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おきらくゴク楽自己くんれん

その7 本記事での製作品を活用して挑む 全市全郡コンテストQRP参戦記

JF3LCH 永井博雄


開始前設営時の様子

皆さん、こんにちは。FBニュースへの投稿を引き受けた時には「半年も続けば上等かな」と思っていた本連載ですが早いものでその7となりました。これもお読みいただいた方々のおかげです。ありがとうございます。今回は過去に紹介した「自己くんれん的な自作品」を10月9日から10日にかけて行われた全市全郡コンテストに投入して、電信電話オールバンドQRP部門に挑みましたので紹介します。

1. 製作品を実戦投入

参加種目は、シングルオペレーターオールバンドQRPで参加することにしました。ALL JAコンテストでは、50MHzポケットダイポールを使っての入賞を狙い惨敗しましたが、今回はオールバンドで参加です。マルチバンドは苦手ですので身の程を考えて入賞は狙いません。言い訳ですが元々QRPオールバンドは強者局が多い部門です。IC-705が発売されてからは、参加者は増加していて激戦区です。HFも含んで争われるので全国入賞しかありませんし、私のような軟弱者には入賞はかなり難しいと考えます。それでも自分で作ったものを活用してコンテストで運用するのは格別な気持ちよさがあります。その結果入賞できればさらに喜びが増しますが、おまけ程度に考え今回は参加することに意義を見出すこととしておきます。QSOが増えれば比例してマルチが増える全市全郡コンテストですから、目標は400QSOくらい出来ればそれなりのスコアになるのではないかという風に考えておりました。

運用場所はVUHFでの飛びを考えて、出来るだけ高い場所にということで奈良県吉野郡(JCG#24010)の830mほどの高さの山の中で運用を予定しました。お昼過ぎに現地に到着。幸いにも他に同業者?は居なかったので運用場所の確保に成功いたしました。

2. コンテストで使用した自作機材類




3.5MHzダイポールは8m伸縮ポールを使う


二刀流アンテナは2日目ハイバンド用


VUHFホイップをつけた3mポールはMY郞で固定


折り曲げ式50MHzダブルバズーカにはビバポール(6m)

このほか3.5MHzには半波長ダイポール、7/14MHzにはギボシダイポールを使いました。これも自作品と言えば自作品になります。VUHFの自作アンテナは430MHz8段コーリニアアンテナがあるのですが、144MHzは双ループアンテナくらいしかなく大きくて運搬や取り回しも難しいので、今回は市販のモービルホイップアンテナに頼ることにしました。



144/430MHzモービルホイップと3m伸縮ポール

ツイッターなどで最近話題の安くて手軽に移動運用に使うことのできる通称「ビバポール」。お掃除用品として10年以上前から売られていたのですが、何故だか最近になって人気が急上昇しています。多くの移動運用局が愛用していた伸縮ポールを取り扱っていた会社が撤退。残っているメーカーも値上げをしたりして購入しにくくなったせいなのでしょう。しかしこのポールは安いだけに使われているアルミパイプが細く、そのままでは50MHzのHB9CVを揚げるのが精いっぱいといった感じです。

そこでこのビバポールでステーをとることができるようステーリングを取り付けてみます。


市販のステーリングを取り付け


2段目のφ25パイプに市販のテレビアンテナ用ステーリングが入りそうなので取り付けます。ステー金具は規模の大きいホームセンターで購入。テレビアンテナ用品売り場で300円以下の価格で売られていました。


購入したDXアンテナのステー金具

一番上の締め付け樹脂を回して外しφ21のパイプを引くと、抜け止めとなりひっかかる4本爪の付いたストッパー樹脂が出てきます。この爪をドライバー等でこじるとパイプが外れ抜き取れます。



パイプの黒帯部分が太くなっており爪が引っ掛かり抜けない仕組み

出てきたφ25先端からステーリングを入れて、ストッパーと締め付けリングを元に戻せば出来上がりです。



ストッパーを付けるか否かでステーを取る高さを変えられる

このようにしておけば風が強い日でもロープでステーが取れて安心です。タイヤベースがなくてもステーさえあれば6m高さまでアンテナを上げることが出来るので、今回は、50MHzダブルバズーカを自立式で上げることにしました。

3. 準備完了

リグは、QRPということでIC-705とIC-703を使いました。ともに受信時も省電力で長丁場のコンテストに最適です。電源は、50Wでの移動運用を考慮して設計されたリチウムイオン電池のパックを使ったので、24時間コンテストでも容量は有り余るほどでした。

16:00過ぎには大体の準備が出来ましたので、あとは開始までゆったりと過ごすことにしました。コンテストではめったに飲まないアルコール(ビール系飲料)をいただきました。あまりお酒に強くない私なので、これがのちに響きました。


コンテストの前にお肉をいただき気合が入る

4. コンテストがスタート

21:00になりスタート。まずは折り曲げダブルバズーカの50MHz SSBからスタートします。専用のダイポールを上げている3.5MHzからスタートも考えたのですが、開始直後は賑やかでQRPでははじかれてしまうと考え、しばらくしてからの方が良いだろうと判断しました。CQを出すのは効率が悪いと思い呼び回ります。パイルになっている局は呼ばずに少し空振りしているような局を呼ぶと応答率が上がります。50MHzはすぐに聞こえる局がQSO済になったので144MHzさらに430MHzへと上がっていきました。全市全郡ではそんなに遠くに飛ばさなくても市郡でマルチが増えていくので楽しむことが出来ます。それでもVUHFの5Wでも9エリアや4エリア最遠の山口県まで交信することができました。

