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Show and Tell

その3 ヘッドホン(イヤホン)偏狭オタクな考察

月刊FB NEWSのスタッフが自由奔放、気の向くままに書き綴る「Show & Tell」。話題はスポーツ、旅行、趣味など様々。第3回は、スタッフKによる「ヘッドホン(イヤホン)偏狭オタクな考察」です。

編集部 スタッフK

1.前書き

FBニュースのあるスタッフが、自分用のヘッドホンを購入しようかな、、とツイートした時に私がリツイートした画像です。内容は「さて、何個のヘッドホンが写っているでしょうか?」だったと思います。

これが縁で、今回、原稿を書くことになりましたが、この写真にあるようにヘッドホンも何個か映り込んでいますが、ヘッドホンは買い集めたオーディオ機材の極々一部です。ヘッドホンエージング専用アンプが中央(白枠のデジタル時計の直下)に写っています。

購入したての新品のヘッドホンは、音質が硬いです。って、分かりにくい表現ですがやはり硬く、音が前に出てきません。というのがピッタリした表現だと思います。

これから、ヘッドホン・イヤホンの話にたどり着くまで、私の独特なオーディオ機器マニアな考察について非常に疲れるお話しをします。本当に”偏狭なマニア”になったことから順に書いておりますので、ヘッドホン・イヤホンについての本文は、”6.ヘッドホン考察”から始まりますので、そちらからお読み下さい。

2.序章

小学生の頃(1965年頃)どこの電気店に行っても、そこが初めての場所でも、陳列を変更されていても「テレビ」がどこにあるか、直ぐに探し当てる”超能力”がありました。30歳弱位までそれは続きました。

”超能力”って言いましたが、実はテレビのブラウン管の偏向コイルから漏れている水平同期信号【15.734264kHz】が聞こえていただけなのです。でも、親は、なぜうちの子がテレビの場所を直ぐに言い当てることができるのかは、分からず「いつも、、凄いね、、」て褒めてもらえました。この音を表現すれば「キィーィーン」ではなく、更に甲高い「チィーィーン」というか、何ともいえない超々高音が聞こえていました。今風にいうハイレゾ域とは言いませんが、モスキート音を認識できていました。小学生の頃は、この「チィーィーン」という超々高音が爆音のごとく聞こえており、しばらくそこに居ると頭痛がするぐらいの強烈な音でした。

次は、超々低音のお話しです。小学校が夏休みになれば自転車で15分程かけ、大きな公園のプールに通い尽くめの毎日でしたが、ある日、その公園内で聴いたことのない大音量の低音というより低周波を聞いたのです。野外フェス的な催しものの準備をしている場面に遭遇し、重々低音を浴びました。服がビリビリ震え、お腹もズシズシと振動を感じるという迫力で、プールどころではなく巨大スピーカーに吸い寄せられました。何時間も巨大スピーカーの近くを自転車でグルグル走り回って、重低音が出てくるとスピーカーに近づくという、訳の分からない行動をしていました。

こういった、子供の頃に色々と経験した音に対する感動や記憶が、その後の音楽、音やオーディオ感に大きく影響したと思います。

聞こえてくる音に対して、非常に高感度な小学生の時に初めてヘッドホンを買って貰ったときの感動を今でもよく覚えています。なぜ、そんなに感動したかを順番にお話しをしないと、「偏狭なオタク」になったかが分からないので、話しを進めます。

当時、ステレオといっても、まだ、セパレート型が出始めた頃でした。自宅には4本足の家具のようなステレオがあり、重厚な天板を開けると中にレコードプレーヤーのターンテーブルがバネでボヨヨーンと浮いているような構造でした。TONEコントロールでBASS(低音)を利かせば低音は良く出ましたが、Treble(高音)を上げても「シィーーーィ」というホワイトノイズは大きくなりますが、音楽ソースの高音は余り出ない代物でした。スピーカーは前足の付け根ぐらいに2個ありましたが、それほどステレオ感はなく、アンプのエフェクト(リバーブ)を操作することで、どんな音楽ソースでもバネ式のエコーをガンガン利かせ残響音で透明感を演出することで、良い音風な音作りをしておりました。

