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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その79 今年のSEANETコンベンションはマレーシアです 1993年(1) 「あの人は今(第4回) JR4PMW・JE6EKQ河野瞬一氏」

JA3AER 荒川泰蔵

今年のSEANETコンベンションはマレーシアです

今年(2019年)の第47回SEANETコンベンションは11月14日から17日までの4日間、マレーシアのジョホール州のリゾート・ホテルで開かれます。筆者は過去20年間継続してSEANETコンベンションに参加してきましたが、今年は残念ながら健康上の都合で見送ります。今月の「あの人は今(第4回)」は1990年から約4年間、そのマレーシアのペナンで9M2KEとしてアクティブに運用されたJR4PMW・JE6EKQ河野瞬一氏を紹介します。

1993年 (ロシア RZ0CZZ, UA0L/JA1BK)

JA1UT林義雄氏は、ハバロフスクでクラブ局RZ0CZZをグループでゲストオペしたと、アンケートを寄せてくれた(写真1)。「コンディションが余り良くなく10mFMで500局、6mで10局程度しかできなかった。ロシアの局は極めて友好的で日本のハムの訪問を望んでおり、事実沢山のJA局がロシアを訪れて運用させてもらっている。(1993年9月記)」と、1992年に運用したRZ0CZZ・UZ0CWWのQSLカードも同時に送ってくれた(写真2)


写真1. JA1UT林義雄氏達が運用したRZ0CZZのQSLカードの表と裏。


写真2. 1992年に50MHz伝播テストとして、JA1UT林義雄氏達が運用したRZ0CZZとUZ0CWWのQSLカードの表と裏。

JA1BK溝口皖司氏は、1993年6月にロシアでUA0L/JA1BKの運用許可を得たと、その許可証のコピーを送ってくれた(写真3)


写真3. UA0L/JA1BK溝口皖司氏の運用許可証。

1993年 (中国 BT4YHY, BY4BJ)

JA9AG吉井裕氏は、クラブとして中国でBT4YHY局をゲスト運用したとアンケートを寄せてくれた(写真4)。「1993年7月、富山アワードハンターズクラブ(JA9YHY)が、中国蘇州市友好訪問に際し、特別局の開局をお願いしました。局の免許は蘇州市無線電運動協会が得たものであり、私達が受けたものではありません。過去BT4AG, BT4AW, BT4GXU, BT4ZWX, 及びBT5ZWXを得ております。(1993年12月記)」と、1992年に運用したBT4GXUのQSLカードも同時に送ってくれた(写真5)


写真4. JA9AG吉井裕氏達、富山アワードハンターズクラブ(JA9YHY)のメンバーが運用したBT4YHYのQSLカードの表と裏。


写真5. JA9AG吉井裕氏達、富山アワードハンターズクラブ(JA9YHY)のメンバーが運用したBT4GXUのQSLカードの表と裏(1992年)。

JH3OII中村千代賢氏は、訪中の機会にBY1BJ局を訪問してゲスト運用をしたとアンケートを寄せてくれた(写真6)。「1993年4月のこと。ご周知の通り中国のアマチュア無線団体は無線電運動協会で、その北京地域を代表するクラブ局がBY1BJです。訪中の1週間前にアポイントをとっておきました。場所は北京市南東部にある遊園地の裏手にある中学校の校舎内で、住所をタクシ-の運転手に見せてもちょっとわからない入りくんだところでした。日本のメ-カ-から寄付された最新リグがずらりと並び、その横には人民開放軍払い下げのクラシック送受信機がどっしりと据えてあるFBな局なるも、アンテナ関係の補修部品が香港経由でも手に入りにくく困っているとのこと。コンディションはやはりJAと東欧がよく入感しますが、北米イーストコーストは特に近ごろのコンディションでは満足いかないとのことです。運用のために揃えるべき書類は中国では局によって違い、BY1BJの場合、日本の従免、局免とJARLの証明が基本的には必要ですが、ちょっとさわってみたい程度ならJARLの証明は免除されることもあります。いずれにせよ事前の問い合わせと、先方に無理のないスケジュ-ルで。(1993年5月記)」そして、翌月続けて、四川省の成都市でBY8AA局を訪問し、ゲストオペをしたとアンケートを寄せてくれた(写真7)。「1993年5月のこと。事前に現地の無線業界の知人に訪問したい旨依頼をしてから行きました。場所は少年宮の7階です。日本からの寄付であるHF機も補修パ-ツがないためフル運用が出来る状態ではありませんでしたが、どちらにせよJAとのQSOなら問題なく出来ました。BY8AAとBY8ABは同じ局で、この局の他に成都にはBY8ACがあります。1993年後半より個人局も許可される見通しです。(1993年6月記)」