VUHF帯が一通り落ち着いたころ23:00頃から3.5MHz帯に下りていきます。バンド内も一通りの交信を終えた局が増えたのか5Wで呼んでも取り上げてもらえるようになっていました。それでも同時に呼ぶ局がいた場合はだいたい呼び負けてしまいます。これはQRPの宿命ですね。日が変わり01:00頃を前にして一時ウトウトしてしまい気を失ってしまいました。開始前のアルコール摂取など慣れないことをしたので疲れが出てしまったようです。


IC-705とIC-703

気が付いたら02:40でした。慌てて1.9MHz帯にQSYします。このバンドは3.5MHzのアンテナをAH-705で無理やりチューンして使いました。まだSSBにはたくさん局がいて強い局から呼んでいきますがやはり5WのSSB、しかも「なんちゃってアンテナ」では辛いようで「QRZ?」の連続でした。それでもこの時間帯4局もの耳のいい方と交信することができました。何回ものコールにお付き合いいただきありがとうございました。ここまでの交信数は110QSOで目標の400交信の達成は難しいかなという状況でした。再び3.5MHzに戻りもう呼ぶ局がいなくなったところで睡眠をとることにしましたzzz

5. 巻き返しをはかるコンテスト2日目

目が覚めたら06:00をまわっていました。少し寝過ぎました。早速ワッチを開始します。早くも430MHzで奈良県宇陀市(2412)の山の上からCQを出されている元気なYL局とつながりご機嫌に運用を再開します。まだこの時間なら使える1.9MHzから順番に上に上がっていきます。07:00にはもう7MHzが賑やかな状態になっていました。ここでこれまで3.5MHzのアンテナにAH-705で無理やり7MHzにチューンして使っていたのを降ろし7/10/14MHz対応ギボシアンテナを8m高さに換装しました。やはり同調したダイポールだとQRPでも快適に運用できます。CWモードを中心にQSOを増やしていきます。少し前まで7MHzは朝夕でもコンディションが悪い日が多かったのですが、この日はずっと国内が聞こえていました。それがために7MHzから離れられず、HFJ-350M二刀流アンテナの投入タイミングを逃してしまいました。あと一本ポールを用意すれば簡単にQSYすることができたのですが、コンテスト前にちゃんと準備をして無駄な時間ができないようにしておかなければとつくづく思いました。


沢山の局がひしめく7MHz CWバンド

午後になって50MHzで8エリアの何局かとつながりました。全市全郡コンテストの50MHzで8エリアとつながるとは珍しいことですね。7MHzと同じくコンディションはいいようです。おかげで昨日は伸び悩んでいた交信数は順調に伸びてくれて、18:00には332QSOまでになっていました。あと3時間で400QSOに届くかも知れない、そう考えたら元気が出てきました。


雨となり撤収が心配

夕方になれば再び3.5MHzダイポールを上げることを考えていましたが雨が降りだしました。ヤバいなと考えていましたら暗くなる前に止んでくれました。急いで3バンドギボシダイポールを3.5MHzダイポールに載せ替えます。これでまた低いバンドでの運用が快適になりました。バンドごとに未交信の局を探し、いなくなればQSYを繰り返し、と時間が過ぎていきました。

終了7分前に3.5MHzのCWでCQを出してみました。終了前にバンド内に未交信の局はいないかと探していた局が次々呼んできてくれました。終了直前なので皆さん早い速度で呼んでこられたので一発で取れないこともあり、何度も送信してもらい時間をかけさせてしまいました。申し訳ありません。

20:59に最後の局とナンバー交換が終わった直後に21:00になり終了となりました。残念ながら総交信数はDUPEを含めて387QSOと目標まであと少しでした。しかし途中達成をほとんど諦めていたので、結構いい線まで出来て満足感を得られる結果となりました。

6. まとめ

50MHzダブルバズーカでは58QSOすることが出来ました。Eスポでは8エリアと、グランドウェーブでは東は山梨県、西は山口県と交信することができました。先月の記事公開前に移動した時には1エリアとは交信できませんでしたが、今回は念願の1エリアと繋がることができうれしく思います。

対照的に二刀流アンテナは設営・調整が煩雑でコンテストには向いていないなというのが正直な感想です。コンディションのタイミングもありますが5Wではかなり厳しいものがありました。もちろんこれだけで色々なバンドに出ることが出来るのは大きなメリットですが、限られた時間内にQSYするにはちょっと面倒だと感じました。

タイヤベースMY郞は天気も安定していたので、特に問題になることはありませんでした。小さな愛車で多くの機材を運ぶのに荷室を犠牲にすることなく、コンパクトで手軽に運ぶことが出来て言うことなしです。

コンテスト最後のCQでは結構呼ばれましたが、期間中ほぼ未交信局を探して呼んで回る運用に終始かなり疲れてしまいました。バンドによってQRPでもCQを出し目立つことが出来る時間帯など、もっとよく考えて行動すればスコアアップできるのではないかと思います。このスコアで自分がどのくらいのレベルなのか? まだ未熟ですが自分のレベルがハッキリするのも楽しみに結果発表を待ちます。

このような感じで入賞を狙うとかではなく、自作品をコンテストで使って楽しむのもいいものだと思います。皆さんも何か自作した物でコンテストに参加してその性能を確認してみてはいかがでしょう。新しい楽しみの世界が開けるかも知れません。

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