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テクニカルコーナー

IC-705のワイヤレスリモート操作

月刊FB NEWS編集長 JS3CTQ 稲葉浩之

暑い日が続いていますが、皆様の無線活動はいかがでしょうか。涼を求めて高所に移動運用されておられる方もいらっしゃると思います。またコロナ禍の折、外出を控えエアコンの良く効いたシャックで無線三昧の方もいらっしゃるでしょう。シャックにエアコンが無い状況の場合は無線活動自体が停滞してしまっているかも知れませんね。

さて、今回は、ご自宅にWi-Fi環境があれば、IC-705でアイコムのリモートコントロールソフトRS-BA1を使い、ワイヤレスでリモート運用が楽しめる例をご紹介いたします。これを応用すれば、IC-705を設置したシャックにエアコンが無い、といったケースでも、エアコンの効いたリビングなどから運用することが可能になります。


RS-BA1 Version 2

まず、このワイヤレスリモート運用を容易に実現するには、IC-705のオプションである「RS-BA1 Version 2」が必要です。なお、RS-BA1 Version 2をすでにお持ちの場合でも、ソフトが古いとIC-705には対応しておりませんので、Version 2.20以降へのアップグレードが必須ですのでご注意ください。

RS-BA1のサポートページ
https://www.icom.co.jp/lineup/options/RS-BA1/?open=4#detail_content
最新ソフトウェアもダウンロードできる

IC-705のファームアップとUSBドライバーのインストール

IC-705は最新ファームウェアではなくてもワイヤレスリモートは対応可能ですが、各種機能が追加され、また発売後に改善された最新ファームウェアの使用をおすすめします。

なお、USBドライバーはIC-705専用のものが用意されており、他のアイコム機用の共通USBドライバーは使用できません。よって、アイコムのホームページに掲載されているIC-705専用のUSBドライバーをダウンロードして、RS-BA1をインストールしたパソコン(ワイヤレス運用が目的なのでノートパソコンを推奨)にインストールしてください。

IC-705のサポートページ
https://www.icom.co.jp/lineup/products/IC-705/?open=4#detail_content
最新ファームウェアやUSBドライバーもダウンロードできる

IC-705の設定

大前提として、IC-705をネット接続するために、Wi-Fiルーター(無線LANルーター)、あるいはポケットWi-Fiなどの、ワイヤレスアクセスポイントが必要です。


Wi-Fiルーターとの接続イメージ
(上図のIP Networkの部分は、今回はLANになります)

◎ワイヤレスアクセスポイント(Wi-Fiルーターなど)への接続
1. IC-705のセットモードで「WLAN設定」を選択


「WLAN設定」にタッチ

2. 「WLAN」を「ON」に設定


「WLAN」を「ON」

3. 「接続設定」→「アクセスポイント一覧」をタッチ

4. 表示される一覧表の中から、アクセスポイントとして使用するWi-Fiルーター、もしくはポケットWi-Fiなどを選択する。
(ご注意: IC-705の無線LAN周波数は2.4GHzのため、例えばポケットWi-Fiを5GHzに設定しているケースでは、アクセスポイントは表示されません)

5. アクセスポイントへの接続パスワードを入力する。入力後は「ENT」をタッチ。

6. 正常に接続されるとアクセスポイントの名称の下に「接続済み」と表示される。


「接続済み」が表示された例

7. さらにDHCPのところに、ルーターから割り当てられたIC-705のIPアドレスが表示される。


IPアドレスとして(192.168.8.103)が表示された例

◎リモート操作の設定
1. セットモードで「WLANの設定」を選択。

2. 「リモート設定」をタッチし、下記の設定になっているかを確認。
・ネットワーク制御 → ON
・コントロールポート(UDP) → 50001
・シリアルポート(UDP) → 50002
・オーディオポート(UDP) → 50003


(↓下にスクロール)
・インターネット回線 → FTTH(光回線)
・ネットワーク無線機ネーム → IC-705
もし、設定が別の値になっている場合は上記に修正する。

3. 「ネットワークユーザー1」をクリックし、必要事項を入力する。
・ネットワークユーザー1ID → (16文字以下の任意文字列)
・ネットワークユーザー1パスワード → )8文字以上16文字以下の任意文字列)
・ネットワークユーザー1管理者権限 → YES