ちなみに、中学1年生になり、生まれ初めて買ったレコードがアメリカ歌手「ナンシー・シナトラ」の「This Little Bird」で2枚目がイタリアの歌手で「Gigliola Cinquetti」の「La pioggia」です。3枚目以降も小中学生が聴くようなジャンルではない海外の曲を学校から帰ってきて、毎日飽きもせず聴きあさり、海外のポップスにドップリ浸かっていました。

音楽三昧の毎日でしたが、親には何時も「やかましいのでボリュームを下げなさい」って叱られていました。そこで、スピーカーから音を出すのではなく、ヘッドホンなら誰にも叱られずに音楽三昧ができると思い立ち、手に入れることにしました。一番最初に買って貰ったヘッドホンは、どっしりと重い、プラスチックのしっかりした容器の中にスピーカーが入っているので、外には音が漏れることもなく、思い存分、低音を利かせても誰にも怒られない状況となりました。

誰にも騒音で迷惑をかけないということで、ヘッドホンを買って貰ったのですが、いざ使い始めると「なんということでしょうか・・・」低音から高音まで、音域が素晴らしく広いではないですか。

高音側は、ちゃんとハイハットシンバルのうねりというか、響きがしっかりと、そこで鳴っているように聞こえますし、低音側のバスドラムのビーターがオープンかクローズかも分かるぐらいしっかり音が聞き分けられます。それに加え、ステレオ感っていうか、左右のアイソレーション(分離)がしっかりしており、空間固定点がくっきりと分かります。オーディオっぽくいうと、音像がしっかり定位しています。

今まで聴いていた家具のような大きなステレオから出ていた音は、一体何だったのか?というぐらい音が違いました。オーディオの神様が降臨された瞬間でした。これがきっかけで、私が「偏狭な音オタク」になった訳です。

3.ホームオーディオ

年は流れ、働き出してからも、水平同期信号【15.734264KHz】は聞こえていましたが、子供の頃に比べると幾分、穏やかに聞こえる程度に慣れてきたのかなと思ってました。

丁度、働き出したその頃(1975年頃)にオーディオブームが始まりレコードプレーヤー、FMチューナー、プリメインアンプ、オープンリールデッキ、スピーカーなど、単品コンポを組み合わせて、誰もが自分なりの”良い音”を求めて熱中していました。

しかし、当時のオーディオ専門誌に紹介され、非常に高い評価を受けた機器を試聴しても自分的には”良い音”ではないのです。何か違うのです。

音質が本当にがらりと変わるのは、レコード針かスピーカーで、これを変えると誰でも分かるぐらいの違いがあることは、素人ながら経験上知っていました。

オーディオ専門誌が推奨する機材でも、ボリュームを絞っても「シィーー」とホワイトノイズがそこそこ聞こえる程度のものやテープからのヒスノイズが気持ち悪い位出ているものもあり、なぜ専門家はこんなものを高評価しているんだって思ったことを鮮明に覚えています。逆に高音域が伸びておらず、透明感がない、詰まった感じがする機材でも高評価だったりと、それは自分的には”良い音”とはいえないと強く思っていました。

当時はインターネットもない時代でしたので、音に関する専門誌を読みあさりました。たぶん、オーディオ専門誌の有名な筆者は、そこそこ高齢の方なので超高音域を聞き分けられないので、高音域の伸びが悪い、詰まったような音質でも高評価するのだという事でそこそこ納得していました。

予想はたぶん的中。何故なら、オーディオ専門誌で良いとするスピーカーから出る、15kHz以上程度の超高音域が推奨機種によっては、よく出ていたり、逆に全く出ていなかったりと、バラバラでした。レコード針(実際はカードリッジの性能)も高価なものは超高音域までしっかり再生していましたが、安価なものは13kHzぐらいで頭打ちでした。

自分の納得する音を求めていた時、ヤマハのスタジオモニタースピーカーと言われるオーディオスピーカー「NS-1000M」に出会いました。しかし、二十歳そこそこの若造に買える値段ではありません、ステレオなので2本買うと当時の3~4ヶ月分の給与です。値引きも殆ど無く、でも数年掛かりで手に入れました。

