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おきらくゴク楽自己くんれん

その13 格安飛行機(LCC)を利用しての九州南部で移動運用

JF3LCH 永井博雄


皆さん、こんにちは。先月は格安航空(LCC)での移動で活用できるアンテナを作ったので、実際に使うべく大胆な? 企てを実行してみました。

先月紹介しました 50MHz片側給電アンテナですが、飛行機での移動などでポールが運べなくても運用を楽しめるアンテナを作ろうと思ったのは、実は航空会社セールで関空-鹿児島間日帰り往復チケットを格安で手に入れたことが製作動機でありました。鹿児島空港から九州南部の3県(鹿児島県・宮崎県・熊本県)で移動運用をしてライフワーク的に進めている移動運用WAJAの未だ移動運用出来ていない県を3つ減らすのが最大の目標です。

1. せっかく作ったアンテナで飛行機を使った遠距離移動運用

先月の記事ではアンテナ完成後の調整が今一歩の状態でした。


完成直後のSWR特性

調整の方法として基本的に容量を大きめ(43pF程度)にしたガラスエポキシ両面基板コンデンサをグラインダーで削りコイルの長さを調整して詰めていたのですが、どうも基板の静電容量が小さくなってしまったのでうまく調整ができなくなり基板をもう一枚作って調整をやり直しました。


SWR最小値を1.2程度まで調整

基板コンデンサの容量を約39pFくらいにしてコイル長さを調整した結果、上の写真のようにSWR最小値が1.2程度となり十分満足のいく特性となりました。


水道用Oリングで防水対策

2. 機内に持ち込む物を吟味する

ピーチアビエーションでは機内に持ち込める荷物は2つまで。合わせて7kgまでと規定されています。以前沖縄に移動した時は10kgまででした。ですから持ち物にそれほど気を使うこともなかったのです。しかしいつからか3kgも減らされてしまいました。もちろん荷物を預けてもいいのですが、片道料金が1800円もかかりできれば避けたいものです。考えもせずにポイポイとバックに詰めるとすぐに7kgを超えてしまうので、持っていくものを吟味しなければなりません。

要・不要を考えながらより分けをして、もう一度本当に必要かを考えながらバックに詰めてみました。ひと通り詰め終えたあと、家にあった重量計で測ったところ8kg近くになってしまいました。オーバーしていますので荷物の軽量化に取り組みました。


機内に持ち込みできた荷物

・無線機
IC-705です。レンタカーのシガーソケットから13.8Vを供給すれば10Wの送信出力で運用でき電源の心配がありません。10Wは物足りないかもしれませんが5Wしか出ない機種よりは心強いものです。

電池パックは、オプションの大容量なBP-307を付けていましたが軽い標準タイプのBP-272にしました。外部DC電源が使えれば必要ないのですが、万一外部DC電源がNGの時には全く使えなくなるので外せませんでした。またハンドマイクは、純正のスピーカーマイクではなく自作の軽量マイクにして50g以上軽量化できました。


IC-705用自作ハンドマイク(左)と純正スピーカーマイク(右)

・アンテナ
先月記事の50MHz片側給電アンテナとコメットのHFJ-350Mを持っていきます。


エレメントを巻き付ければコンパクト

HFJ-350Mは3.5MHzコイルを省きました。今回ハイバンドでの活躍が期待ですし、夜間の運用は帰り飛行機の時間迄なので持って行っても使わないでしょう。100g程度軽くなりました。

・同軸ケーブル
6.5mのBNC-Mコネクター付きRG-58A/Uをやめて、3.5mのBNC-Mコネクター付きケーブルを新たに作り150g軽量化しました。

・ノートPC
紙でログを取れば大幅軽量化になるのでそうすべきだと思ったのですが、PCロギング運用になれてしまっているのでパイルになると対応できなくなってしまいます。少しでも軽くなるよういつも使っているレッツノートに代えて200gだけ軽い11年前に買った古いネットブックがありましたのでこれにしました。ログを取るくらいならまだまだ使えます。ACアダプタも少し軽いのも良い点です。あとで書きますが今から思えばノートPCは必要なかったのです。

・150mmモンキーレンチ
軽量化とは関係ないのですが150mmのモンキーレンチも持って行きます。ロープをくくりエレメントを引っ掛ける木の枝に投げるのに使います。本当はもう少し大きいサイズがいいのですが、持って行くにはこの大きさが限界です。手にフィットする持ち手の後端にロープを通す穴があり先端方向に重心があり投げやすく落下で破損しても気にならない中国製安物モンキーレンチは投擲(とうてき)アンテナには最適なグッズだと思います。しかしこれが当日空港でドキドキの体験をさせてくれました。


