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広げよう“IOTA”の輪 ~ONE PIECE of IOTA~

その8 V6J(OC-226)ミクロネシアMokil島IOTAペディション報告 (JA3FGJ 平林氏より)

JP3AYQ 眞田真由美

こんにちは。JP3AYQ眞田真由美(Mami)です。ご縁あって月刊FBニュースにIOTA関連の記事を連載させて頂いております。

今回で早くも第8回目となりました。12回シリーズの連載も後半戦ですが、皆様にIOTA情報を楽しんで頂けていましたら幸いです。少しでも多くの方に、IOTAの魅力や楽しみ方を知って頂けるように、色々な視点からIOTAチェイシングのノウハウ、体験談や苦労話・移動レポートなどIOTAの魅力たっぷりなレポートを頂いて繋げて行きます。IOTAは世界の島々を電波で巡るアワードです。あなたも一緒に電波で島への旅に出かけませんか?はまると楽しいIOTAです!

さて、前回はJG8IBY鍋谷さんにIOTA100を申請されるまでの苦労話から今流行のデジタルモードを使ってのIOTAチェイシング話やDX交信の楽しさなどの素敵なレポートをご執筆頂きました。如何だったでしょうか?今頃は壁にIOTA100の賞状が飾られている事と思います。

さて、今月は帰国ホヤホヤ!我らのV6JチームのリーダーJA3FGJ/V63GJ平林さんにレアIOTA移動記をご執筆頂きました。私、Mamiも同行させて頂きましたが、何故レアIOTAとなるのか?身を持って実感させて頂きました。帰国早々ですが、早速V6J(OC-226)ミクロネシアMokil島IOTAペディション報告をまとめてくれましたので、皆様も一緒にレアIOTAへの旅を楽しんで頂けたらと思います。では、どうぞお楽しみください。


電気も飲み水もなーんにもない島ですが、青い空、青い海、そして暖かい島民の皆様、素晴らしい島でした!

V6J(OC-226)ミクロネシアMokil島IOTAペディション報告

JA3FGJ/V63GJ 平林歳章

皆さん、JA3FGJ平林です。今回JP3AYQ眞田さん、JJ3CIG眞田さんのご主人の3名で、当初、本年6月24日~29日6日間の予定が、実際には7月1日~7日までの7日間となりました表題のIOTAペディション奮戦記を紹介させていただきます。

『動機』
私は京都府在住ですが、縁が有ってNDXA(奈良DXアソシエイション)へ入会させて頂きました。先輩メンバーのJA3UCO細川OMからIOTAハンティングに関して興味あるお話をたくさんお聞かせ頂き、そしてIOTAチェイサーの勲章でもあるボクシングのチャンピオンベルトを思わせるIOTA750の盾も見せて頂きました。私はDXハンティングに行き詰まっていた時期でしたのでIOTAによりHAMライフに再び火がつき、2006年には、いままで集めていたQSLカードを整理し、IOTA500を申請、その後、年間30~50のペースで増やし続けることができました。

IOTAは、全世界に1100を超える島々がありますが、当然300~500くらいの島とのQSOを超えると、後の残りはほとんどが移動運用によるものが中心になります。中には10~15年に一度の運用や上陸が難しい無人島もあります。IOTA移動は少人数、小規模での運用が多くあります。小さな島へは自家用飛行機、小型船によるものもあり、当然キケンも付き物です。また、現地の島では電源の確保が結構難しく、発電機やバッテリー運用もあります。IOTAチェイシングを楽しめるのは、これらのペディショナーHAMの苦労のお陰です。本当に感謝です。定年退職後、どこか珍しい島へ移動運用してみたいとの想いがあり、アンテナ、トランシーバ、リニアアンプ等、飛行機の移動用に使える軽量小型のものを準備しておりました。

一昨年にNDXAへ入会されたIOTAチェイサーであるJP3AYQ眞田さんから、太平洋の島へ行きませんかとのお誘いを頂きました。眞田さんはスキューバーダイビングで太平洋の数多くの海や離島を経験されておられるベテランです。また、海外での運用は米国のHAM免許を取得した方が良いと、そのお世話までして頂き、さらに今回の移動に必要な飛行機やMokil島へ貨客船の手配、V6無線局免許の申請まで手伝って頂き、その行動力には感謝しています。今回一番の離島へ渡る心強い支援は、眞田さんのお知り合いの、現地在住スキューバーダイビングの日本人インストラクターの方に島の村長への連絡等のコーディネートして頂いた事です。


IOTA750 盾


V6J 無線局免許状

『Mokil島に決定の理由』
OC-226はIOTAクレジット率11.9%(IOTA申請者全部を100としたOC-226のクレジット割合)となりMicronesia(V6)のIOTAでは15ある島の中でレアな島の部類です。私は2007年にI2YDXによるV63DTとすでに交信しておりまして、多くのJAのIOTAチェイサーの皆さんもすでにQSO済みで需要はあまり無いと思われましたが、世界的にみるとまだまだ大きな需要があることでした。コーディネータから、格安運賃の国営貨客船の運行が年2回あるとお聞きしMokil島行きを決定しました。