40年以上経った今でも、毎朝音楽で私を目覚めさせてくれる愛機です。アンプは残念ながら数台入れ替わりましたが、スピーカーは現役で頑張っています。

このスピーカーにした決め手は、高域を再生するツイ-ターにベリリウム振動板を使っており、伸びやかな高域再生に優れていた点です。高域・低域とも周波数レンジが広く、当時よく比較されていたテクニクスのSBシリーズやダイヤトーンも自分好みの良い音であったのですが、やはり、シンバルの音色が金属音に一番近いという原音再生能力が良かったのが決め手になりました。しかし、逆に超低音域が弱いという問題もありました。そこで、超低音域だけ補強するため130Hz以下の専用アンプと専用スピーカーを自作して当時、楽しんでいましたが、やはり偏狭なオタクはそれで満足しませんでした。

4.プロオーディオ

「原音再生って、そもそも何??」「歌手が歌っているのをマイクで拾い、ギターも他の楽器もみんなマイクやトーンピックアップ等で音を拾って、アンプなどで加工されてからスピーカーから出てくる音を聞いている??」「これって、原音なの???」と言うことで、プロオーディオ「PA」の世界に入って行きます。

まず、殆どの場合マイクで音を拾いますので、そのマイクのハウリング防止を必ず行われます。一般に言われる「フィードバックディフューザー」って、結局グラフィックイコライザーで、ステージやホールの環境に合わせてハウリング対策をします。基本音質を確保するため、出来るだけ鋭利なノッチを挿入して、正帰還する部分だけをカットし、全体のバランスが崩れないようにします。全体のバランスは、PAの腕の見せ所です。


自宅の実験用プロセッサー類

人の声は、ひそひそ声だったり、叫び声だったりして、そのダイナミックレンジは機器の能力を遙かに超えるぐらい大きく変化します。マイクから入ってきた音声は「コンプレッサー」「リミッター」「ノイズゲート」って、いろんなプロセッサーを通って、加工されて聞こえてきます。それなら自身でPAの腕を磨かないと、ということで、年齢と共に収入も増えたので、それに合わせプロ用機材を少しずつ買い溜めて、一人でコソコソ、ニタニタと気に入るまで音作りの実験。


愛用しているミキサー類

実験をすればするほど深みにはまり、オーディオミキサーだけでも二桁以上買い換えながら、「これは、太い音」「これはノイズっぽい」「ヘッドホンを繋げると音質ががらりと変わる?」「パワーアンプへの出力と自前のヘッドホンアンプの特性が違うなぁ」、などなど、様々な違いを経験しましたが、「それじゃーどれが良い???」となると昔に感じたような感動がなくなっているではないですか。

スピーカーも12~16cmは、単発でも人の可聴域がちょうど良いということで、フルレンジのPAスピーカーを買ったりしました。30cmでは重低音が貧弱なので、SR用の38cmの大きなスピーカーを買っても「どちらも良い音だな」とは思うのですが、それ以上の感動は今やなくなっています。


試聴用の一軸SPとSRスピーカー類

5.良い音って、どんな音

いっぱいお金をかけて実験した末に、自分は何をしたいのかが分からなくなってきました。色んなエフェクターを繋いで、色々設定すると、「なるほど、このように変化するのか」とは分かるのですが、でも、「何も繋がなくても、そこそこ良い音になっているじゃないか」って事に陥ります。趣味ってそんなものなのでしょうね。最近ではそのような結論に落ち着きつつあります。

機材の聞き比べする時、ブラインドテストに於いて、全く同じ装置でも音量を少し大きくした方が、小さい音より殆どの方は「良い音」に聞こえます。この理由は、周波数の低い音ほど音量を上げるとより低く感じ、周波数の高い音では音量を上げるとより高く感じる現象を「ピッチ感覚」といいます。音楽再生装置等に「ラウドネス(LOUDNESS)」というスイッチが付いているものがあります。これは「ピッチ感覚」を補正するため、小さな音ほど低音・高音だけ補強するエフェクトで、これを使うと小さな音でも「良い音」風に補正することが出来るのです。

