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おきらくゴク楽自己くんれん

その38 三重県移動運用とバーチカルアンテナの改良

JF3LCH 永井博雄

2024年6月3日掲載

前回、軽トラ&自転車のハイブリッド? 移動運用を楽しみましたが、最近どうもネットで地図を見ていると、モバイルシャックで一晩過ごすのに都合がよさそうな場所がないか探してしまいます。そういう場所が見つかるとすぐにでも行きたくなってしょうがありません(笑)

ということで今回はネットで見つけた三重県の山奥にある海を見下ろす高台にある公園で一晩を過ごすのをメインとし、行き帰りに何か所か移動運用をするのに適していそうな場所をいくつか候補地としてピックアップし、凝りもせず出掛けて行きました。

1. 三重県に入る前に

出発してまず満開を過ぎた桜がまだ咲いているかも知れないということで、自宅から三重県方向にある奈良県宇陀郡御杖村(みつえむら)の公園に向かいました。


まだ桜の残る宇陀郡御杖村

到着すると狙いは的中して、小高い山いっぱいに広がる桜の木にはまだ少しの花びらを残した桜。散った花びらもまだ地面にいっぱいで過ぎゆく春を楽しむことができました。

2. 運用可否の判断を求められる

次の目的地である三重県多気郡多気町の公園駐車場を目指します。現地に到着するとお天気が良いためか家族連れで駐車場が一杯です。空いてくるのをしばらく待っていましたがあまり帰る人はいませんでした。軽トラを停めることは出来ますが両隣には車があるので、アンテナをあげると迷惑がられる可能性が高く今日ここでの運用はあきらめました。

すでに日が傾きかけていましたので、夕食を調達するため近くのスーパーを探します。せっかく普段来ることのない地域に来ている訳ですから、全国チェーンのスーパーではなく地元ならではのスーパーを探してみます。この後の方向とは反対でしたが良い感じの店舗が見つかり北の方向に寄り道します。到着するといかにも地元で愛されている佇まいのスーパーです。店前の駐車場に軽トラモバイルシャックを停めると、しばらくシャックを眺めていた店長と思われる方から「コレ自分で作ったのですか? いいですね!」と声をかけてもらい少しお話しさせていただきました。こういう出会いがある事もうれしいものです。

3. 快適な夜の時間帯

買い物を終えて次の目的地、度会郡南伊勢町の公園に向かいました。かなり細い道を行かなければなりませんでしたが、逆にさっきの場所のように人が多くて遠慮しなければならない心配は少なくなります。日が暮れる前に到着することができ早速運用を開始します。まだ7MHzで楽しむことができました。

コンディションが下がると3.5MHzにQSYし、呼ばれなくなったところで一人宴会タイムの開始です。暗い時間帯のコンディションは良くなかったので時間が余りましたが、こんなこともあろうかと家から古い映画をダウンロードしたタブレットを持ってきたので時間をつぶすこともできました。暗くなってからも時々駐車場に訪問者がありましたが、ガラガラの状態でしたので特に問題はありませんでした。のんびり快適なひと時を過ごすことができました。


誰もいない公園駐車場での運用

夜が明けて今日も天気は良くなりました。気持ちのいい朝です。少し公園内を散歩します。展望台に登ると海のない県に住んでいる者には感動的な素晴らしい光景が目に入ってきました。


展望台からの素晴らしい風景

そのまま朝の運用を終えて、昨日運用をあきらめた場所にもう一度行ってみます。今日もお天気がいいので昨日と同じ状況だった場合は運用をあきらめよう考えていましたが、午前中だったので端の方はかなり空いている状態でした。駐車場の一番端の場所に車を停めて運用を楽しむことができました。


三重県多気郡多気町での運用風景

お昼ごろまでとどまり帰路につくことにします。途中、奈良県吉野郡東吉野村高見峠でもUHF&HFで移動運用を楽しむことができました。

4. アンテナ設営の手間を減らす

これまで何度か移動運用を重ね、走行移動・アンテナ設営・運用・片づけを繰り返すうちに気になる点が出てきて次第に一連の作業繰り返しが面倒になってきました。

AH-730を側面に取り付け、同軸・コントロールケーブルの配線を済ませた状態で移動し、車を停めるとアオリの後部に塩ビパイプを立て、そこに釣り竿を立ててワイヤーエレメントをテープで停めて竿を延ばしAH-730につなぐだけで準備ができるようにしていますが、回を重ねるともっと簡単にできないものかと感じ、どこか改善できる点は無いか考えていい方法を思いつきました。

現在AH-730を取り付けている部分は、シャック完成当初あおりに釣り竿を立てるところでした。AH-730を使うようになって、竿は600mmほど後部に立てるようになりました。AH-730を取り付けた上の部分(屋根の下)には竿を通す丸い金具を設けてありましたが、長い間使うことはありませんでした。そこでこの金具の台座を流用し、以前購入して家にあった5.6mのロッドアンテナに直接給電すればアンテナ設営がより簡単にできるのではないかと考えました。


縮めた状態の5.6mロッドアンテナ


ロッドの底を支える金具


アンテナロッド屋根部支持


M10蝶ナットでAH-730と接続

5.2mのグラスファイバー竿と比べると少し長いですが、エレメントとして使っていた電線の長さは6m弱でしたので、実質のエレメント長は変わりないと思います。

理想的にはAH-730上部に縮めたロッドを取り付けたまま走行し、停車後ロッドを延ばすだけで電波が出せればよいのですが、ロッドを延ばすのに先端から延ばしていかなければならないので身長が足りません。脚立があれば問題ないですが、いちいち脚立を立てて準備をするのでは設営の簡略化にはなりません。そこでロッドを延ばしてから上部のゴム帯の輪に改造した支持部ゴムに通し、AH-730とロッド底部を接続するという順序の作業としました。

この状態で3.5MHzから50MHzまでチューニングが取れる状態であることが確認できました。


これまでの釣り竿5.2mを使った運用


5.6mロッドアンテナを使った運用

この改良でますます出掛けることに対する障壁が減りました。これをきっかけに気軽な軽トラ旅の回数を増やしていければと考えています。

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