写真6. BY1BJ局にて、左から無線台長の王氏、JH3OII中村千代賢氏、アルインコ北京の高小姐、フランス大使館のF6FYAジャンポール氏。


写真7. (左)BY8AAのシャックにてJH3OII中村千代賢氏と、(右)BY8AAのQSLカード

1993年 (香港 VS6FQ, VR2JC)

JA9IFF中嶋康久氏は、香港でのゲスト運用についてアンケートを寄せてくれた。「1993年度のWPX SSBに石出OM(VS6FQ)のシャックと、VR2JC-JAROCのシャックからゲストオペレーターとしてQRVした。その他のゲストOPはJR1NHD田中氏、JA3TYT大庭氏であった。21/28MHzがJAに開けていたため、かなりの局とQSO出来た。(1993年10月記)」

1993年 (マレーシア 9M2KE)

JA3IBU逵幸一氏は、マレーシアへ出張時にペナンの9M2KE河野瞬一氏を訪ねたと、アンケートを寄せてくれた(写真8)。「1993年12月に9M2KE河野瞬一氏を訪ね、アイボールQSOの後9M2KEをゲスト運用させて頂きました。21MHzでCQを出しましたが、深夜でどこもルートが開けておらず、残念ながらQSOには至りませんでした。(2014年12月記)」


写真8. (左)ペナンの中華料理店にて、左からJA3IBU逵幸一氏と9M2KE河野瞬一氏。 (右)9M2KEのシャックにて、左から逵幸一氏と河野瞬一氏。

1993年 (スリランカ 4S7/JA4FM)

JA4FM池田明弘氏は、スリランカで4S7/JA4FMの免許を得て運用中と、アンケートを寄せてくれた(写真9及び10)。「JICAの専門家として、NHKからスリランカ国営TV放送協会へ2年(1993.9~1995.9)の予定で派遣されています。こちらの国での免許は、郵政省の許可だけでなく、郵政省から国防省への許可申請と決済が必要な為、最短で1ケ月位の期間がかかります。ドイツのように相互運用協定が有ればもっと早く、特別のコールサインももらえるのですが、外国人はドイツのグループの4S0DXを除き、総て4S7/XXXXXです。RigはTS-680S, 50Wベアフット、アンテナは3.5~21のマルチバンドダイポール、144, 430はホイップです。TNC-231とIBM Think PADでRTTY。毎夜寝る前18:00~19:00Z頃、14, 7を覗いています。土、日は12:00~13:00Z, 14.123の北海道DX Netにチェックイン、その前後にJAとQSOしています。16:00Z位から14, 21のRTTYで出ています。ローカルとは145のレピーターでQSOしています。尚、QSL MGRはJA1FHK日下部OMです。(1994年4月記)」


写真9. 4S7/JA4FMのシャックにて池田明弘氏。


写真10. 4S7/JA4FM池田明弘氏の免許状の一部分 (クリックで拡大します)

1993年 (イスラエル 4X/JH9XZG)

JH9XZG小西泰孝氏は、イスラエルで4X/JH9XZGの免許を得て運用したとアンケートを寄せてくれた(写真11)。「1993年8月25日から9月21日までの日程でイスラエルを訪れました。滞在中4X/JH9XZGのコ-ルで約800局とQSOできました。免許の取得:日本の1アマをベースに、Class B (オールバンド、オールモード、HFは出力150Wのライセンスを取得しました。申請書類は次の通りです。1)日本のライセンスの英文証明(従免、局免)。2)パスポートのコピー。3)所定の用紙(到着日、持ち込む機材等についての質問)。4)ライセンスフィー US$10。以上をイスラエル到着2ケ月前までに届くように申請します。ライセンスは原則的に、現地到着後、自分で受け取りに行きます。私の場合は申請時に"Address in Israel"に記入した4X6ZM, UdiさんのQTHに届いていました。空港にて:イスラエル行き飛行機搭乗の際は、非常に厳しいセキュリティーチェックが行なわれます。空港によっては搭乗ゲ-トが隔離されているところもあるほどで、時にはかなり手間取ることもあります。よって空港へは時間に余裕をもって行く必要があります。今回、無線機は総て現地局のものを使いましたが、自分のものを持ち込む時は、かなり細かくチェックされるものと思われます。運用:国内は我々が想像するよりもずっと平和で、快適に過ごせます。滞在中はずっと2mのハンディー機を持ち歩いていました。レピーターが各地にあり、大変便利です。運用には91.5Hzのトーンが必要です。HFでは、どのバンドもやはり圧倒的にヨーロッパが多く、信号も強力です。JAとのパスも良く、比較的簡単にQSOできます。また、イスラエルとのQSOを禁止している国もあり、それらの国とはQSOできません。オ-ルアジアコンテスト(9月4ー5日)では、偶然にもGW0RTA荒川さんとQSOできました。アイボール:IARCのオフィスでは、会長の4X6KJとアイボ-ルできました。また、年に1回の全国ミ-ティングに参加することができ、多くのハムとアイボ-ルできました。(1993年10月記)」


