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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第66回 高岡クラブ(JA9YNN)の皆さん

2023年3月15日掲載

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

皆さんこんにちは、Masacoです! 桜の便りが届く時期になりましたね。私は今月、「西日本ハムフェア」に初参加させていただいたり、「関西ハムシンポジウム2023」で歌をお届けしたりと、少しずつ日常が戻りつつ、昨年は真っ白だったスケジュール帳が埋まっていく嬉しさを感じています♪ いろいろと動き始め、ありがたいことにお声をかけていただく機会が多くなってきましたが、スケジュールが重なってしまうことも多々あり・・・ あと1日、あと1週間ずれていたら・・・ ということもしばしばで、そんなときは本当に心苦しくて・・・。必要としていただけること、思い浮かべてくれること、あたたかいお気持ちに感謝しかありません。

膨らみ始めた桜のつぼみに、大きな大きな夢を身体いっぱいに上京した当時の私と重ねながら、初心を忘れたらあかん! と、常々思っています。これまで出会い支えてくださった皆さんを浮かべながら、新たな春へワクワクしています。やっとお花見もできそうですね~♪

そうそう! 2月に私のホームページが全面リニューアルしました。URLアドレスも変わり「https://masacocbx.com/」に(masacoにcbxが付いているのがポイント!)。掲載コンテンツも大幅増加! 近年、ホームページからのお仕事依頼も多くてね、ずっと気になっていたこれまでの資料も整理整頓してMasacoのまるごとを詰め込んでいます。そしてかわいい無線機のイラストも描いてもらったよ! ぜひ見に来てくださいね♪ 引き続きSNSのフォローもよろしくお願いします♪

さて、今回の「Masacoのむせんのせかい」は、1月下旬に富山県高岡市の地域クラブ「高岡クラブ(JA9YNN)」のミーティングにお邪魔したときの模様をご紹介しましょう。

第66回 高岡クラブ(JA9YNN)の皆さん


「むせんのせかい」の連載としては、久しぶりの9エリア! 取材先では初登場の富山県! ということで「Masacoさん、高岡市に行きますよ~」と聞いたときからテンションがメチャ上がりましたー! まず、お寿司屋さんに行って白エビとのどぐろと寒ブリと、ホタルイカは解禁前かな? あ、ブラックラーメンも食べなくちゃ!? なんて・・・(笑)。そうしたら、まわりの人から「1月下旬の富山? 寒いですよー」、「もしかすると雪が膝ぐらいまであるかも?」なんて情報が・・・。これは“晴れおんな”のパワーを炸裂させながら、完全防寒で行くしかありませんね!

当日、高岡駅に着いてみたら、お天気こそ曇りでしたが(最初、少しだけ雪が舞いました)、積雪はゼロ! ミーティングの会場はストーブでポカポカと暖かく、リラックスして過ごすことができました♪ 格子窓にガラス戸♪ 昔の祖母のお家と佇まいがそっくりでなんだか懐かしい街並みです!


高岡市の「山町筋伝統的建造物群」。高岡の商業の中心地として栄えた通りで、1900年の高岡大火の後に作られた防火構造の土蔵作りの建造物が並んでいます!


当日のミーティング会場に到着!

この日のミーティングは、高岡駅から徒歩で約10分の古い町並みを保存した「山町筋」の建物をお借りして行われていました。会場に着くと「いらっしゃい!」、「遠いところをようこそ!」と、多くのメンバーの方に歓迎していただきました。


会場で皆さんにご挨拶♪

高岡クラブの歴史と活動

建物の2階でミーティングが始まるまで、少し時間があったので、ストーブで暖まらせていただきながら、高岡クラブのことを会長のJA9BOS瀬川さんに伺いました。

高岡クラブは昭和32(1957)年4月の発足、まもなく創立66周年を迎える老舗の地域クラブで、社団局のコールサインはJA9YNNです。現在のメンバーは34名(うち女性2名)、80歳以上が5名、70代が8名、60代が6名、50代が4名、40代は5名、30代が4名、20代が2名と、比較的若い方からOMさんまでバランスの良い年齢構成になっています。


