おきらくゴク楽自己くんれん
2023年5月1日掲載
皆さん、こんにちは。早いものでおきらくゴク楽自己くんれんの連載も3年目に突入しました。当初は「半年も続けることができるかな」と心配をしていましたが読書の方々に読んでいただいたおかげでこれまで続けることができました。本当にありがとうございます。
先月号では九州まで遠征を実現し、西日本ハムフェアに参加しました。会場駐車場では多くの方々にモバイルシャックに興味をもっていただき、沢山の方々からご質問をいただきました。中にはその場でお答えをすることができなかったりして準備不足でありました。
そしてその翌週3月19日(日)には、兵庫県尼崎市で関西ハムシンポジウムが開催されましたのでモバイルシャックで行ってきました。有料の会場の駐車場で430MHzの10エレメント八木アンテナを回転させることができるようにし、AH-730とグラスファイバー竿のバーチカルアンテナを設置してみました。参加者の方は隣の施設の無料駐車場を使う方が多く、モバイルシャック近くを通る方はそれほど多くはなかったのですが、それでも通過する方に沢山声をかけていただきました。
沢山のアンテナ付き車の中での雄姿
直接お会いしていただいた質問は、当連載を読んでおられる方もおられましたが当然ながら連載記事をご存じでない方も多く色々な質問をいただきました。
久しぶりの開催に熱気を感じました
これまでに直接お会いした方々から受けた質問は次のようなものです。現地でお答えした内容では突っ込んで説明できなかったことも多くありましたので、この場で補足も兼ねて説明したいと思います。
① 車検は通るのですか?
このモバイルシャックはいわゆる「荷物」の扱いとなりますので、車から降ろして車検に出せば問題なく受けることができます。実際この車は3月に車検を受け、無事に合格して帰ってきました。初年度登録から12年を経た車両ですから、クラッチやラジエーターなど色んな箇所の修理を勧められていますが、費用と時間の関係で今回は見送りして、順次重要箇所から修理を進めるように考えています。
② 中で立つことができるのですか?
室内高さは約1500mmですので、完全に立ち上がることは出来ません。中腰になりつらいのですが、シェルの高さは自宅保管場所で載せ降ろしする際に許されるギリギリで設計されています。すでに載せ降ろしの作業中に屋根を当ててしまい凹ませたりしています。これ以上の高さにするのは無理です。どうせ立たないのなら、走行時の横風の影響を減らす意味でもう少し低くしても良かったのではないかと考えたりしますので、これで十分だと自分に言い聞かせています。
③ 中で寝ることができるのですか?
はい、そのために作りました。室内長が1700mmありますので1700mm長さのソファベットを広げることができ、身長170cm以下の方なら真っすぐ寝ることができます。質問者の方も私と同じくらいの身長の方でした。
④ 製作費用はいくらかかったのですか?
当初から材料を購入した費用を表にしていたのですが、次第にちょい足し購入が増え、記録漏れが多くなり正確さが失われてしまいました。わかっている範囲では9万円台後半まで資金を投入しています。記録漏れを含めれば10万円をわずかに超えているのではないかと思います。世界情勢の影響で木材価格が予定よりも高くなり、ずいぶん増えてしまいました。また作業を進める為に消耗品や工具なども多数購入しプラス何万円かの費用を使いましたが、それらは今後も他の事にも使用できますので今回の費用とは別計算としました。
⑤ 製作期間はどれだけかかったのですか?
基本、土日の休日に作業し製作しました。ある程度移動運用ができるような状態になるまでに約5カ月間かかりました。私は不器用で段取りが悪い人ですから普通の方ならもっと短い期間で作ることができると思います。
⑥ どのバンドに出ることができるのですか?
言い換えれば、「どれだけのアンテナを上げることができるのですか?」という事でしょうか?
リグは移動用にIC-705、IC-7300M、IC-9700を使っていますので、アンテナを下の写真のように設営すれば1.8MHzから430MHzまで運用することができます。 1200MHzもアンテナを追加すれば運用可能ですが、現在このシャックで使える適当なアンテナを持っておりません。
現時点でのフルスペックのアンテナ群
⑦ 無線機の電源は何を使っているのですか?
