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広げよう“IOTA”の輪 ~ONE PIECE of IOTA~

その6 SWL IOTAチェイシング (JA4-4665 杉原氏より)

JP3AYQ 眞田真由美

こんにちは。JP3AYQ眞田真由美(Mami)です。ご縁あって月刊FBニュースにIOTA関連の記事を連載させて頂いております。今回で早くも第六回目となりました。少しでも多くの方に、IOTAの魅力や楽しみ方を知って頂けるように、古くからIOTAを楽しまれている局長さん、新人IOTAチェイサーの方、IOTAペディショナーの方からIOTAチェイシングのノウハウ、体験談や苦労話・移動レポートなどIOTAの魅力たっぷりなレポートを頂いて繋げて行きます。IOTAは世界の島々を電波で巡るアワードです。あなたも一緒に電波で島への旅に出かけませんか?はまると楽しいIOTAです!

さて、前回はJN6RZM山本さんに先日の西日本ハムフェアでご講演された「IOTAの魅力」の内容をギュッと凝縮して、西ハムへ行けなかった方、行ったけど都合で講演を聞けなかった方の為に講演内容を要約したレポートをご執筆頂きました。如何だったでしょうか?今月はJA4-4665杉原さんに、SWLでIOTAを楽しむお話をご執筆頂きました。IOTAプログラムはSWL局が創設されたと、今回初めて知りました。まだまだ勉強不足です…SWL局にとっては、最近のクラブログマッチングなどは使えませんので、必ず紙のQSLカードが必要になります。SWL局が創設者だからこそ、最近まで紙のQSLにこだわっていたアワードだったのかな?と思ったりしました。そんなSWL局とは縁の深いIOTAを長年にわたりSWLで続けて来られました杉原さんのお話は大変興味深く、新人IOTAチェイサーには大変勉強にもなります。懐かしいお話からコンテスト参加のアドバイス、思い出話など、SWL IOTAに纏わるお話をご用意頂きましたので、どうぞお楽しみ下さい。

SWL IOTAチェイシング

JA4-4665 杉原多二雄

SWLのJA4-4665杉原と申します。IOTAは故Geoff Watts氏, BRS-3129というSWLが創始したプログラムであり、IOTAという言葉を聞くたびにSWLとして誇らしく思うところです。しかしながら、2017年アニュアルリスティングのSWLは16名だけというのが現状です。日本からも以前は複数の参加者がありましたが、更新されずに徐々に減少し、今年、私だけになりました。世界的にもマイナーとなってきたSWLですが、私が関わってきたIOTAについて紹介させていただきます。昔話が多くなるであろうことをご容赦ください。

私の短波受信は1967年からのBCLが始まりで、今年は短波との関わり50周年となりました。当時、アマチュア無線の電話はAMがまだ大半の時代で、普通の市販ラジオでも7MHzのアマチュア無線の交信を了解できました。それからアマチュア無線にも関心を持つことになり、1969年にJARL准員入会して、JA4-4665のナンバーを取得しました。以来、このナンバーでSWLを続けています。

IOTAを意識したのは故Jim Smith氏, VK9NSがCQ ham radio誌で1994年5月号から連載した「IOTA Information」からだったと思います。当時の切り抜きを今でも保存していますので興味を持ったのは確かです。1994年はGeoff Watts氏が逝去された年でした。


VK9NSがCQ ham radio誌で1994年5月号から連載した「IOTA Information」の切り抜き

続いて荒川泰蔵氏, JA3AER翻訳・執筆の日本語ディレクトリーが1995年8月ハムフェアから発行されました。私も郵送で入手しました。当時、IOTA申請のためにはディレクトリーに記載されたディレクトリー番号「JA-OOOO」と所持者の情報がIOTA委員会に登録され、管理番号として使用する規定でした。まずディレクトリーを購入することが条件であり第一歩だったわけです。