昭和36(1961)年、高岡市の大和デパートで行った公開運用の風景


昭和42(1967)年、高岡市の大和デパート屋上で行った移動公開実験の風景

クラブはJARL登録クラブのジャンルでは「地域クラブ」ですが、入会条件は特になく、どこにお住まいの方でも無線に興味あれば入会可能なのだそうです。新入会員の勧誘は「クチコミ」と、クラブが実施しているJARDの4アマ養成課程講習会の会場で行うのが多いそうですよ。


平成19(2007)年、地元ホテルで行った創立50周年式典の記念写真

クラブの行事も豊富です! ミーティング関係では、毎週日曜日の21時から高岡レピータ(JR9WK 439.60MHz)でオンエアミーティング、毎月第2土曜日に市内の喫茶店でクラブミーティングをそれぞれ行っているそうです(コロナ禍で現在は縮小中)。

そして年間行事では、年始の賀詞交歓会、年度始めの総会、年末の忘年会、6月のクラブ内マラソンコンテスト(クラブ員のみで1か月間)、7月の6m AND DOWNコンテストの参加(クラブ対抗部門では、何回も北陸地区第1位に輝いているそうです)、県の総合防災訓練への参加などなど。


クラブの恒例行事、6m AND DOWNコンテストの参加風景


バーベキューを兼ねた移動運用も行っています!


社会貢献活動として、高岡市の総合防災訓練にも参加!

そして東京のハムフェアへブース出展。これまで1回を除いて、毎回ブースを出展しているそうです。ハムフェアの前身、富士山麓の朝霧高原で開催された「全日本ハムベンション」にも参加したとか!


東京の「ハムフェア」には1回を除いて全部ブース出展を行っているそうです♪

さらに年2回の4アマ講習会と子供たちへのラジオ製作教室の開催、クラブ内の製作講習会などなど! これだけ行事があれば「無線に飽きたなあ」なんて気持ちには絶対にならないですね~!


平成29(2017)年、高岡市内の小学校で開催した工作教室の風景

ちなみに、1970年代から80年代にかけては、クラブ専用のマイクロバス(メンバーのJA9LJ局が提供利用したもの。運転はJA9LYKさん)を使って、ハムフェアへの足にしたり、秋葉原への買いだしツアーを企画したり、全国持ち回りの開催だったJARL通常総会に出掛けたりしていたそうで、その模様が無線雑誌の表紙になったこともあるそうです。


クラブ員のマイクロバスで「秋葉原買いだしツアー」も行っていて、無線雑誌の表紙になったこともあります(電波新聞社「月刊ハムライフ」1975年5月号)

そして一番の自慢は、年4回発行しているクラブの機関誌「CP高岡」です! 表紙は美しい植物のイラストで、本文ページにはクラブの行事案内や活動報告、メンバーの皆さんによる思い思いの投稿(近況報告、旅行記、無線グッズのインプレッションや改造記、自作記事、コンテスト参戦記など)で、毎号16~24ページのボリューム、バックナンバーを見せていただきましたが、読み応え満点でした♪


年4回発行を続けている機関誌「CP高岡」を見せていただきました。クラブとメンバーの皆さんのアクティブな活動に興味津々!

でも「CP高岡」ってどういう意味? 今日のミーティング会場の奥にあった古いクラブ旗にも「CP高岡クラブ」って書かれていました。会長の瀬川さんに伺ってみました。

--瀬川さん、「CP高岡」の“CP”って、どういう意味ですか?

「これはよく尋ねられるのですよ(笑)。アマチュア無線で不特定多数の呼び出しは“CQ”ですけど、特定地域を指定して呼び出す場合は“CP”を使うことが法律に書かれています。言ってみれば“CQの特定地域指定版”なんですね」

--えー、全然知りませんでした!!

「ですから“CP高岡、CP高岡、CP高岡、こちらはJA9YNN、JA9YNN、JA9YNN”って感じで使えば、高岡の局を指定しているCQということになるのですが、最近は使っている局を聞かないですね(笑)。でも地域クラブの機関誌の名前としては的を射ていると思います」

--そうですね。ピッタリのネーミングだと思います!!


古いクラブ旗には「CP高岡クラブ」とあります。CPの意味を会長の瀬川さんに伺いました

いきなりパーツを渡されて・・・!?

