接続についての掲載が確かにあるのですが、接続できる理由や対象機種/非対称機種が伝わりにくいためか、知人から「ID-31を持っていたが、IC-9700の外部GPSにしたくてID-31PLUSに買い替えてしまった」「OMさんから『ID-51も外部GPSとして使える』と聞いてID-51を買ってしまったが、自分のIC-7100に繋がらない」などの質問を受ける機会が増えています。誤解を解くため、そして手持ちのハンディ機を最大限に活用して楽しんでいただけたらと考え、今回の記事を投稿させていただきました。


ハムフェア2019アイコムブースの様子。

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