Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

アパマンハムのムセンと車

第6回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2023年3月15日掲載

連載6回目となります。今回は、今話題のカーボン製釣り竿のお話から始めたいと思います。

カーボン製釣り竿

巷では、カーボン製の釣り竿に直接給電して使うことが流行っています。御多分に漏れず、私も早速チャレンジしてみました。得意のAmazonで12m物を購入し、先端を2段ほど抜いて使ってみました。

試してみたのは、カーボン製釣り竿に直接給電する方法、アルミ線をはわせて給電する方法の2通りです。ところが、私のやり方が悪かったのか、思ったようにマッチングが取れません。電波の飛びもイマイチのようです。おまけに私の建て方だと、絶縁するために巻いたゴムシートが緩んでしまって、ちょっとした強風で傾いてしまいました。まあ、長さを欲張ったのがいけないと言われてしまえばそれまでなんですが、少しでも高くしたかったのです。

そんな状態ですので、せっかく買ったカーボン製釣り竿はお蔵入りになってしまいました。仕方がないので前回ご紹介したグラスファイバー製釣り竿のアンテナを使っていました。

この度、月刊FB Newsのバックナンバーを眺めていたら、JO2ASQ清水OMの記事でカーボン製釣り竿を使用した記事を見つけました。カーボン製釣り竿にビニル線をラジエータエレメントとして使っておられたのです。実際に試したらどうなるだろう? と思って、早速試してみました。

製作上で注意した点は、ビニル線の先端の防水処理、ビニル線を極力巻き付けずにタイラップで固定、あまりにもピンと張ると強風のときにストレスがかかるので、少したるませるような感じにする、この3点です。エレメントの長さは、今までと同じ13mです。



カーボン製釣り竿にビニル線をはわせてみた

実際に使用したところ、7MHzに関しては、今までと変わらないか、むしろいい感じです。釣り竿の長さが違うので、一概に比較は出来ないですが、以前に使っていたグラスファイバー製の10m物と比較しても、遜色ない感じです。その他のバンドも今までと同等か、良くなっているように思います。

カーボンという導電体にエレメントをはわせても使えている理由としては、ビニル線なので絶縁されていること、巻き付けずに直線的にはわせていること、導線とカーボンで電気抵抗が違う(カーボンのほうが高い)ので流れやすいほうに流れていること、等が考えられます。

理論的にはよく分かっていませんが、グラスファイバーと同等に、普通に使えることがわかりました。入手のしやすさ、軽さ、強度などの面で、カーボン製を選択肢に入れてもいいのかな? と思います。私としては、いましばらく使っていきたいと思います。


カーボン製釣り竿アンテナの全景 片側にエレメントを付けている関係で、少し傾いています

アンテナを付けるところがない車にアンテナを付ける

今までの移動用車両は、スバルのサンバーバンでした。この車にはルーフサイドにアンテナ基台を取り付けられる部分がありました。また、リヤゲートにもアンテナ基台が取り付け出来ていました。

今回、知人が欲しいということで、譲ることになりましたが、次期車両はたまたま手に入れたダイハツのミラになりました。



今回、無線仕様にする(?) ダイハツ ミラ アヴィ

移動となると高い所まで坂道を登ったりしますので、パワーはあったほうがいいので、ターボ付きにしました。これで坂道も高速もバッチリです。

しかし、実際に車を眺めてみますと、アンテナを付けるところがありません。ルーフサイドはもちろん、リヤゲートにもアンテナは付けられそうにないのです。このような場合、アンテナはマグネット基台を使うことになると思います。もちろん、それでもいいのですが、HF帯のモービルアンテナは長いので走行中ちょっと不安があります。どうしてもマグネット基台を使うのであれば、大型のものを使う(写真右側)ようにしたいものです。なお、軽自動車は「積載物の高さは、地面から2.5m以内」という制限があるので十分注意してください。


一般的なマグネット基台の例         強力マグネット基台の例
第一電波工業(株) WEBサイトより引用

今回は移動運用に使うポールやアンテナを運ぶことも考慮して、ルーフキャリアを付けることにしました。アンテナ基台は、ルーフレールやトラックのミラーステーに取り付けるための基台を使い、取り付けを行いました。