クラブのことを伺っているうちに、ミーティングの開始時間になりました!

今日は久しぶりの製作講習会ということで「7MHz帯のQRPトランシーバー」か「7MHz帯のダイレクトコンバージョン受信機」のどちらかを、1人1台ずつ製作するそうです。時間になると、皆さんがカバンの中から自分の工具を取り出し、説明書を見ながら配られたキット(クラブのオリジナル品)のプリント基板に部品を取り付け始めました。

会場の窓側には受信機の完成見本が置いてあります。カメラのレンズキャップを流用したダイヤルを回してみると、7MHz帯のSSB交信が聞こえてきました。スピーカーの出力も大きいのでハッキリ聞き取れます。基板の部品点数はそれほど多くないのに、凄いなあーと思いました!


7MHz帯のダイレクトコンバージョン受信機の見本。メインダイヤルはカメラのレンズキャップを流用しています。屋外に張ったワイヤーアンテナを使って、とてもよく聞こえていました♪

室内には10名以上のメンバーがいらっしゃるのに、皆さん一心不乱に組み立てをしているので妙に静かです! この感じ、何かに似ているなあ・・・。そう! 宴会で一人に一杯ずつカニが出されたときの雰囲気に近いです(笑)


皆さんが一斉に製作を始めました


コンデンサの値を照明付きルーペで確認中!

皆さんの組み立て風景を見ていたら、瀬川さんが「はい、これがMasacoさんの分です。工具はこちらをお使い下さい」と、私の分のダイレクトコンバージョン受信機のキットを渡してくださいました。え・・・、私も作るんですか!?


私もダイレクトコンバージョン受信機のキットをいただきました。基板に主要部品は取り付け済みなので、細かいパーツ(CR類)とスピーカーやポリバリコン、ボリューム、電池ケースなどをハンダ付けしていきます

--私、さすがに受信機は作ったことがないのですけど、大丈夫かしら。

「大丈夫です! 説明書も分かりやすいですし、私と中井さん(JH9VFG)がサポートしますから」

ということで、私もハンダゴテを使って受信機作りに参加することになりました。いきなりの「Masacoのチャレンジコーナー」ですね(笑)。

部品点数は少ないのですが、抵抗やコンデンサの値を確認したり、狭い場所にパーツをうまく差し込んでいったりするのは結構大変です。超不器用な私・・・。お二人に聞きながら、ゆっくり、ゆっくり進めていきました。集中しすぎて気づくと、息を止めてたり(汗)。リラックス~リラックス~♪ これは集中力のトレーニングに、もってこいかと・・・。


1つずつ確認しながら、ゆっくりと組み立てていきます!

巡回! ミニインタビュー

ここで、恒例のミニインタビューコーナーです! いつもは座談会形式で、皆さんが顔を合わせながら、お一人ずつマイクを持っていただき「ハムになったきっかけ」や「現在熱中していること」をお話していただくのですが、今は受信機作りの真っ最中! そこで私の方でお一人ずつの席に伺って個別にお話を伺う(その時だけ製作を中断していただく)“巡回形式”で進めましたよ~。

●コンテスト担当理事 JA9VEQ 野中さん(2アマ)
小学校6年生のときに、学研の学習雑誌を呼んで、静岡県の小学生がJARLの講習会でアマチュア無線の免許を取ったことを知り、面白そうだと思いました。中学1年生のときに国家試験を受けたけれども不合格。それ以降はBCLに熱中していました。そして高校1年生のときに高岡クラブの養成課程講習会(夜間コース)を受講して合格、IC-502とRJX-601を買って50MHz帯で開局して45年になります。今でもJARLコンテストへの参加だけは欠かしません。あとradikoプレミアムで全国のラジオを聞くのが楽しいです。

●JA9QHP 大江さん(2アマ)
小学生のときに友人のオモチャのトランシーバーで遊んでいたのと、中波のBCLに目覚めたのが原体験です。高校では無線部に入部し、そこからどっぷりと無線に浸かっています。一時期は仕事で業務用無線機の修理や携帯電話の修理取次なども行っていましたが、「趣味と仕事は一緒にするべきじゃないなあ」と思いました(笑)。今はHFのFT8に熱中しています。こんなにアマチュア無線をやっている人がいるのかと驚きました。今年も関ハムに行くつもりですよ。