そんなこんなで、20~30歳代に読んでいたオーディオ専門誌で高い評価を受けておりました、高音域が出ないが中低音域が得意なスピーカー(機種名は名誉のため秘密)を中年になってから聴いたときに、当時ではどうしても納得できないショボこい音に感じていたはずが、それがそこそこ「良い音」に聞こえるようになっていました、、、「アーーァ、遂に高音域が中年おじさんの帯域しか聞こえないように成ってしまったか」という落胆の方が大きかったですが、致し方のない事実です。

という訳でここまで、なが~い前置きにお付き合い下さりありがとうございます。偏狭なオタクの音の考え型、基礎部分ついて、色々と説明をさせて貰いました。”良い音”っていうのは、人それぞれの好みです。ここからは、自分の好きな音が聞こえる、手軽に音楽を楽しめる機械の話をしようと思います。この後も客観的ではありません、非常に主観的な偏狭な内容です。結論として特に凄い意味をもっていないことなので、これより先を読まれるか、ここで止めるかは、自己責任でお願い致します。

6.ヘッドホン考察

ヘッドホン/イヤホンって、弾性波が外耳に直接伝わって、音波を聞いているのです。それ以外は、弾性波以外に球面波や平面波等が、鼻や口や頭蓋骨からも入ってくるので、雑音も一緒に聴いているのです。だから、マイクを口元に近づけて録音した自分の声は他人の声のように聞こえる訳です。スピーカーと違ってヘッドホン・イヤホンって、なんか凄い性格の音響機器なのです。

他の機材に比べると断然お安い部類に入るので、過去からたくさん衝動買いをしてしまう機材です。私は一時期、台湾や上海・深セン地区で勤務したことがありました。数百円~程度でそこそこ良いヘッドホンが手に入ることがあり、出張の度に5~6個を大人買いしていました。購入していたのはヘッドホンが中心で、耳に入れるイヤホンタイプはあまり買いませんでした。

ヘッドホンの形状からオーバーイヤー/オンイヤー、方式が密閉型/オープン型、ドライバー数がステレオ/サラウンド、ドライバー口径が小型~25φ/中型~45φ/大型45φ~と、まぁ~組み合わせるとたくさんの種類があり、どれにしたらと迷うので、みんなまとめて大人買いしました。

好みのヘッドホンは、
形状:オンイヤー
方式:オープンタイプ
ドライバー:40φ程度のステレオタイプ


ヤマハ株式会社のホームページから引用

形状的には、オンイヤーに比べオーバーイヤーは、ヘッドホンユニット/ヘッドバンド/スライダー等、それぞれのパーツがそこそこ存在感があります。頭に乗せている感、耳を囲む感があり、音楽を楽しむという前に”装備している”という感覚です。気合いを入れて音楽を聴くぞーっていう時は、一般的にコレもありかもです。過去にはPAのミキサーをする時は、遮音も含め装備感からオーバーイヤーを好んだときもありましたが、今は冬の防寒対策以外、使わないです。

密閉型方式は、遮音は良いのですが高音域の抜け感が悪く低音が出すぎると思います。高価な密閉型は、もちろん音のバランスもしっかりしており、遮音効果もあり、重低音もよく出ますので、お金をかける余裕があれば”アリ”です。

ドライバーの口径は、ヘッドホン自体の重量バランスを優先させるべきと思います。大型、50φ等はユニット自体の重量がどうしても重くなります。重低音が出しやすいというメリットもあるのでしょうけど、重低音は体で聴くもので耳に重低音は負担になると思います。

余談ですが、1980年位に流行ったハードロック喫茶、大阪にあった「ビートルズ」「イギリス」「マントヒヒ」等の店内では、店員の耳元で叫んでやっと注文が通るほど爆音が店内に響き渡っていました。店を出ると「ツゥーーン」といった感じで、ヘッドホンで重低音を響かせた後と同じ様な感覚です。ということは、90dB以上の激しい爆音を浴びているのに、ヘッドホンで聴く重低音はそんなに激しい音を聴いている感じがしないという・・・、考えれば耳の健康にとって恐ろしい事なのだろうと思います。ヘッドホンでは、くれぐれも大音量で長時間聴き続けることを避け、決して耳を壊さないように気を付けましょう。(最後に難聴について記述しています。)