さらに1997年度ディレクトリーの日本語版の発行、1997年末から中嶋康久氏, JA9IFFが日本のチェックポイントに就任と続きました。日本でのIOTAへの関心の高まりに対応する体制も整えられていったわけです。私はといえば、早々に中嶋氏から申請方法などをご教示いただいたのですが、直後に海外駐在でおあずけとなり、最初のIOTA100申請は2004年になってからでした。


1995年発行のIOTA Directory&1997年発行のIOTA Directory日本語版

IOTAの楽しみ方はSWLもアマチュア無線局と基本的には同じです。以下、SWLで楽しんでいる私の経験をもとにIOTA関係の話題をいくつか書いてみましょう。

特記について
ルールにバンド、モードの特記ができることが規定されています。ただし、レコードは一局で一つしか保持できないということで、特記を決めたらその後もずっと同じ特記条件で続ける必要があります。アニュアルリスティングでは特記についての記載がありませんので、誰がどのような特記をされているのかはわかりません。私はCWモードの特記をしていただいています。IOTAは以前はアマチュア無線局もSWLも同じアウォード発行がされており、発行番号も両者一緒の連番でした。特記は私の場合は“CW only”と記入されていました。

2007年にIOTA Webでの申請に移行してからSWLは分離され、SWLだけの発行連番が振られるようになりました。Web申請によって通常はアウォードが機械的に発行されます(チェックポイントでのQSL確認後)。SWLは「個人プロファイル」欄の「SWL」にチェックを入れますが、それが機械的に読み込まれてアウォード上の特記欄に“SWL”が自動的に記入されるようになりました。その他の特記は機械的には表示されませんので、アウォード申請時には都度、事務局へ別途メールで特記記入の事前要請をしています。Web移行後の2008年1月のIOTA300申請時にこのような状況が発覚しましたので、Martin Atherton氏, G3ZAYに検討いただいて“SWL All CW”という表記に落ち着きました。Webの「個人プロファイル」にバンド、モードの特記欄も追加してそこから読み込んでプリントすることではどうかとの提案もしましたが、システム変更にはコストがかかるのでしょう、できていないようです。特記を受けられているほかの局はどのようにされているのでしょうか。

コンテストについて
毎年7月に開催されるIOTAコンテストはRSGBのIOTA委員会ではなくコンテスト委員会による開催です。2004年までSWL部門もありましたが、参加者が少ないという何処も同じ理由で2005年以降、廃止されてしまいました。このため2006年からMDXC SWL Sectionが本家のIOTAコンテストに併設の形で「IOTA SWL Contest」を始めました。Dan Rolla氏, I1-12387(IW1QLA)がコンテストマネジャーでした。RSGBコンテスト委員会から参加局すべてのログデータの提供を受けてマッチング・チェックも行っていました。私もこちらに参加していましたが、2010年後半にMDXC SWL Sectionは活動停止状態となってしまったようです。それと知らずに2011年まではDan Rolla氏と連絡をとっていましたが、その後は不明になっていました。最近になって下記のWebページを発見し、それから後もDan Rolla氏によってSWLコンテストは継続されていたことがわかりました。Radioascolto SWL Clubと称されていますが、内容を見るところ彼の個人的活動のようです。http://www.radioascolto.org/swl/にルールと2011年以降の結果の掲載があります。誰でも参加できますから局免所有者の方でも受信だけのコンテストをやってみても面白いかもしれません。

IOTAコンテストではコンテストナンバーとしてRS(T)+交信番号+IOTA参照番号(IOTA外局はRS(T)+交信番号)を送受することになっています。このようにコンテストナンバーがやや複雑で長いうえ、CWでは、交信番号は0を省略して一桁、二桁の数字だけを送出されたり、IOTA参照番号は例えばAS-007をAS007、ASTT7、AS7などと打ったりということがあり、人によってさまざまです。集中していないと取りきれなかったり、ミスコピーしてしまうことがあるので、ちょっと難しいというイメージがあるかもしれません。オペレーション技能の訓練と思ってやってみてはどうでしょうか。なお、コンテストログのマッチングでIOTAクレジットされるシステムがありますが、SWLには交信ログがないため利用できません。MDXCでSWLコンテストを実施していたときに、やはりDan Rolla氏がIOTA委員会の承諾を得て窓口となり、SWLからのクレジット希望局のログデータを受け付け、RSGBコンテスト委員会から提供を受けていたIOTAコンテストログとマッチングし、合致分をIOTA委員会へ提出、クレジットされるというサービスも行われていました。当件に関して現在はどこにも記載がなく中止されたのかと思われます。