JA9VEQ野中さん(左)とJA9QHP大江さん(右)

●クラブ会計理事 JH9VFG 中井さん(2アマ)
新潟に住んでいたとき、兄が免許を取りました。私は社会人になってから資格を取り、3.5MHz帯で兄との交信を楽しみました。最初はHFに出ていましたが、電話級アマは10W出力ですしなかなか友人が出来ません。兄から2mのFM機をもらってからは、同じチャンネルを使っている隣県の人たちと仲良く交流しました。今は3.5/7/50/144MHz帯にオンエアし、コンテストにも参加しています。あとARDFの審判員資格を取り、富山県で開かれた全国大会もサポートしました。

●副会長 JR9DFA 萩野さん(4アマ)
小学校6年生から中学1年生の頃、近所でアマチュア無線が大流行し、半径100mの範囲に7~8人が運用していました。自分も免許を取得しようと思いましたが、国家試験は難しく、しかも学校を休み金沢まで行って受験することを親が許してくれなかったので断念しました。その後35年ぐらい前に、友人のJA9BKUさんからIC-μ3を見せてもらったのがきっかけでアマチュア無線の資格を取りましたが、今はほとんど運用していません。クラブでは移動運用の「宴会部長」として頑張っています。最近の日課はマウンテンバイク。1日に10~20kmぐらい走り回っています。あとはアマチュアミュージックを少々、40歳ぐらい年下の子たちと楽しんでいます。


JH9VFG中井さん(左)とJR9DFA萩野さん(右)

●JP1DMV/9(JF9RDM) 姫本さん(1アマ)
小学生のときに「ハムになる本」や「初歩のアマチュア無線読本」などで刺激を受けて、真空管式のミニ送信機や5球スーパーなどを自作するようになりました。1エリアと9エリアのコールサインを持っていますが、1エリアの方が古いです。1エリアでは横浜市アマチュア無線非常通信協力会の戸塚支部長や、戸塚クラブの会長を務めていました。今は昔の受信機やBCLラジオのレストアに熱中しています(ソニーのスカイセンサー、東芝など)。コンデンサなどを今のパーツに変えると“今の音”になってしまうので、工夫のしがいがありますね。無線機も真空管リグなどのレストアをいろいろ楽しんでいます。

●JA9FFS 伊藤さん(1アマ)
中学1年生のときに叔父から真空管式の受信機(9R-59)を借りてBCLを始めたら、3.5MHz帯や7MHz帯のアマチュア無線の交信が聞こえ、ハムというものを知りました。その後中学2年生で国家試験を受けて合格、試験問題はまだ記述式の時代でした。開局は50MHz帯AMで、FDAM-3にGPでしたが、Eスポで面白いように交信できたのを覚えています。3年前からFT8を始め、弱い出力でも取ってもらえるところに魅力を感じています。28MHz帯ではWAS(米国50州との交信)も達成しました。今はブーベ島の3Y0J DXペディションを楽しみにしています。


JP1DMV/9(JF9RDM)姫本さん(左)とJA9FFS伊藤さん(右)

●JA9KUH 冬木さん(4アマ)
小学6年生のときに近くの電気屋さんで0.5W出力のCBトランシーバーを2台買って、友人と交信を楽しんでいました。ローン契約だったので新聞配達のバイトでお金を工面しました。高校1年生でハムの資格を取り、RJX-601と5エレ八木で50MHz帯を楽しみました。大学では友人がSSBポータブル機のIC-502を買ったのが羨ましく、最近になってIC-502の中古品を入手しました(笑)。またCQ誌で無線機の「モニター募集」を見て、便せん一杯に応募動機を書いて投函、熱意が伝わったのか選んでもらったこともあります。最近は資格取得が趣味で、小売電気アドバイザーや宅地建物取引士、社会保険労務士、電気工事士などの資格を取得、また近県の温泉巡りを楽しんでいます。

