アパマンハムのムセンと車
2024年7月16日掲載
連載22回目となります。この原稿を書いている時、ちょうど6m AND DOWNコンテストが開催されています。私も所属しているクラブ局から参加しました。
本格的なSHF帯トランシーバーであるIC-905が世に出てから初めての6m AND DOWNコンテストになりましたが、昨年までと比べても、かなりにぎやかだったのではないかと思います。参加された皆様の地域では、いかがでしたでしょうか?
話題のIC-905(アイコム株式会社Webサイトより)
先日から感じていたことですが、2.4GHzはアマチュア無線が二次業務になっています。実際に2.4GHzをワッチしてみるとわかりますが、無線LANに占領されているような状況です。今までも2.4GHzのトランシーバーは市販されていましたが、実際に使ってみて同軸ケーブルロスのためか、はたまたSメーターの特性の違いなのか、常にSメーターが振りっぱなし、というような気になることはありませんでした。
今回運用して気付いたのは、無線LANの信号を超えて入感してくる局でないとQSOはできない! ということでした。今までもQSO出来ていたのは、単に信号の強い局だけしか聞こえてこなかったからのようです。私たちのクラブ局でも、最初はIC-905が悪者(?)になっていましたが、後からこのことに気付いた次第ですhi
今まではFMが中心でしたが、せっかくのオールモード機なのでSSBやCWを活用してみるのも一手ではないかと思いました。まあ、430MHz以上のバンドでは、フォーンはFMだけ、みたいな状況です。SSBでコンテストをやってる方がいらっしゃらないのでは? と思うくらいです。その割にはCWバンドはすごい(CWナローフィルターが必要なくらい)ですけどねhihi。逆にいえば、FMのハンディ機やモービル機しか持っていなくても、430MHz以上ならコンテストを楽しめる! ってことになります。
FMモービル機でもコンテストできます! IC-2730(アイコム株式会社Webサイトより)
話を戻しますが、2.4GHzを存分に楽しむには、人里離れた山に行って運用するしかないのでは? と思います。
人里離れた山奥なら2.4GHzも楽しめる?
さて、我がクラブでも本格的にコンテストで5.6GHzに向き合ったのが、今回が初めてになります。結果的には2.4GHzを上回る結果(局数もマルチも)が得られました。RF部分がアンテナ直下にあるメリットが存分に発揮されたのではないかと思います。無線LANの影響もほとんど感じませんでした。
当初の予定では2.4GHzで相手をみつけて、5.6GHzへQSYしていただき、点数をかせごうと計画していました。しかし無線LANの影響で、2.4GHzで相手を見つけるのが難しい状態。逆に5.6GHzで相手を見つけて2.4GHzでQSOしていただく形になってしまいました。それでも5.6GHzでQSOできた相手が2.4GHzでは無線LANにかき消されてQSO出来なかったことがありました。
こう考えると、2.4GHzは無線LANの影響できびしいところがありますが、5.6GHzは十分に使える(少なくてもコンテスト中は)という印象になりました。コンテスト以外でももっと活用されてもいいバンドじゃないかな? って思ってます。(でもコンテスターの皆さんは、設備はあっても普段はなかなか出てこないからなぁhi)
自分では持ってないIC-905ですが、実際にモービル運用する場合の取り付け等を考えてみました。
まず、RFユニットはどこに取り付けるのか? 今までならトランクや荷室などに設置し、アンテナまで同軸ケーブルを伸ばす、というのが一般的なスタイルですね。もちろんIC-905でもそれは可能でしょうが、特にトランクの中だとGPS信号が受信出来ない可能性があります(GPSアンテナを車外に出せれば話は別です)。荷室や乗員席だと、ガラス面があるならGPS信号は入ってくると思います(携帯のGPSが使えている状況を考えると)。
では、どこがベストポジションなのか? 私はルーフキャリアを設置して、そこにアンテナとRFユニットを載せてしまうのがベストと考えます。せっかくの防水機構、下手な同軸ケーブルより細く柔らかいLANケーブルでの接続で、車内への引き込みも容易だと思います。アンテナに関しては、固定用のコリニアタイプしかないと思います(モービル用はすでに生産終了しているみたいです)。
となると取り付けを考えると、ルーフキャリアにクロスマウントで固定する方法しか、簡単にできる方法はなさそうに思います。2.4GHzや5.6GHzは市販のモービルアンテナはないようですので、無線LAN用アンテナを流用することが多いと思います(ホイップではないコリニアアンテナなので、走行中は使いにくいかも?)。
キャリアも、システムキャリアよりも大型のキャリアのほうが、自由度が高いのでおすすめできます。キャリアにRFユニットを直接取り付けます。マストに取り付けできるようになっていますので、少しの工夫は必要でしょうが、簡単に取り付けはできると思います。
キャリアはこの写真のタイプがベスト
RFユニットからアンテナの配線は、「できる限り短く」が基本です。セミリジットケーブルやセミフレキケーブルなどを使い、うまく配線をしてください。室内にはコントロール部分を取り付けます。こちらの取り付けはIC-705のノウハウが生かせると思います。
ただ、コントロール部も意外に発熱しますので、風の流れには注意したほうが良いと思います。間違ってもヒーターの熱風が直接かかることのないようにしたいものです。無線LANを避けて思いっきり運用するには、アウトトア運用がいいかも?(FDも近いしねhi)。これなら手軽に移動できますし、ビームアンテナを持っていく場合でも、ルーフキャリアを利用して建てることも可能です。
ルーフキャリアを使ってビームアンテナを建てるためのマスト。釣り竿アンテナ用としても使える
一般的に、温度の低い冬のほうがバッテリーには厳しいと思っている方が多いです。実は車を専門にメシの種にしている私も、そう思っていた時期がありましたhi
実際には、夏もバッテリーに関しては厳しい季節なんです。
バッテリー管理は大事ですよ!
夏場に私が実際に経験したことをお話したいと思います。私は昼飯を買いに弁当屋さんに車で出掛けました。乗っていった車はちょっとくたびれた車でしたが、バッテリーは全然元気で、それまでもセル一発でかかっていた車です。買い物して帰ろうとしたらセルが回りません! 前述のようにバッテリーが弱っているような雰囲気は一切なかったので、キースイッチあたりが壊れたんじゃないかと思ったくらいです。
冬は弱々しくセルが回るとかありますのでわかりやすいですが、夏はいわゆる突然死するので全く予測できません。最終的に、少し離れたところにいる知人の整備士に助けてもらいました。感謝です。いま思えば、JAFに入っていれば良かったんでしょうけどねhi
対策としては、定期的にバッテリーを交換する、ジャンプスターターを携行する(ブースターケーブルは電力をもらう相手が必要なので単独時は無理)、JAFや自動車保険のロードサービスを活用する(時間が無駄になりますが)等が考えられます。
ジャンプスターターの例 今話題のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使っている
バッテリーは正規の物は高いですが、Amazonやヤフオクなどで安いバッテリーが売られています。また、数は少ないですが再生バッテリーも流通しています。安くてもいいので、定期的に(出来れば年に1回程度は)交換されることをおすすめします。最近の猛暑で、ふと気がつきましたので、書いてみました。
まだ暑い日が続きますが、熱中症にならないように気を付けてアマチュア無線ライフを楽しまれてください!
熱中症にならないよう、移動運用時には水分補給を忘れずに!
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