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第三十一回 小型デジタル電圧計、2線式と3線式は何が違う?


Dr. FB

デジタルの測定器といえば、図1に示したようなブロック図で構成されています。


図1 デジタル計測器のブロック図

今でも基本的には考え方は変わらないのですが、デバイスの進歩で製作は大きく変わりました。図2は、ICL7136 ローパワーA/Dコンバーターです。ICの内部には、図1で示した3つのブロックがこのワンチップのICの中に組み込まれています。学生向けのデジタルテスター等のキットにも使われているほど便利になりました。それでもキットではなく自分で基板を作り、ケースも加工してデジタル測定器を作ろうとすれば、それなりの労力は必要です。


図2 ICL7136ワンチップローパワーA/Dコンバーターのブロック図

小型デジタル電圧計

自作した電子機器に簡易電圧計を取り付けたいときがあります。図3に示したような小型デジタル電圧計が便利です。アナログメーターも捨てがたいですが、価格には負けてしまいます。アナログメーターは精度や型式にもよりますが電子工作で使うようなものでも1個1,500円以上、ICL7136を使ったデジタルテスターのキットはLCDと基板のセットで1,000円ぐらいします。小型デジタル電圧計といえば、大手通販ショップでは例えば5個で1,000円といった価格で手に入れることも可能です。

この小型デジタル電圧計には、図3に示すように2線式と3線式の2種類があります。何が違うのか気になり調べることにしました。


図3 2線式、3線式小型デジタル電圧計(表示器側)


図4 2線式(左)、3線式(右)小型デジタル電圧計(部品側)

2線式と3線式、何が違う

小型デジタル電圧計の使い方は簡単です。両ユニットから出ている赤黒のリード線は、電圧計の回路を働かせるために電源に接続します。動作最低電圧は約4Vで、赤をプラス、黒をマイナスに接続します。2線式では、赤黒のリード線を電源に接続するとこの時点でデジタル電圧計が電源電圧を表示します。

3線式でも赤黒のリード線はそれぞれ電源のプラス、マイナスに接続します。この時点でデジタル表示は、点灯しますが000を表示したままです。測定したい電圧のポイントに黄色のリードを当てると、そのポイントの電圧を表示します。つまり、3線式では赤と黄色のリード線を束ねると2線式と同じ働きをすることが分かります。


図5 3線式表示器の黄色のリード線とデジタル表示の関係

2線式と3線式電圧計の用途

デジタル電圧計の接続には図6に示すように3通りの回路が考えられます。実験のために抵抗をユニバーサル基板に組んだものが図7です。入力端子に10Vを印加し、別の正確なデジタルマルチメーターで計測した各ポイントの電圧を図7に記しています。


図6 2線式、3線式の用途の例


図7 各ポイントの電圧

図6の(a)の接続を実際の回路図7で実現すると、10.2Vを示しました。裏面に取り付けられたボリュームで10.0Vにセットしました。次に図6(b)の接続を試みます。3.3kΩの両端の電圧(B)-(C)はデジタルマルチメーターでは2.8Vでした。これに2線式のデジタル電圧計を接続しましたが、表示器は薄く2.8Vを表示していました。(D)-(E)間にも同様に接続しましたが、0.82Vということもあり、さすがに表示器は点灯しませんでした。デジタル電圧計の最低動作電圧は約4Vですのでこれらは正常な動作の範囲です。

図6(c)の接続では(A)、(B)、(C)、(D)いずれのポイントでも2線式では表示しなかった1V以下の電圧も測定できました。このことから、例えば定電圧電源の出力電圧を常にモニターしたいということであれば、2線式で十分といえます。回路の複数の電圧を切り替えてモニターしたい場合は、3線式が有効です。回路に応じたデジタル電圧計を用いることで、電子工作が楽しくなります。

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