軽量化によって7kgの規定以内に

以上の軽量化の努力により何とか7kg以下にできました。あとは自宅の重量計が正確であることを祈るばかりです。もし空港での軽量で7kgを超えるような場合は何かをポケットに突っ込むことで対応できるでしょう。
準備万端、これで安心して当日を迎えることができました。

3. 手荷物検査で

出発は7:10の予定です。6:10には空港に到着。チェックインして手荷物検査です。ドキドキの重量チェックは6.76kgでOKとなりました。


搭乗前のチェックも合格

ひと安心したのも束の間、荷物をX線検査で何度も調べられました。考えてみればバックの中は普通の旅行者が持っているようなものは全然なく、何だかわからない機器や電線だらけですから怪しまれて当然ですね。一番奥に入れていたIC-705まで引っ張り出されて「これは何ですか?」と質問され「無線機です」と普通に答えたら納得してくれた様子。ホッとしていると今度は「工具みたいなものがありますか?」と質問。150mmのモンキーレンチがありますから「ハイ」と答えるとバックから取り出し「確認しますね」と寸法を測りだしました。何度も何度も寸法を測る姿にドキドキが強まります。

事前に規約を調べたら「工具の寸法150mm以下はOK」となっており、150mmモンキーレンチは大丈夫だと思っていました。しかしその認識は誤りで実際の寸法が150mmを少しでも超えるとNGとなるみたいなのです。市販されているほとんどの150mmのモンキーレンチは、仕様を満たすために155mmくらいあるのが普通で本来なら持ち込みできないのですが、大昔に格安で購入した私の某国製は何と149mmだったのです。複雑な表情を浮かべた検査員の方から「コレはギリギリでOKです。しかし機内では絶対にバックから出さないでください」との指示を受けました。

工業製品としてはあるまじき仕様を満たさない不良品でありましたが、今回はそれに助けられてしまいました。そして多分これからも助けてもらうことになるでしょう(笑)


満たされていない某国仕様に助けられました(笑)

4. 運用開始

無事に鹿児島空港に到着しました。快晴の空港はとても気持ちよく徒歩で予約していたレンタカー屋さんまで行き第1運用地に急ぐことにします。


鹿児島空港に到着

約30分で第1運用地である鹿児島県姶良郡湧水町の池平公園に到着しました。



鹿児島県姶良郡湧水町池平公園駐車場

初めはせっかく専用にアンテナを上げたのですから50MHzで運用開始します。Eスポには少し早い時期でもありバンドはオープンする気配がなかったので10MHzにQSYしました。IC-705のバンドスコープにはたくさんの柱が見えています。CQを出すとすぐに数局と交信出来たのですが、それからパッタリと交信できなくなってしまいました。どうもデリンジャー現象が発生していたみたいです。あれだけ見えていたバンド内の柱も全くなくなってしまいました。それからは全然交信ができず1時間30分の予定時間を超えてしまったので次の運用地に向かいました。


宮崎県えびの市えびのループ駐車場

国道221号線で熊本方面を目指す為、宮崎県えびの市に入ります。国道わきの駐車場で店開きしました。バンドコンディションは相変わらずでどのバンドも閑散としています。こちらのCQで呼んでもらうことはなく、CQを出している局を呼んで何とか交信してレポート交換するというありさまでした。これでは帰りまでの少ない時間がもったいないので、この隙に熊本県に入りコンディションの回復を待つ方がいいと判断しました。


熊本県人吉市国道221号線脇の駐車場

熊本県人吉市は、同じ国道221号線脇の駐車場で少し運用しましたが、実はここに来る前にレンタカーにトラブル(交通事故ではありません)があり、連絡調整を取っている間での運用になってしまいました。また持ってきたミニマグネット基台に断線のような症状がおこり、未だ時間がありましたが一旦空港に帰ることになりました。正に踏んだり蹴ったりの移動運用となってしまいました。

5. まとめ

読者のみなさんにはまだまだ今回の私の荷物には無駄なものが多いとお感じの方もおられると思います。荷物を預ける費用をケチるのはセコイとお感じの方もおられるでしょう。改めて見てみると自分でも洗練されていない荷物に感じています。ここは一つのチャレンジとして受け止めていただければと思います。そうでない方には、何かが参考になれば幸いだと思います。

コンディションには勝てませんしそんな時にこそ思わぬ出来事が起こるものだということをしみじみと感じた移動運用旅行となりました。今回の事は今後の活動に生かしていきたいと思います。今回は3県での移動運用を実行できただけで満足することにします。近いうちにリベンジ運用に挑戦してみたいと考えています。それではまた。

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