音質以外にもお気に入りのヘッドホンを決める事について重要な事があります。高級なものは関係ないのですが、そこそこのものでは、
1.ヘッドホンのコードを叩いてみて、どれだけコードの音が伝わって聞こえるか?
2.頭を左右に動かしたとき、異音はないか?
3.ヘッドバンドを頭頂につけたとき、バンドが頭に均等に接触しているか?
4.イヤーパットの締め付けがキツくないか、均等に接触しているか?
5.音を鳴らさずに周囲の音を聴いて、空気が流れている音がしないか?
をみて下さい。音質だけでなく、使用感も大切です。

色々述べましたが、良いヘッドホンかどうかのボーダーは2万円です。値段相応より良いと思うのは2~5千円程度で、これだけ音を出せれば合格っていうのにはそこそこ出会いますが、1万円もしてこの程度かというものが多いのが実情です。メーカー神話や通販サイトの評価は、ただの自己満足ですが、その自己満足が最も重要と思います。ちなみに私の自己満足の仕方は、色んなヘッドホンを聞き分けて、ニタニタすることです。

7.イヤホン考察

次はイヤホンについてです。形状からカナル型/インナーイヤー型/耳かけ型、伝送方式は、有線式/ワイヤレス方式/フルワイヤレス方式があります。

好みのイヤホンは、
形状:カナル型
方式:フルワイヤレス方式

私の好みは、形状よりも耳に装着した時のホールド感でカナル型です。インナーイヤー型や耳かけ型は、どうしても密着感が薄いので隙間が開いてしまい、低音が不足します。また、その隙間から音漏れもしますので音量も上げられないという問題もあります。ヘッドホンの説明では、オープン型を好みと述べました。オープン型は、密閉型に比べ音漏れしやすいタイプです。自宅やPAのモニターで使う事を想定しており、電車や飛行機などの密室で使う場合は、必ず音漏れしない事を重視すべきです。

カナル型でも耳の形にピッタリ合うものなら問題ない様に思い色々試しましたが、残念ながらインナーイヤー型は合うモノが見つかりませんでした。

方式については、最近になり左右のドライバーもワイヤレス化が進み、完全ワイヤレス方式が便利です。完全ワイヤレス方式は、物理的に何にも繋がっておりませんので、どこかに片側だけ無くしてしまう恐れがありますが、それでもやはり便利さはピカイチと思います。数ヶ月毎に新製品が凄いスピードで出てきており、少し前の完全ワイヤレス型より更に小型化、長時間化が進んでいます。

ここ数ヶ月の内に4機種ほど買いましたが、一番最初に買ったものは、1時間程度しか電池が持ちませんでした。次に3時間程度電池がもつものをチョイスしましたが、若干、大きく更に最近になり、エルゴデザインの小型で3時間程度使えるものを入手しました。4機種目は、3機種目と機能は同じですがLEDがピカピカ光って面白いそうなので、追加購入しました。

ネット上のショッピングHPの口コミ評価では、そこそこ良い音の評価だったので購入したのですが、残念ながら、購入の4機種は音質ではなく、音は「それなり」に「良く出ます」程度です。


ソニー株式会社のホームページから引用

やはり音質を求めるなら、プレーヤとヘッドホンがワイヤレス方式になっていますが、左右のドライバーが有線式というイヤホンなら、そこそこ良い音が期待できると思います。

写真のイヤホンは、ノイズキャンセル機能もあり、飛行機・電車等、周囲の騒音レベルが高い時に非常に重宝しています。後ほど、ノイズキャンセルについても、体験談を述べます。
ここでも、音質以外にお気に入りのイヤホンを決めるための重要な事があります。
1.有線式は、コードを叩いてみて、どれだけコードの音が伝わって聞こえるか?
2.ワイヤレスの場合、電池の持ちが悪いのは致命的なので、十分注意。
3.人は、意外と汗をよくかく。特に、屋外での利用なら防滴・防水も必要です。
4.直接、耳に接触させるため、イヤーピースの替えが簡単に手に入るか?

