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日本全国・移動運用記

第23回 神戸市移動

JO2ASQ 清水祐樹

神戸市は9区から構成されており、海に面した市街地と、山のある地域が近接している地形です。移動運用に適した山がある区は、コンテストなどで移動局がよく出ています。その一方で、運用場所を探すこと自体が困難な区もあります。そこで、短時間で神戸市のいくつかの区を回って移動運用する計画を立てました。

筆者は普段の移動運用ではCW(電信)を中心にオールバンド運用をしていますが、今回は趣向を変えてRTTYで運用することにしました。

海岸の公園で運用開始

土曜日の早朝、まずは灘区の海岸で運用場所を探していると、駐車場付きの公園を発見しました。近くには工業団地があり、ノイズの発生が心配されるものの、距離はそれなりに離れており、また土曜日の早朝とあってノイズの心配は無さそうです。あとはコンディションの上昇を待つばかりです。この日は早い時間から10MHzがよく聞こえていました。

続いて中央区の海岸付近に移動しました。工業団地の中に、海辺のすぐ隣に駐車できるスペースがあり、釣り客が陣取っていました。そこで邪魔にならないよう離れた場所で釣竿アンテナを設置して運用しました。6月の朝は、午前8時近くになると7MHzが安定して強力に聞こえます。CQを出すとたちまちパイルになり、1局30秒ペースでサクサクとQSOが進みました。

コンディションの影響が大きいRTTY

続いて兵庫区に移動し、海辺の広いスペースに駐車して運用しました。ここでの運用中に伝搬のコンディションが悪くなり、7MHzの近距離がほとんど聞こえなくなりました。こうなると、交信にある程度の信号強度が必要なRTTYではあまり呼ばれなくなります。私の信号の存在は確認できたけれど、信号が弱すぎて文字化けになり、呼べなかった方も多かったと思われます。

RTTYでは伝搬のコンディションに大きく左右されるため、例えば移動運用で7MHzだけを準備していると、伝搬の状況によっては交信の機会が少なくなることが考えられます。3.5MHzや10MHz、あるいは本格的なアンテナで50MHzが運用できるようにすると、交信の機会が格段に増えます。

同じ公園の中でもノイズレベルが違う

須磨区にある、広い公園の駐車場で運用した時のことです(写真1)。ノイズを避けようと駐車場の中で最も海岸に近い駐車枠に駐車しました。ところが、ワッチを開始するとバンド全体に強力なノイズが入ってきました。海岸といっても係留中の船舶や、車両の通行、さらには高圧送電線などもあるため、ノイズ発生源が皆無とは言えません。その場所ではノイズレベルが高くて運用できないため、国道や民家に近い空きスペースに移動した所、ノイズは無くなりました。同じ公園内でも数10m動くだけでノイズレベルが異なることが分かりました。須磨区ではノイズの無い場所を確保できたことで、ハイバンド、特に21MHzは多くの局とQSOできました。

短い電文の一工夫

一般的なRTTYのQSOでは、電話や電信のラバースタンプQSOや、平文(略語を使用しない通常の文体)での交信が行われることがあります。しかし、移動運用では短時間に多くの交信をこなす必要があるため、必要最低限の電文だけで交信するようにしています。

周波数帯や運用場所を変えながら、同じ局と1日に何10回もRTTYでQSOをすると、さすがに飽きてきます。そこで、電文に一工夫を凝らしている局がいます。例えば最後の別れの挨拶で、RTTYの電文では、ARIGATOU、MAIDO、OOKINIなどのバリエーション、さらには(使える文字は限りがあるものの)顔文字風のメッセージを送ってくる局もいます。こういった状況に即興で対応することも、RTTY移動運用の面白さの一つです。

RTTYの運用で使用するアンテナ

RTTYでは通信方式の都合上、信号の強度がある程度必要なため、アンテナはできるだけ長く、利得の高いものにする必要があります。都心部などアンテナを設置するスペースが確保できない場合、垂直型で長さが十分に確保できるアンテナが適しています。そこで、7~50MHzのCWで普段使用している長さ2.5mの釣竿アンテナ(記事は2013年4月号)に加えて、7~18MHzに対応した長さ3.6mのアンテナを新たに製作して使用しました。このような設計思想のアンテナは市販品が無いため、自作することにより市販品のモービルアンテナ・移動運用専用アンテナを大きく上回る性能を得ることができます。

アンテナの設置スペースと、設置・撤収の時間に余裕があれば、ローディングコイルを使用しない逆V型ダイポールアンテナなどを使うと、安定した交信ができます。

RTTYでマルチバンドの運用を行っている移動局は、アンテナのエレメントとして5~6mの釣竿に這わせたワイヤーか、同程度の長さのロッドアンテナを使って、アンテナ直下型のオートアンテナチューナーでマッチングして使用することが多いようです。車のボデーに良好なアースを取ることができれば、この方式でも十分な性能が得られます。

注意点として、エレメントが1/2波長に近い長さの場合、アンテナチューナーの種類によっては正常に動作しない可能性があります。どの運用周波数でも1/2波長にならないエレメント長(例えば6~7m)に設定するか、使用周波数によってエレメントの長さを切り替える対応が考えられます。


写真1 神戸市須磨区での運用の様子

注)上記写真の駐車場は、海水浴場に近いため夏場の利用には配慮が必要です

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