参考 Micronesia連邦の各島のIOTAクレジット率は下記のとおりです。

『Mokil島の位置』
http://www.iotamaps.org/

ミクロネシア連邦はYAP、CHUUK、POHNPEI、KOSRAEの4州(島群)からなります。今回のIOTA移動OC-226はPohnpei島から東へ約160kmの離島であるMwoakilla環礁です。(現地の方はMokil Islandと呼んでいました)

周囲2.8kmの1つの環礁の中に3つの島があります。私たちの移動先は東側の住民が定住している有人島ですが他の2島は無人島で、蚊やイグアナなどが多く生息する島だそうです。

『Mokil島へのアクセス』
今回の運用は昨年の春から計画しており、飛行機で関空→Guam経由Pohnpei島へ、そして年2回の春と秋にあるPohnpei~Mokil Is.間の国営貨客船を使う計画でした。まずは秋の便の予約を計画しましたが実際の出港日が決まらず、結局正月をまたいだ年末出港となったため、諦めざるをえませんでした。この船の航路はPohnpei島よりMokil島を含め3か所の離島を順次廻って行きますのでMokil島で5日間の滞在後、戻ってくる同船に乗ってPohnpei島に帰還できる計画でした。

春の便も中々連絡がありませんでしたが、急に6月23日に出港するとの連絡が入ったため、関西空港を6月20日に出発して6月22日にPohnpei到着し、出港に備えホテルで待機していました。しかし、同船による病人輸送、さらに優先荷揚げのコンテナ船が先に入港、加えて雨による積み荷が出来ないなどの予想外の出来事があり、貨客船は一週間遅れの6月30日にようやく出港となりました。


(左)国営の貨客船(Micronesia Navigator号)、(右)ポンペイ港より貨客船に乗り込む人々


乗船証明書
RSGB IOTAプログラムの要件としてその国のアマチュア無線免許、その島へ上陸許可、証明などの要件があります。

今回は予め作っておいた乗船証明書に、国営貨客船Micronesian Navigators号の船長にサインをしてもらいました。

これをIOTA Validation teamのK3EST Bobさんに提出し、IOTAクレジットを受けられる証明をいただけます。

この時点ですでに出航が7日間も遅れたため、帰国のPohnpei島~Guam間飛行機の再予約が難しく、そして途中でまた貨客船が遅れる可能性もありましたのでMokil~Pohnpei間は日程の確実なチャーター軽飛行機で帰還し、発電機などの重量物は別便で船を使ってPohnpeiのコーディネータへ送る手順をとりました。


(左)チャーター軽飛行機(5人乗り)、 (右)離島証明(チャーター機の領収書)

Mwoakilla環礁全景

今回のIOTAぺディション移動で一番痛感したのは目的の島へ渡ることの困難さです。今回のように運賃の安価な国営貨客船の場合、運航予定表があっても、実際は予定どおりの運航は難しい状況でした。IOTA的にレアな島ほど目的の島へ渡ることが難しいと思います。

次回はもっとキチッとした計画が必要なことを実感しました。発電機や重量物を先に送付できれば、チャーター飛行機や船で体だけ行くのが理想的と思います。

『Mokil島へ上陸』
同船は6月30日の夕刻6時に出港し、翌日の朝5時に到着しました。Mokil島は環礁のため遠浅になっているので外洋用の大型船は近づくことができません。前もってコーディネータからの連絡で島の村長さんが小舟で迎えに来てくれていました。発電機、スーツケースなど積み込み島へ上陸、ガソリンなどの50ガロンのドラム缶はクレーンで小舟に積み込みをしていました。


(左)貨客船から上陸、荷物は手作業で小型船へ、(右)スーツケース×3、小型ケース×3、リュック×3、アンテナ資材、米、飲料水、ガソリン発電機など一式


(左)メイシンチーフ(村長)とJP3AYQ、(右)村の集会場の2階部分をシャックとして借用しました

上陸後は、まず島のチーフと呼ばれている村長へご挨拶、日本からのお土産の進呈、宿泊場所、無線部屋、アンテナ設置位置についての相談と提供のお願いに行きました。その後、手近なところにある廃虚の屋上へのアンテナ設置をお願いし、雑木を伐り出して、20m用2エレVDAアンテナの設置をしました。

当地は人口80名の小さな島で商用電力はありません。発電機はPohnpei島で予定通り、NDXAをはじめ皆様から頂いたドネーションで購入できました『YAMAHA 2.6kW』を使用し、眞田さんによる第一波CQ(CW)でV6Jの運用をスタートしました。

『アンテナの写真』


(左)20m用2エレVDAアンテナ、(右)17m用2エレVDAアンテナ


(左)30, 40m用GP、(右)OP:V63YL/JP3AYQ

『アンテナ設置』
その後、30, 40m用のフルサイズGP, 17, 15m用の2エレVDAの設営を進め、現地は気温30度を超える暑さの中で全てのアンテナ設置を終了しました。島民の方から採れたてのココナツジュースの差し入れがあり、一息を入れつつ運用開始しました。