●JR9TVU 村本さん(2アマ)
姫本さん(JP1DMV/9)の幼なじみです。映画「私をスキーに連れてって」の影響で免許を取りました。仲間とスキーをするときには便利でしたね(笑)。一時期は10MHz帯が面白くて、たくさん交信をしていました。最近、アマチュア無線はQRTに近い状態になっています。今はバイクに熱中してカワサキのW800、ホンダのスーパーカブ、ハンターカブで遊んでいます。


JA9KUH冬木さん(左)とJR9TVU村本さん(右)

●JA9ID 塚本さん(2アマ)
高校生のときにアマチュア無線をやっている人を見て、自分もやりたいと思って試験を受け、昭和31(1956)年に開局しました。当時は送信機も受信機も自作。製作の参考にしようと放送局に送信機を見学させてもらったこともあります。短波帯はAMモードが全盛で、3.5MHz帯や7MHz帯は水晶発振でスポットの周波数で運用していました。開局したときにはもう高岡クラブはあって、デパートでの公開運用を見たり、メンバーの皆さんのお話を聞いたり、シャックを見せてもらったりで参考になりました。昔は秋葉原に出掛けてのジャンク品探しが楽しかったですね。アマチュア無線には追求すればするほど面白い趣味だと思います。今はカメラにも熱中しています。

●JA9AVM 牧野さん(1アマ)
小学校の通学途中に移動運用をしている人を見掛たことがあり「こんなところから、無線で話が出来るんだ」と興味を持ったのがきっかけです。高校のときに電話級アマの資格を取得して開局、ローカル局などと3.5MHz帯でラグチューを楽しむようになりました。当時の高岡クラブには100名近いメンバーがいて、世代が違ういろいろな経歴の方から、楽しい話とかウラ話が聞けて楽しかったです。


JA9ID塚本さん(左)とJA9AVM牧野さん(右)

●会長 JA9BOS 瀬川さん(1アマ)
小学校4年生の頃、母親の5球スーパーを分解して怒られました。バラしたパーツを使って増幅部のない真空管ラジオを作ったのが最初です。そして雑誌「子供の科学」を見てアマチュア無線を知りました。雑誌に「近くのOMさんに話を聞いてみよう」なんて書いてあったので、DXerだったJA9AAY局を訪問しTX-88Aや9R-59を見せてもらい、私が作ったものも見て、アドバイスをしていただき、高岡クラブのミーティングにも連れて行っていただきました。中学1年の秋に国家試験で電話級アマを取得し、廃品回収された白黒テレビを手に入れて水平出力管を取り出して送信機を作り、開局しました。

中学は理科クラブに所属。中3のときにクラブで「Eスポの研究」などを発表したら、科学技術庁長官賞を受賞したのも思い出です。高校では生物クラブに入りましたが、これが45年間にわたって教員生活で生物を教えるきっかけになりました。勤務校(富山国際大学付属高校)ではアマチュア無線クラブを作ったり、放送部の顧問としてNHKの番組コンクールにエントリーして全国優勝を5回したのも思い出です。今は、高岡市の古城公園動物園にある自然資料館で生徒が撮った写真の展示準備をしています。クラブとしては年2回、4アマの養成課程講習会を行っていて、その工学の講師と会計事務などを行っています。

●JF9RXN 村上さん(3アマ)
災害時に活用できるかな? と思って、3年前に高岡クラブの養成課程講習会で4アマの資格を取得し、その後は3アマも取得しました。独学で勉強するよりも講習会のほうが楽ですね。でもアマチュア無線はよくわからないことがいっぱいで、このクラブでいろいろ教えてもらおうと思っています(笑)。今はバイクにも興味があります。


JA9BOS瀬川さん(左)とJF9RXN村上さん(右)

●JH9CVJ 日詰さん(2アマ)
小学生の頃にNHKでハムを紹介する番組をやっていて、それで興味を持ちました。4アマ資格を取ったのは高校3年生のとき。工業高校の先生(JA9LJ局)が「履歴書の資格欄にも書けるからぜひ取りなさい」とすすめてくれました。ちょうど国家試験の問題数が減ったタイミングでした。卒業後にTS-520を買ってもらって7MHz帯で開局。アンテナタワーは2mぐらいまで立てたところで中断しています。クラブの活動は気分転換になるのでいいですね。喫茶店で行う月例ミーティングも最高です。最近ホンダのS660を買って、クルマにハンディ機も搭載しています。あと自転車も昔から好きですよ。