ネットワークユーザー1IDに「FBNEWS」と入力した例

以上が完了すれば、リターンアイコンを4回タッチして、セットモードから抜けてください。

RS-BA1の設定

◎Icom Remote Utilityの設定
1. 「簡単セットアップ」→「クライアントのセットアップ(サーバーPC機能搭載無線の登録)」(左上のイラストをクリック)


簡単セットアップ画面

2. 「セットアップウィザードの開始」画面で、「次へ(N)>」をクリック。

3. 「サーバー情報」画面で
・サーバーのアドレスまたはネットワーク名に、IC-705本体に表示されたIPアドレスを入力。(例 192.168.8.103)
・コントロールポートが50001になっているか確認し、「次へ(N)>」をクリック。


IC-705のIPアドレスを入力した例

4. 「ユーザーIDとパスワード」で、IC-705本体に設定したユーザーID(例 FBNEWS)とパスワードを入力し、「次へ(N)>」をクリック

接続が成功すると、Icom Remote Utilityのサーバー一覧に、「IC-705 接続済み」と表示される。


「接続済み」と表示された例

5. 無線機一覧タグで、IC-705を選択し、左下の「接続設定」をクリック
・ネットワーク設定の「お勧め設定」をクリック。LANをチェックして「次へ」をクリック。「はい」をクリック。
・デバイス設定の「仮想COMポート番号」で、適当な番号を選択(例: COM11)し、「OK」をクリック。


仮想COMポート番号をCOM11に設定した例

6. 「接続」をクリック。表示される仮想シリアルポート番号を確認し、「OK」をクリック。

<<接続済み>> と表示されれば完了。


「接続済み」と表示された例

◎RS-BA1 Remote Controlの設定
1. 「Connect Set」アイコンをクリック、もしくは「オプション」→「接続設定」と進む

・モデル → IC-705を選択
・接続方法 → WLANを選択
・Remote Utility → IC-705を選択
・CI-V COMポート →Remote Utilityで設定した番号(例: COM11)を選択
上記以外の選択肢はデフォルト(初期設定値)のままでOKです。

ただし、RS-BA1終了時にIC-705の電源を切りたい場合は「プログラム終了時に無線機の電源を切る」にチェックを入れてください

以上で設定は完了です。

リモート運用

1. IC-705の電源を入れる。
(参考: IC-705がリモートスタンバイ状態の場合は、RS-BA1から電源をオンにすることができる)

2. パソコンを起動させ、Remote Utilityを立ち上げる。

3. サーバー一覧から「IC-705」を選択して「接続」をクリック。
(参考: ネットワークが正常に稼働しておれば、Remote Utilityを起動させるだけで自動的に接続される)

4. 無線機一覧タグをクリックし、IC-705を選択して「接続」をクリック。


これでRemote Utilityの設定は完了

5. IC-705の接続確認後、Remote Controlを立ち上げ、左上の「Connect」アイコンをクリック。


実周波数、モードなどが表示されれば、IC-705は遠隔操作が可能な状態。

6. ノートパソコン使用の場合は、Wi-Fiの届く別の部屋などに移動して、ワイヤレスリモート運用を楽しんでみてください。
(参考: 音声系モードで送信するには、パソコン用のマイクが別途必要です)


「Scope」アイコンをクリックすれば、スペクトラムスコープが表示される。
(IC-705本体と同じ約30画面/秒の高速表示)

7. 運用を終了する際には、Remote Control左上の「Connect」アイコンをクリックしてください。
(ご注意: 右上の「☓」マークのクリックでRemote Controlを終了してしまうと、IC-705の変調入力設定が元(MIC)に戻らず、手動で設定を戻さないと単体運用時に変調がかからなくなってしまいます)


RS-BA1ではスコープの拡大表示が可能

IC-705は無線LANを内蔵しているため、面倒な配線なしでワイヤレスリモート運用が可能です。猛暑日などにエアコンのないシャックにこもって運用に熱中すると、熱中症になる危険もあります。すでにご自宅にWi-Fi環境がある場合などは、ぜひワイヤレスリモート運用をお試しいただければと思います。

(ご参考)
たとえ宅内でもネットワークを使用したリモート運用で送信を行うためには、免許手続きが必要です。詳細はRS-BA1の取扱説明書に記載の「RS-BA1に関わる申請手続きについて」をご参照ください。

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