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Short Break

古本市で見つけた明治9年発行の「物理階梯」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中止が続いていた古本市が大阪市天王寺区の和宗総本山四天王寺で「四天王寺 春の大古本祭り」と題してゴールデンウィーク(GW)最中の4月29日(金)~5月5日(木)までの7日間開催された。春の開催は実に3年ぶりである。


図1 四天王寺 春の大古本祭り

2022年、今年のGWは、政府が外出自粛を求めなかったこともあり、けっこう多くの来場者でにぎわっていた。開催関係者の話によると、期間中の来場者はなんと20万人を見込んでいるとのことであった。

感染対策を万全にしてこの古本市に出かけた。第一の目的は、日本のアマチュア無線のあけぼのを知るような書物の探索であったが、残念ながらヒントになるような書物を見つけることはできなかった。それでも明治9年発行の物理の書物を見つけ、日本が科学大国に進んでいた当時の断片を伺い知ることができたのは収穫であった。


図2 理系の学生に関する当時の教科書

物理階梯(かいてい)の一部を紹介しよう。図2右端がそれで、階梯とは入門書といったような意味らしい。要は、物理の入門書で明治9年9月に改正増補された書物ということになるが、残念ながら漢字が多くてうまく理解できない。


図3 物理階梯の表2と本文


図4 物理階梯のもくじに電気の発生の記述

第三十一課には「電氣ヲ發生セシムル方法」とのたいへん興味深い記述があるが、書物は複数巻から構成されているようで、対象の記述は購入した一巻目には記述されていなかった。

別の書物(図5)で明治三十三年発行の「小学理科」の表2には興味深い絵が掲載されている。「電氣ノ應用」として当時ではハイテックな電話と鉄道の挿絵だ。日本の鉄道の開業は、1872年(明治5年)であることからすると、この挿絵に描かれている情景はそれから29年後の姿で、日本が文明開化に押し進んでいった最中であったと思える。

挿絵の上部に「高等小学校理科児童用」と記載されている。高等小学校とは、ウィキペディアによると明治維新から第二次世界大戦勃発前に存在した、後期初等教育・前期中等教育機関の名称とある。現在の中学1年、2年に相当するとの記述もあり、それから考えると当時は随分難しいことを勉強していたことが分かる。


図5 明治34年当時の小学理科の教科書

教科書の一部に電燈のことを紹介した記述がある。本文を書き写すと次のようになる。



図6 白熱電燈に関して説明された部分

当初の目的であったアマチュア無線関係では、JARL発行の「アマチュア無線のあゆみ」日本アマチュア無線連盟50年史(1976年9月発行)が8,000円で販売されていた。1時間ほどあとに再度その書店を訪れると売れた後であった。また1954年当時の誠文堂新光社「無線と實験」は、これもなんと一冊900円もの高値がついていた。アマチュア無線は、永遠に不滅か。

CL

<参考資料>
・改正増補 物理階梯 (明治九年九月) 文部省 片山淳吉 纂輯
・小学理科 卷四 (明治三十三年十二月二十日訂正再版發行)
 編者:學海指針社 發行兼印刷者:株式會社 集英堂

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次号は 7月 15日(金) に公開予定

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