ルーフキャリアに取り付けることで、車へのダメージは小さくなります。また、若干ではありますが高さを稼ぐことができます。移動運用時に長尺物を車内に入れることなく、楽に運べます。このようなメリットが発生します。



今回使用したルーフキャリア

実際のルーフキャリアを見ていきましょう。写真のようなキャリアをネットで購入しました。まずはこちらを組み立てます。かなり細かい作業が必要になりますし、広い場所がないと作業がしづらいです。また、組み立てた途中で作業を中断すると、収納場所にも困りますので、天気の良い日に時間をタップリとって、キャリア取り付けまで一気にやってしまうことをお勧めします。なお、キャリアを付けると洗車がやりにくくなりますので、出来れば取り付け前に洗車をしてルーフをきれいにしておくと良いと思います。

キャリアが取り付け出来たら、今度は基台を付けます。基台の取り付けは基台の説明書に従って行います。基台の位置ですが、キャリアを構成するパイプの端のほうに取り付けます。パイプ自体はアルミですので、端ではなく真ん中に取り付けると、曲がってしまう可能性がありますので注意しましょう。


基台をつけたところ 強度を考え、真ん中よりもオフセットさせている

実際に取り付けたところがこちらです。実際に走行してみますと、キャリアがなかった頃よりも、風切り音が気になる感じですが、これで移動運用がしやすくなりました。軽自動車ですので、狭いところでも運用が可能になり、今まで以上にあちこちからQRV出来そうです。

新しいノートPCスタンドを発見!

以前にもパソコンテーブルをご紹介しましたが、今回、また新しい物を発見してしまいました。こちらです。
https://amzn.asia/d/aETKbI9

このスタンドは、助手席のシートレールとボディを止めているネジと共締めするもので、自由に動かせるのが特徴です。パソコンは付属のベルトで固定する形です。これで車内のパソコンの利便性がアップするのではと思います。私もまだ入手したばかりで、これから試していきたいと思います。


ノートPCスタンドの様子 イーサプライ本店のWEBサイトより引用

またまた移動用アンテナをいじってみました

最近の私のお気に入りは「AliExpress」です。ここを見ているだけで、いろいろとアイデアが浮かんできます。

今回入手したのは、給電部分です。今まで使っていたコイルとロッドアンテナを取り付け、下側を三脚に取り付けて自立させました。ラジアルは以前入手した市販のラジアルキット(5mが4本)です。

ターボ付きにしました。

三脚との間に挟み込んでアースにしました。これで現地にてラジアルを広げて運用するスタイルです。設営には5分もあれば十分で、撤収は3分くらいで出来ます。しかもコイルの調整で7MHzと10MHzの両方で、ベースローディング式の1/4λバーチカルとしてオンエアできます。コイルを外してロッドアンテナを伸縮させることにより、14~50MHzにも同調します(1/4λフルサイズになります)。

バンドチェンジの度にコイルを調整するのは面倒なので、私はコイルを2個用意しひとつは7MHz、もうひとつは10MHzに合わせておき、バンドチェンジの際にコイルを交換しています。

三脚はいちばん開いた状態で使っています。風が強い時は足を伸ばすことで安定します。なぜこの方法を思い付いたかといえば、長いエレメントをモービル基台に直接つけた場合に、ボディに与える影響を考慮したからです。

トランクリッドに付けた基台が、エレメントに受ける風の力で、トランクリッドを曲げてしまうのではないかと思ったからです。市販のモービルホイップの長いもの(2.2mくらいあります)ですら、根本からのかなりの揺れを感じます。これよりも倍以上の長さで、しかも太いエレメントならば、風圧もかなりなものになると思いましたので、この方式を思い付きました。

なお、今回使った給電部分のネジですが、上側はM10です。下側は3/8インチのネジです。一般的な三脚ネジは1/4インチですので、変換アダプターを使っています。

この手のアンテナをうまく使うコツは、アースを出来るだけ低い位置に持って行くこと、ラジアルは地面に密着させること、この2点だと思います。


実際の使用風景 アースをなるべく地面に密着されることが大事

アパマンハムのムセンと車 バックナンバー

2023年3月号トップへ戻る

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.