『結果』
運用開始直後はJAからの怒涛の猛パイルが発生。今回のペディションはIOTAサービスにも関わらず、大勢の皆さんに呼んで頂き大変な思いで到着した疲れが吹き飛んだ形になりました。本当に日本にこんなに大勢のIOTAファンが おられるとは思いもよらず大感激でした。

開局から2~3日間はJAから呼ばれる事が多かったですが、その後JAの間をぬって、たくさんドネーションを頂いているEUやNA向けにCQを出しました。コンディションの関係でEUは東方面が多かったようです。

『運用の時間帯』
海外から世界に向けての運用は初めての経験だったため運用時間帯などの見当が付かず、ましてや太平洋からのコンディションは想像もつかない状態でした。ただ一つ、EU方面は、JAからカリブとQSOするような位置関係になるのではないかと想像できます。そこでCQ誌でおなじみのVOACAP Onlineでチェックし、各方面別の時間割表を作成し対応しました。

JA-V6間は常時どこかのBANDでPASSがある状態です。実際現地ではPASSのある時間帯では599++で入感し、多くのJAとたくさんQSOさせていただきました。

EU, NA東部方面はカスカスの入感状況でしたが、現地の電気ノイズはほとんど無く、AF VRゲインを一杯にしてやっと聞こえる程度でした。

パイロット局としてJJ3PRT青木OMに1日1回、定時連絡をお願いしていました。V6J側の情報をQRZ.comへ更新。またDX局からの要望を伝えて頂き、運用時間帯のコントロールもしていました。電話もネットもない島ですので、たいへん助かりました。青木OMには大感謝です。

『QSO結果』
合計 3,311 (内訳 JA 1,352、 EU 1,140、 NA 585、 その他 234)

『設備』
アンテナ
20m用2エレVDA, 17, 15m用2エレVDA, 30, 40m用GP 全てフルサイズ(スパイダーポール 3本使用)
リグ
FT-991+KPA-500リニア
FT-857・・・RTTY、JT65
IC-7000+自作500Wリニア

『オペレーター』
V63GJ/JA3FGJ、V63SS/JJ3CIG、V63YL/JP3AYQ
JAパイロット JJ3PRT

『反省』
今回のIOTAペディションでの反省点について、眞田夫妻とも振り返ってみましたが、やはり目的の島までのアクセス計画を慎重に立てる必要があったことにつきます。場合によっては目的の島を目前に帰国をやむ得ない状況がいくらでも発生することまで考慮して計画する必要があります。

離島での活動はコミュニケーションがとれる現地コーディネータがやってくれますが、今回はコーディネータが初めて行く離島だったこともあり、貨客船の遅延等アクシデントの連続でした。結局、コーディネータは次の仕事の関係で同行することが出来ず、Mokil島へは我々3人のみでの冒険チャレンジとなりました。現地との連絡など綿密な計画が必須なことを身をもって体験しました。

以上、今月は去年から計画して、やっとの思いで辿り着きました近くて遠い「V6J」OC-226ミクロネシア Mokil島レアIOTA移動報告をJA3FGJ/V63GJ平林さんにレポート頂きました。帰国後早々でお疲れのところ、素敵なレポートありがとうございました。当初の予定よりも船が1週間も遅れ…クレジットカードや日本円はほとんど使えませんのでどんどん手持ちのお金もなくなり、もう行けるのかどうかも不安になりながら、やっとの思いでMokil島へ辿り着きました。しかし、辿り着きましたMokil島は、なーんにもない所でしたが、人々はとても温かく、青い空と青い海に囲まれたまさに南の楽園でした。大変な苦労がありましたが、メンバー3人とも行って良かったの一言です。またいつか、Mokil島へ帰りたいと思います。V6Jでは、来年もまた他のミクロネシアレアIOTAへの移動を計画しております。どうぞお楽しみに!

IOTAアワードでは、ご自身による移動運用でもワンカウントされます。従って私はOC-226から運用しましたので、1UPとなりました。ぜひ電波で世界の島めぐりに加えてご自身の島移動でのIOTA島廻りしてみませんか?IOTAアワードへの参加を心よりお待ちしております。

来月は、7月の15-16日に行われました関西ハムフェスティバルのIOTAブースの取材を私JP3AYQからお届けさせて頂きます。今回はIOTAブースの片隅にV6Jの活動報告の場所も少しお借りすることも出来ました。どうぞお楽しみに!

IOTA申請に関する情報は、IOTA CP JAのJA9IFF中嶋さんが日本語でHPを開設しています。ご質問・お問い合わせはお気軽に!
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ja9iff/iota.html

V6Jチームでは、皆様のドネーションで購入しました発電機をポンペイ島にキープしています。今後数年かけてミクロネシアのレアIOTA廻りをしようと計画しております。移動リクエストなどありましたら、メールを頂けましたら次回の移動の参考にさせて頂きます。よろしくお願いします。皆様の暖かいご支援もお待ちしています。詳しくは↓のリンクをご覧ください。
https://www.qrz.com/db/V6J

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次号「月刊FBニュース2017年11月号」は 11月1日(水)と15日(水)に公開予定

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