室内奥に設置している、容量100Ahの12.8Vリチウムイオンバッテリーが主です。他にも50Ahと30Ahのバッテリーも持っています。基本は自宅で充電しています。
⑧ そのリチウムイオンバッテリー、お高いのでは?
ハイ、100Ahのバッテリーは、格安で売られている同容量のモデルより少々高いものを使っています。Bluetoothが搭載されており、スマホのアプリで充電放電状態やバッテリー温度、各セルのコンディションなども監視する機能が使えるので大変便利です。
⑨ ソーラー発電を使っているのですか?
残念ながらそこまでの機器を投入する費用がありませんし、それに受信環境を良好に保つためにできるだけスイッチング回路を持つ機器(ソーラーチャージャー等)の使用は避けたいと思っています。使ってるうちに余程のエネルギー不足を感じない限り、ソーラー発電の機器を設置するつもりはありません。走行することでリチウムイオンバッテリーを10A充電器で充電することが可能で、移動地転戦の場合でも対応できるのではないかと考えています。
⑩ 軽トラックは移動シャック専用なのですよね?
いいえ。仕事やプライベートで荷物を運びますので、シャックをその都度載せ降ろししています。チョットというか、かなり面倒です(汗
⑪ (AH-730を指差して)これは何ですか?
AH-730の隣に立てているグラス竿バーチカルアンテナ(7m~10m)につないであらゆるHFバンドと50MHzに出るためのアンテナチューナーです。
(質問者の方はローカル局からAH-730をもらったのだが使い方がわからないという事でした。何ともうらやましい話です)
⑫ AH-730のアースはどのように取っているのですか?
荷台前部のトリイを車体に留めているボルトにアース線をつないでいます。このアースで1.8~50MHzまで安定してチューニングを取ることができています。
⑬ 冬の移動運用は寒くなかったのですか?
壁・天井の断熱にはスタイロフォーム25mm厚を使っています。上開き扉にも断熱材を仕込んでおり、床には厚手のウレタンジョイントマットを敷いています。この断熱で外気温0℃以下の環境で移動運用もしましたが、室内に少しの熱源があれば耐えることが可能です。隙間は多いですが風が抜けきるほどではないので、ある程度外より高い温度に保つことができます。夏の暑さに対しては未知数ですが換気扇使用などの対策を検討しています。
⑭ 夏はエアコンを使うのですか?
エアコンを使うとなると、発電機など大きな容量の電源が必要となります。多額の費用も掛かるので考えていません。移動が容易ですので、昼は我慢するとして夜寝る時は標高が高い所に行って涼しく休みさえすれば、夏の暑さを乗り切れるのでないかと甘く考えています(笑
そして一番聞いてほしくなかった質問も投げかけられました
⑮ バックの時に後ろ、見えるのですか?
シャックが載っている時は、ルームミラーでは後ろが全く見えません(汗)。軽トラックに幌やパネルバンと呼ばれている形状で走っているモノも同じ状態で走ってますので法規上は問題ないと思いますが、すぐ後ろに人がいても全くわかりませんのでこれまでシャックを載せている時のバックはヒヤヒヤものでした。
ということで安全対策を施すことにしました!