写真11. (左上)4X6YYのシャックにて4X/JH9XZGを運用する小西泰孝氏。(左下)最南端の都市エイラットの、紅海に面した美しいビーチ。(右)4X/JH9XZG小西泰孝氏のQSLカード。

「あの人は今(第4回)」JR4PMW・JE6EKQ河野瞬一氏

1989年から12年もの長期間、マレーシアのペナンから9M2KEでアクティブに運用されたJR4PMW河野瞬一氏の記事は、2018年1月号(その58)に掲載させて頂き、そのマレーシアから1992年に休暇で訪れたオーストラリアからVK6BHKで運用された記事は、2019年7月号(その76)に掲載させて頂きました。その河野氏からのアンケートを一部抜粋して紹介させて頂きます。「マレーシアの9M2KEとオーストラリアのVK6BHKの免許は、これまで定期的に更新していて現在も有効です。その他、9V1,YB,HS,ZL,BV,BY,HL,W,XE,VS6(VR2)ではライセンス取得までは行きませんでしたが一部の国ではゲストオペをさせて頂きました。当時は海外運用に関する情報が乏しく雲をも掴む思いでライセンスを取得したのを思い出しますが、30歳そこそこでまだ若く何事にもバイタリティーに溢れていたからだと感じます。現在は還暦も過ぎ、メーカ退職後は近くの小さな工場で第2の人生を送っています。そんな中でも、現地ハムや赴任期間中お世話になった方々とは現在も交流を続けています。ただ残念なことは、免許取得で一番お世話になった9M2FK, Esheeさんが一昨年90歳で亡くなられたことです。現在は広島でJR4PMWと、実家の大分でJE6EKQを運用しています。広島ではCW、SSB、デジタル(FT8など)をメインに運用していますが、設備はマレーシアでも使用したもので、日本とマレーシアを2往復しており、個人的にも大変思い入れの深いリグで中々手放せません。今はこのリグが私のマレーシアでの運用の記憶の架け橋となっています。もう1局の大分でも広島と同様のモードで運用しています(写真12~15)。最近気付いた事ですが、デジタルモードFT8の爆発的な普及で、小電力でも十分に楽しめることから、広島や大分のローカル局のアクティビティが上がり始め、しばらくご無沙汰していたアイボールミーティングなどがまた盛んになってきました。デジタルモードの普及が、アマチュア無線を活性化しているようですので、乗り遅れないように日々鍛錬を重ね、「King of Hobby」と「海外運用の先駆者達」の名に恥じないように、アマチュア無線を楽しんで行きたいと思っています。今は気軽に海外へも移動でき、相互運用協定で短期間なら申請なしでアマチュア無線も運用出来る時代ですから、ぜひ皆さんもリグをもって出かけてはいかがでしょう。日本とは違った別の世界が広がって楽しいものです。(2019年6月記)」


写真12. (左)広島のシャックにてJR4PMW河野瞬一氏。リニアは200Wに改造機。 (右)大分のシャックにてJE6EKQ河野瞬一氏。


写真13. (左)JR4PMW河野瞬一氏のQSLカード。(右) JE6EKQ河野瞬一氏のQSLカード。


写真14. ソーターバランやスリーブコアーで、コモンモード対策を重視したJE6EKQ河野瞬一氏のアンテナ基部。


写真15. JE6EKQ河野瞬一氏のインターフェアーを徹底排除した設備としてのフィルター群。

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