●JR9HPB 長井さん
15歳のときに「モービルハムをやりたい」と思ってまずハムの資格を取得。430MHz帯のFM機とGPアンテナで開局。144MHz帯やHF帯のリグも追加して7MHz帯でもQRVを始めました。18歳の時に運転免許を取得して念願の無線機をクルマに付けました。今は家族の介護などもあってアマチュア無線の活動は低調ですが、毎週日曜日の21時から430MHz帯の高岡レピータで行っている「サンデーナイト・ナインネットワーク(SNNN)」のネットコントローラだけは約30年も続けています。1回10人ぐらいがチェックインしています。この日だけは休めないですね。


JH9CVJ日詰さん

巡回インタビューが終わったところで、皆さんに「高岡クラブの特徴やステキなところを教えてください!」とお願いしたら、次のような答えが返ってきましたよ~。

●わからないことは、みんなが教えてくれる。「これ、どうしたらいいかな?」と質問すると、必ず返事がかえってくるのが嬉しいです。

●メンバーの年齢や世代、仕事がみんな違うところがいい。産婦人科のお医者さんやお寺のお坊さんもメンバーにいるので、“ゆりかごから墓場まで”高岡クラブでまかなえるかも!?

●誰でも入会できて、メンバーが多い。1エリアの人もいるのが凄い!

●クラブの恒例行事になっている、7月の「6m and DOWNコンテスト」の移動運用に参加すると、会長が美味しいカレーを作ってくれるのが大好き!

受信機が完成!!

ミニインタビュー後は、私も席に戻って受信機の仕上げにかかりました。ハンダ付けなんて久しぶり! 「はい、もっとコテ先で温めて、まだまだ・・・ ハイ今!」なんて指導していただきながら、なんとか全部品の取り付けを完了。


皆さんにアドバイスをいただきながら、基板がほぼ完成しました♪

基板にスピーカーやポリバリコン、電池ケース、スイッチ、ボリュームなどを取り付けるとついに完成です!!


ただいま、最後のハンダ付け中!!

さっそく電池をセットして、アンテナとスピーカーを接続、メインダイヤルを回すと・・・。7MHz帯の交信が聞こえました!!!


私が作った受信機で、7MHz帯の交信がよく聞こえました。メッチャ嬉しいです。ご指導ありがとうございました!

これまでに作った電子工作の中で、一番の大作が完成しました。自分で作った受信機で聞くアマチュアバンドは格別ですね。いつか7MHz帯の送信機も作って交信できたら楽しいだろうなあ~! 指導してくださった瀬川さん、中井さん、ありがとうございました♪

おわりに

高岡クラブの皆さん、本当にありがとうございました! 無事に受信機も作り上げることができました♪

いろいろな年代の人が加入していて、養成課程講習会で近所の初心者を勧誘して育成、毎週のオンエアミーティングや会報の発行、たくさんのイベントの企画で“飽きの来ない無線ライフ”を提供しているという、昔ながらのアマチュア無線クラブだなあと、メッチャ感心しました。親戚のおじさんのお家に遊びに行ったように接してくださり、皆さんの楽しくて和気あいあいとした雰囲気がとってもステキでした♪

帰京後、総務省の検索ページで「富山県高岡市」のアマチュア局数を調べたら、約320局でした(社団局は除き、同一コールサインの“移動する局”と“移動しない局”は1局とカウント)。その1割弱が高岡クラブのメンバーということになり、組織力の高さにはとても驚かされました! クラブのますますの発展をお祈りいたします。

あ、それと・・・、この取材の二日後から9エリアは大雪のニュースで持ちきりだったので、今回のタイミングは本当にセーフでした! 帰り際、急いで買ったお土産の白エビせんべいが、すごくおいしくて大ヒットで、また仕入れに行かなきゃです(笑)。でも日帰りはあまりにも弾丸すぎるので、今度はゆっくり思い残しの観光もかねてですね! そして今年の「ハムフェア2023」のブースにも遊びに行きますね~!

(JH1CBX Masaco)

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