IOTA Contest SWL部門で頂いた賞状(1999年&2006年)

記念アウォードについて
IOTAの周年記念で特別のアウォードが発行されることがあります。記憶にあるところでは、2004年の「IOTA 40th Anniversary Awards Programme」と、2012-2013年の2年間にわたった「IOTA 50th Anniversary Marathon」がありました。私は後者のマラソンに参加しました。SWLの場合はこれもRSGB外でHans-Jűrgen Schmelzer氏, DE3EARが窓口となって集計し、結果をRSGBへ提出、アウォードが発行されたという仕組みでした。


IOTA 50th Anniversary Marathonで頂いた賞状

電子ログマッチングについて
最近話題の電子ログマッチングによるクレジット申請・承認は今年から本格稼働するとのことですが、交信ログのないSWLには無縁のシステムのようです。SWLのためのシステムが追加される見込みはないでしょうから、SWLとして続けるためには引き続き紙のQSLが必須です。

思い出のQSLカード
収集したQSLカードは一枚一枚に思い出のあるものばかりです。SWLへもQSLカードを返信いただいた各局に感謝しております。そのなかで一枚をご紹介するとなるとUK0KAAでしょうか。ソ連時代のクラブ局でAS-027 Wrangel島です。QSLを得るのに苦労があったということではなく、1976年12月にロシア国内QSOをしていたところをたまたま受信して、往復ともにビューロー経由で届いたカードをみたら思いがけず珍しい島だったというものです。当時のソ連局のQSLは絵ハガキに自局コールサインとデータ欄のゴム印を押したものが多かったなかで、活字印刷のカードだったことも印象的でした。ちなみに、私が次にWrangel島を聞いたのは実に39年後、2015年9月のRI0KVでした。


UK0KAA局から頂いた思い出のQSL(SWL)カード AS-027 Wrangel島

以上、今月はSWLで長年IOTAを楽しんでおられますJA4-4665杉原さんに、SWLでのIOTAの歴史~現代に至るまでのお話を、SWLならではのIOTAチェイシングエピソードやSWLでのコンテスト参加のアドバイスなど含めてご執筆頂きました。ハムとして、「SWLカードが届くと言うのは誇りですよ」と先輩OMさんにお聞きしていましたので、日本を代表されるSWL局であります杉原さんから、私が島移動をした折にSWLカードを送って頂いて、本当に光栄で嬉しかったのを今でも鮮明に覚えております。今、現在JAでSWL IOTAを楽しまれている局は杉原さんのみとなってしまったとお聞きして、少々寂しいです。ぜひSWLで無線を楽しんでおられる各局さま、IOTAチェイシングを始めてみませんか?諸事情によって電波を出せない各局さまも、これを機会にSWLでのIOTA参入してみませんか?ワッチで世界の島めぐりへの参加を心よりお待ちしております。素敵なレポートをありがとうございました。

来月は、最近IOTA100を達成されました、JG8IBY鍋谷さんに、流行りのデジタルモードJT65などを駆使してIOTA100到達へのエピソードや苦労話などのお話をレポート頂く予定です。どうぞお楽しみに!

IOTA申請に関する情報は、IOTA CP JAのJA9IFF中嶋さんが日本語でHPを開設しています。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ja9iff/iota.html

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次号「月刊FBニュース2017年11月号」は 11月1日(水)と15日(水)に公開予定

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