以下は、買ってから分かることですが、
5.中国製の場合、左右の音圧(音の大きさ)が違う場合あります。プレーヤーは、左右の音量調整ができるのを用意しておく方が無難です。
6.ワイヤレス方式は、音遅延が大きいものがあります。音速は、340m/秒なので、例えば映画館でスクリーンから34m離れると0.1秒、音が遅れて聞こえます。

一般的に、音の遅延はこの程度までが限界で、それ以上遅れると違和感があり、希に0.1秒(100ms)以上の音遅延のワイヤレスイヤホンもあります。逆に音が先、映像が遅れる場合は、現実世界では起こり得ない現象なので、もっと厳しく数msの遅延が限界といわれていますので、音声より映像が遅れて気持ち悪いとき、ワイヤレスの遅れが有効な場合もあります。

ところで、イヤホンの汚れを落とすためにイヤーピース本体やパットをポンポンと手で叩く行為は止めてください。イヤーピースを爪で弾くなんて、とんでもない機械ショックを与えることになりますので、お止めください。裏技としてなんですが、イヤーパットはガムテープで簡単に掃除ができます。

8.ヘッドホン・イヤホンを使い続けると難聴になる?

今まで、音の発信や送信側について述べてきました。最後の章では、受信側にあたる耳が音をどう認識しているかについてお話します。ヘッドホンやイヤホンを適正ではない状況(爆音や間違った使い方)で長時間使用した場合、難聴になるそうです。

以前は、年齢と共に鼓膜がスピーカーのコーンのように弾力が無くなり、そのために劣化、硬化すると思っていましたが、実は違いました。

「鼓膜」が破れると音が聞こえなくなるとよく聞くと思います。しかし、鼓膜は、自然治癒したり、外科治療で治せる部類のパーツです。しかし、大音量で長時間音を聴き続けることで難聴になった場合は、治らない部類のダメージなのだそうです。

余り無いシチュエーションですが、大砲を撃つ場合、口を開けることで、鼓膜に直接外圧が掛からないようにすると聞いたことがあります。それならスピーカーや楽器等で大音量を聞くときにも口を開けていれば、良いのかということですが、鼓膜は守られても難聴には成ってしまうのです。

音をどう聞いているか、、、「鼓膜」は、空気振動を「耳小骨」に伝えるだけの気管で、音を神経信号に変える気管ではないのです。耳小骨も鼓膜からの空気振動を増幅したり、他の骨等から伝わる信号をプリミックスし「蝸牛」(かぎゅう)の中にあるリンパ液を振動させ、その中にある「有毛細胞」に伝える仕事をしています。この「有毛細胞」の「毛」がリンパ液で揺らされる事で空気振動が神経信号(電気信号)に変換されます。それが脳に送られ処理される事で初めて音として認識することが出来ます。

蝸牛は、カタツムリの様な形状らしく、全長は数センチ位あります。蝸牛の入口付近にある有毛細胞の刺激を高音、奥に行くほど低音と認識するそうです。

有毛細胞の「毛」は年齢と共に薄くなって行き、しまいには、ハゲてしまいます。一旦ハゲると戻りません、、、なんか切ないですが今の医学では生やせないそうです。有毛細胞の毛が薄くなると変換効率が下がり、ハゲると神経信号に変換できなくなるそうです。(すみません、専門外なので何でも「そうです」表記です)

やっと、年齢と共に高音がきこえづらくなるかの謎が解けましたね。毛が薄くなり、それも蝸牛の入口付近の毛から薄くなって行くので、年齢と共に高音が聞こえづらくなるということです。

毛が薄くなる原因として、加齢だけでなくストレスによっても起こるそうです。このストレスとは、大音量で音を聴き続けることで、生じることです。このストレスが、一生治らない部類のダメージを起こすのです。

話は変わりますが、ショッピングセンターとか駅などで、着信音が分からなかったことは無いですか? 実は、凄い騒音なのでマスキングという現象が起こっています。

本来存在している刺激が、他の刺激によって遮断され、認知度を低下させる現象です。一般に低い連続音は高い音をよく遮蔽しますが、高い音は低い音に対する遮蔽効果はそれほど顕著ではありません。ということは、高音ほど影響を受けやすいという事です。言い換えれば、騒音の大きいところでは、着信音のような高い音は、低い音より更に聞こえにくくなっているということです。

