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今年の「ハムフェア」は中止、「東海ハムの祭典」はオンライン開催に

JARL(一般社団法人 日本アマチュア無線連盟)は、今年10月31日(土)と11月2日(日)の2日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)での開催を予定していた「アマチュア無線フェスティバル ハムフェア2020」の中止を発表した。またJARL東海地方本部は8月23日に名古屋市公会堂(名古屋市昭和区)で開催する「第52回 東海ハムの祭典」を“オンライン開催”に変更することを告知した。

秋の「ハムフェア2020」は史上初の“開催中止”を決定


昨年開催された「ハムフェア2019」の会場風景。のべ42,000名の来場者で賑わった

ハムフェア(アマチュア無線フェスティバル)は1977年から毎年夏または秋に開催されている、日本のアマチュア無線界における最大規模のイベント。過去には東京・晴海の国際見本市会場、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開かれたことがあるが、2002年からは東京都江東区の東京ビッグサイトが会場になっている。ここ数年は来場者・出展者数は右肩上がりで、昨年の「ハムフェア2019」は222団体がブースを出展し、2日間開催となってからでは過去最高となるのべ42,000名の来場者で賑わった。


昨年の「ハムフェア2019」会場でIC-705を発表したアイコムのブース。新製品プレゼンテーションに注目が集まった

今年は東京ビッグサイトが東京オリンピック・パラリンピックのメディアセンターとして使われることから、通常よりも2か月遅い10月31日(土)と11月1日(日)の開催とし、5月上旬から出展者の申し込みが行われてきた。ところが、新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言が出たことなどが影響し、出展申し込みの出足が悪く、募集期間を6月30日まで延長。最終的には昨年比で1割少ない約190ブースの申し込みがあったという。

しかし緊急事態宣言が解除された後も、新型コロナウイルスの感染者が増加し、収束を見通せない状況であること、政府などが定めた感染防止と安全確保の対策を講じたとしても、来場者や出展者への安全確保が困難であることから、7月16日に開催された「アマチュア無線フェスティバル実行委員会」(委員長: JE1KAB 日野岳 充氏)で検討の結果、中止が決定し、7月20日に下記のような告知が会長名で行われた。


「アマチュア無線フェスティバル ハムフェア2020の開催中止について」

 2020年10月31日(土)・11月1日(日)の開催に向けて準備を進めておりました 「アマチュア無線フェスティバル ハムフェア2020」につきましては、7月16日にアマチュア無線フェスティバル実行委員会を開催し、開催の可否について検討しました結果、現在も新型コロナウイルス感染症の収束を見通すことが出来ず、政府や東京都の感染防止対策並びに東京ビッグサイトから発表された「展示会等における新型コロナウイルス感染防止のための対応指針」に従い安全確保について対策を講じても、来場者及び出展者の皆様への新型コロナウイルス感染症の感染防止並びに安全確保が困難であり、ハムフェアの開催は中止すべきとの結論に至りました。
 ついては、大変残念ではありますが、ハムフェア2020の開催は中止することといたしましたので、お知らせいたします 。

 なお、来年度の開催につきましては、オリンピック・パラリンピック延期により開催時期等が未定でございますが、日程・会場が決まり次第、案内させていただきます。
 今後とも何卒ご協力をいただきたくよろしくお願い申し上げます。



出展予定者に「ハムフェア2020」の開催中止を報告する、ハムフェア実行委員会からの手紙

ハムフェア43年の歴史の中で開催中止は初。今年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、北米最大の「デイトン・ハムベンション2020」(5月開催予定)、欧州最大の「HAM Radio Friedrichshafen2020」(6月開催予定)もそれぞれ中止になっている。

8月23日の「第52回 東海ハムの祭典」はオンライン開催に変更

日本国内でも「第19回 西日本ハムフェア」、「第25回 関西アマチュア無線フェスティバル」をはじめ、各地の「ハムの祭典」、「フィールドミーティング」、「JARL支部大会」などが次々と中止や来年への延期を発表する中、8月23日(日)に愛知県名古屋市で行われる「第52回 東海ハムの祭典」(共催: JARL東海地方本部、東海ハムの祭典実行委員会)は、万全の感染予防対策を取った上で予定通り開催する方向で準備が進んでいた。


昨年開催された「第51回 東海ハムの祭典」の会場風景。シンガーソングライターのMasacoさん(JH1CBX)が中部大学手話サークルとコラボレーションでミニコンサートを行った

しかし7月下旬以降、愛知県も新型コロナウイルスの感染者が急増していることから、7月25日に行った会議で、今年は「オンライン開催」に変更することを決定した。

実行委員会によると、会場で行う予定だった「実行委員会企画展示」、「一般展示」、「純粋展示」、「ビジネス展示」はすべて中止し、JARL関連窓口(会費納入など)開設と、特別記念局(8J2TKI)と体験運用臨時局(8J2YAA)の運用のみを行うという。

さらにオンラインツールを利用して「東海ハムの祭典・JARL愛知県支部大会式典」、「東海QSOコンテスト表彰」、「アマチュア無線に関する講演会」、「ミニコンサート」などをインターネットで配信する計画だ。実行委員会は『名古屋市公会堂をメインスタジオとし、参加者はインターネットを介して場所を選ばずどこからでも参加いただけます「日本初! オンライン・ハムフェア」です』とPRしている。視聴方法やプログラムなどは今後発表される。


日本初の「オンライン・ハムフェア」をPRする、東海ハムの祭典実行委員会の案内ポスター

このほか、隔年秋に北海道札幌市で行われるJARL北海道地方本部主催のイベント「北海道アマチュア無線セミナー2020」(今年は11月8日開催を予定)も、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止が決定した。この結果、今年は広い会場にアマチュア無線家が集合する大規模な無線イベントの、ほぼすべてが中止または来年に延期という異例の年になってしまった。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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