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アパマンハムのムセンと車

第33回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2025年6月16日掲載

連載33回目となります。このところの暑さで早くもグロッキー気味ですが、皆さんはお元気でしょうか? 私の住んでいる東京では、午前4時には明るくなっていますし、午後7時くらいにようやく真っ暗になる感じです。

ちなみに拙稿が掲載される月刊FB NEWS発行日(6月16日)の東京の日の出は04:25、日の入りは18:59とのこと。今年の夏至は6月21日なので、こんなもんなのでしょう。早起きして早朝からオンエアを楽しんでいる方が、目に浮かぶようです。

さて、夏至を祝う夏至祭(げしさい、Midsummer)は、北半球において一年で最も昼の時間が長くなる夏至の頃に行われるお祭りです。特に北欧諸国では、長く厳しい冬が明けて太陽が輝く喜びを祝う、国民にとって非常に重要な祝祭とされています。

・夏至祭の主な特徴
時期: 夏至の日、または夏至に一番近い週末に行われます。年によって日付は多少変動しますが、概ね6月21日~26日の間です。

地域: スウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどの北欧諸国が特に有名ですが、ドイツやイギリスなどヨーロッパの他の地域でも様々な形で祝われます。

・伝統的な過ごし方
メイポール(夏至柱): 広場などに季節の草花で飾られた大きな柱(メイポール)を立て、その周りを踊り明かします。これは、豊作や子孫繁栄を願う意味合いも含まれています。

かがり火(コッコ): 悪霊を追い払い、豊作を願うために大きなかがり火を焚きます。

花冠: 女性が花冠を身につけるのが伝統的です。

サマーコテージでの過ごし方: 都市部を離れ、湖畔や海辺のサマーコテージで家族や友人と過ごすのが一般的です。バーベキュー、魚釣り、セーリングなどを楽しみます。

おまじない: 昔は、将来のパートナーを見つけたり、子孫の繁栄を願うおまじないが行われたりもしました。

白夜: 特にフィンランド北部などでは、夏至祭の夜は「白夜」となり、夜でも太陽が沈まず明るいため、夜通しお祭りを楽しむことができます。

・日本での夏至祭
日本では、北欧のように夏至を祝う全国的な風習はあまりありませんが、一部地域では夏至にちなんだ行事が行われます。例えば、三重県伊勢市の二見浦にある二見興玉神社では、夏至の日の出に合わせて夫婦岩の間から昇る朝日を拝む「夏至祭」が斎行されます。

また、近年では、北欧文化を紹介するイベントとして「メッツァの夏至祭」など、日本各地で北欧式の夏至祭が開催されることもあります。夏至祭は、暗く長い冬を乗り越え、光り輝く夏の到来を心から喜ぶ、北欧の人々の生活と文化に深く根ざしたお祭りと言えるでしょう。


スウェーデンの夏至祭

では、今月も原稿を進めていきましょう。

移動運用時のアンテナについて考える

移動運用を考える際にいつも頭を悩ませるのが、マストの固定方法だと思います。本格的な移動であれば車のタイヤで踏んでマストを建てる、いわゆるタイヤベースになろうかと思います。本稿では、バンド別にアンテナを考えてみたいと思います。

●HFアンテナ
マストが1本で、広い敷地がある場合は、国内向けなら逆Vアンテナが良いでしょう。アースに影響されないため、安定した動作が見込めます。短縮コイルを入れない、いわゆるフルサイズであれば、調整も容易ですし、SWRが低い帯域も、十分に確保できると思います。

自作も簡単ですが、それも面倒というならばヤフオクなどに手作りのダイポールアンテナを販売している方がおられますので、そちらを購入して使用するのも一考です。中にはトラップコイル入りの2バンド対応のものを販売している方もおられますので、検討してみてはいかがでしょうか? もちろんアンテナメーカーの製品もありますよ。



ダイポールの一例 中心のバランを頂点にして両端を下げると逆Vにもなる(第一電波工業株式会社Webサイトより)

スペースがない、DXとQSOしたい、ということであれば、打ち上げ角の低い垂直系が適しています。7MHzまでなら全長が約10mに収まりますのでフルサイズで実現できるレベルです。タイヤベースも大型でしっかりした物を使うことで自立も可能です。


大型のタイヤベースに10m長グラスファイバーポール。これで自立可能です

1/4λということで、AH-730のようなATUがなくても、エレメントの長さを調整することで、マッチングが取れます。3.5MHz以下のバンドでは、短縮コイルが必要になってきます。さらにマッチングも取りにくくなります。そんなときには、給電部とアースの間にコンデンサーを入れてマッチングを取ると良いでしょう。固定コンデンサーよりもバリコンを使ったほうが調整は容易かと思います。

14MHz以上は長めのモービルホイップを使うのが簡単です。経験上、2m以上の長さのモービルホイップであれば、フルサイズと比較して、遜色なく使えます。勿論、7MHzのようにフルサイズで試してみるのもアリです。

●50MHzアンテナ
前回でもお話させていただきましたが、このバンドは水平偏波と垂直偏波が同居しています。垂直偏波ならば、モービルホイップを使うのがベストでしょう。モービルホイップの中には、ノンラジアルのものもあります。できる限り高いところに設置するほうが良いので、マスト先端に取り付けるが良いでしょう。

水平偏波はダイポールだと扱いが簡単です。そしてこのバンドからビームアンテナの使用が容易になってきます。少しでも電波を飛ばそうと思うなら、ビームアンテナ一択です。


ダイポールアンテナの例(コメット株式会社Webサイトより)

●144/430MHzアンテナ
このあたりの周波数になると、ビームアンテナも手軽に使えます。簡単に済ませるなら、車に取り付けたモービルホイップを使うのが良いでしょう。ロケーションの良いところに車を停めて、ちょっと運用してみるのも面白いです。また、普段は短いモービルホイップを使用し、移動先では長い物に交換して運用するのも良いでしょう。長い物と短い物の2通りを使い分けるのがスマートです。


目的地ではこういった長いアンテナに交換して運用するのもアリです(第一電波工業Webサイトより)

●1200MHz以上の各バンドのアンテナ
このくらいの周波数になると、まず気になるのが同軸ケーブルの減衰です。移動運用なので固定での運用よりは同軸ケーブルは短いと思いますが、ケーブルに掛けるお金をケチるのは止めたほうが良いと思います。ビームアンテナを使う場合でもカメラの三脚を使って手軽に設置できます。また1200MHzは常置場所で10W出力の許可を得ていても、移動先では1Wしか出せません。少しでもパワーロスを防ぐ意味でも、出来るだけ太い物を短くして使うようにしましょう。


小さいアンテナなら三脚は立派なマストベースになる

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