騒音の大きいところで音楽がイヤホンから聞こえづらいので、音量を上げると耳に良くないということは、先に説明をしました。こういう場合、騒音の低音部分を減衰させる事がより効果的なのです。

また、耳だけで音を聞いているのではなく、他の要素でも音を聞いていると最初にお話ししました。お腹に響く重低音、、そうです、、、重低音は耳だけで聞いているのではなく、体全体で聞いているのです。この重低音をイヤホンで聴こうとして、ボリュームを上げたり、低音をブーストしたりしていませんか?それは無駄な努力というより耳に大きなストレスを与えることになります。絶対にしてはいけない行為です。

地域の仲間とお祭りの太鼓の音をCD化しようと取り組んだことがありました。長胴太鼓2尺6寸(78cm)に小太鼓、鐘、笛の音を取り込んでCD化し、それを再生して聴くと、なんとショボい音でしょうか。お祭りの迫力を録音し、再生してみたことがある方も居られると思いますが、全く臨場感を再現できなかったことはないですか。2年程掛かり、録音方法や各種プロセッサーで加工しながら試行錯誤した事を説明しようとすると何10ページも必要なので、一部の結論だけですが、重低音を再現するために今までの手持ち設備、ウーハースピーカー4本に6本新規に追加して合計10本、この追加6本を鳴らすためにアンプも900W追加して合計1500Wにして、やっとそれなりの気配を感じるというか、重低音を得ることができました。これだけの装置で重低音を再現できるのに、ヘッドホンやイヤホンで無理矢理に重低音を経験しようとしないで下さい。本当に難聴に成ってしまいますので、やめて下さい。

騒音を遮断するための良い方法は、カナル型イヤホンで耳穴を塞ぐという非常にシンプルな方法があります。更に世の中にはノイズキャンセル機能が搭載されたイヤホン(ヘッドホンもある)があるではないですか。これを使わない手はないです。

色んなメーカーからノイズキャンセル機能があるヘッドホンやイヤホンが出ております。笑い話のようなノイズキャンセルヘッドホンを使ったことがあります。

国内の大手家電メーカー製のものでしたが、飛行機が離陸するときジェットエンジンから大きな騒音が出ます。このとき、そのヘッドホンから更に大きな音でバタバタバタって大音量がでました。他のメーカーでは、そんな事になったことがなかったので、ビックリしました。日本を代表する大手メーカーのものなのに、笑いしかなかった事がありました。まぁ、飛行機以外は、そこそこキャンセリングできていましたが、メーカー毎に大きな癖があります。

中国製の安価なヘッドホンでイヤーパットが固いビニール製を使ったことがありました。耳全体を包み込むタイプで、高価な機種よりキャンセリング効果だけみれば絶大でした。布製のイヤーパットでは、どうしても外来ノイズを遮断しきれないのだと思います。

そこで、イヤーパットなしのカナル型イヤホンのノイズキャンセルを試しました。連続した騒音、例えばエアコンやファンヒーターから出る空気の吹き出し音や電車・車のロードノイズには大きな効果があります。

そこそこ満足なイヤホンに出会いましたが、最近買った、中国製のフルワイヤレス方式のノイズキャンセル型は、全く効果が感じられないので、友人にあれこれ話をすると、中国語で「耳栓」を英断英訳すると「ノイズキャンセリング」だそうです。ゲゲッ。

話が逸れてきましたが、大きな音量で長時間、音楽を聴き続けることは、耳にストレスを与えていると認識して下さい。

治らない難聴に成らないために、出来るだけ小さな音にして、更に何時間も聴き続けないことを守って、楽しく音楽を聴いて下さい。

最後に頭や耳にヘッドホンやイヤホンを装着することも面倒な方向けに、おすすめなのが完全分離型ワイヤレスの超小型なスピーカーです。写真のスピーカーは約6cm角なので、ベッドに入ったとき耳元に置けますので重宝しています。小型ですが、小音量でも十分、高・低音が出ていますので、ご参考に。

長文、お付き合いありがとうございました。 これで、おしまいです。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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