実は、ネット通販のセールで以前から目を付けていた、ミラー型ドライブレコーダーが1万円以下となっていたのでポチっとして購入していました。先の質問を受けていたこともあり3月も後半になりやっと時間が取れたので軽トラックに取付け作業を実施しました。
セール期間中にお得に購入
中国製でメーカー名はこれまでに聞いたことのないものでしたが通販ページのレビュー評価はなかなか良いものでした。
内容物もかなり充実していました。
◆フロントカメラ付き11インチディスプレイ本体
◆防水リアカメラ(6mケーブル付)
◆USB出力付きシガーソケット電源ケーブル
◆GPSアンテナ
◆64GBマイクロSDカード
GPSアンテナは走行時には何も表示されませんが、位置や速度が記録されるのでもしもの時に役に立ちそうです。64GBのマイクロSDカードは、通常付属するものより2倍の大容量で大変ありがたいです。
これ以外に反射防止シート・ミニサイズの内装ハガシ・ケーブルクリップ・脱脂シートなども付属していす。
この製品を選択した理由は
・防水リアカメラと長い接続ケーブル
・リア画像表示で固定できること
・安価であること
などです。
正直、情報が少なくて上の条件を完全に満たしているのか不信があったのですが、安かったこともあり先走りました(汗
結果はオーライで、見た目心強いメタルボディ防水カメラに6mのケーブルが付いており、取付け前の通電テストでリア画像表示に固定できることも確認できました。それでは取付けに入ります。まずはリアカメラケーブルをどう引き回してくるかを検討します。
ミラーから手で外すことができる内装材をめくって、埋め込み各所に這わせます。電源はシガ―プラグ、GPSはダッシュボード上へ。リアカメラケーブルですが、運転室内からケーブルを外に出すところがどうにも見つかりませんでした。仕方がないので、運転席シート下にエンジンルームと鉄板一枚で隔てている箇所があったので、思い切ってドリルで12mm程の穴をあけました。
穴をあけグロメットをつけケーブルを通す
ケーブルをエンジンルーム内から荷台下に出る箇所にあった穴から出し、そのまま車体後ろまでケーブルタイで数箇所固定しながら這わせて、ナンバープレート上にリアカメラを取り付けしました。カメラにはバックモニターとして使う配線が付いていましたが、今回は常時後ろを写すのが目的なので何もつながないでおきます。取付けた状態でケーブル長さには少しの余裕しかありませんでした。ミラーから運転席天井を通り、一気に荷台下まで下がって最後端であるナンバープレートまでの経路では、このタイプでよくある5mのカメラケーブルのものでは届かなかったことでしょう。
リアカメラをナンバープレートの上に取付け
取付けができれば、早速電源を入れて設定します。取扱説明書も日本語表記だったので不安はありませんでしたが、設定画面も日本語で表示されるので驚きました。いわゆる中国製の安いモデルでしたので、設定などは英語表記なのだろうと勝手に思っていました。日本語表示ですから説明書がなくても簡単に設定することができました。
設定画面は日本語で表示
タッチパネルの反応も良くサクサク動きます。よく練られた設定画面で、直感的に操作することができます。
実際に映し出されるリア画像
走行してみて感じるのは、フロント画像と比べるとリアの画質は劣るのですが、それでも普通のミラーに写る光景と同等に後ろの状況を認識できるということです。このことが今回の一番の目的でしたのでいい買い物ができたという印象です。
しかし安い物には理由があるのが世の常です。完全に安心できる製品とは言えません。私の場合、普段エンジン始動と同時にディスプレイに画像が出るのですが、時々エンジンを始動しても全く写らない時があります。そんなときはミラー下のパワーボタンを押せば起動するのです。この気まぐれさが価格に反映されているのでしょうか。私はこの程度の不具合は織り込み済ですので問題ないと思っていますが、ネットでは一部の方が故障した時のサービス対応が悪いとの報告をされたりしています。そういう事が嫌な方は、他の信頼のおけるメーカーの物を選択されることをお勧めします。
かなりの大きさの親切なオマケが付いていました。これを貼るには勇気が必要ですね(笑
単三電池と比較して撮影
傷隠しで貼ってみました
問題点はありましたが、現在のところ先に書いた以外に不具合は出ていません。自分でつけるとなると少し面倒に感じますが、意外と簡単に取付けすることができました。自分の力で取付けができた時のやった~! という満足感がなんとも言えませんね(穴をあける勇気がいりますが)。
とりあえずこれからはコンビニなど駐車場でドキドキしながらバックをすることはなくなりそうです。これまで軽トラック室内ではハンディー機しか使うことができなかったので、今回あけた穴を利用して同軸ケーブルを外に出し、運転席からモービルホイップでの無線運用ができるように考えています。
なおこの記事は案件ではありません。私が購入したこの機種は、現在在庫切れとなっているようです。同メーカーで改良型の機種が出るかもしれません、また他社でよく似た仕様のものが発売されているようですが、ここで紹介したものと同じ仕様となっているかどうかは不明です。お求めの場合はご自身で慎重に確認してください。
それではまたお会いしましょう。
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