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アパマンハムのムセンと車

第7回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2023年4月17日掲載

連載7回目となります。今回は、先日の強風でカーボン製釣り竿が折れてしまった話から始めます。

カーボン製釣り竿が折れた!

2023年3月15日号で、カーボン製釣り竿を使ったアンテナをご紹介しました。直接給電ではないアンテナ、直接給電+アルミワイヤーのアンテナの紹介はいくつかありますが、積極的にカーボン釣り竿から絶縁したアンテナは、JO2ASQ清水OMの記事以外では、あまり紹介されていないと思います。

私も試してみて、21MHzだけ動作がおかしな感じがした以外は、非常に快適でした。DXにも国内にも使えて、便利に思っていましたが、いかんせん長い! 良い固定方法が見つからず、BSアンテナの基台にUボルトと金具を4セット使って、ガチガチに締めて建てていました。


4箇所で締め付けていました

ここで締め付け過ぎてしまったために、釣り竿の断面が円から楕円になり、その結果、強度的に弱い方向から強風が吹いたため、あえなく根本から折れてしまいました!


折れてしまったカーボン製釣り竿。表面にアルミテープを貼っているのは、直接給電の実験をした名残です


別の角度からの写真。写真上部が縦に裂けてしまっています

幸いにも、万が一を想定した落下防止策をとっていたために、私のサイフ以外には(!) 被害がありませんでした。集合住宅なので、安全対策については、念には念を入れる必要性を改めて再認識致しました。

原因を考えてみますと、釣り竿そのものをダイレクトにマストに固定するのは良くなかったと考えるようになりました。

OM諸氏にお話を伺いますと、やはり変形するまで締め付けてはいけない、塩ビパイプに差し込んで建てるようにすれば良かったのに(マストと塩ビパイプを固定し、釣り竿に締め付ける力をかけない)、というお話を頂きました。

塩ビパイプを用意するまでの暫定措置として、予めマストにUボルトを取り付け、しっかりと締め付けておき、釣り竿は軽く締め付けるだけにしました。

今までは釣り竿ごと締め付けていました。この締め付けが甘いと釣り竿が傾いたりするので、グイグイと締め付けていました。そのため、楕円に変形してしまい、風の向きによっては真円より強度が落ちる結果になっていたようです。たったこれだけですが、釣り竿を建てたり倒したりが簡単になりました。なにより安心して使えるメリットが大きいです。詳細は写真でご覧いただければと思います。


一緒に伴締めすると、どうしても強く締め付けないと安定しない


ナットを1つ追加して、先にマストに締め付けておけば、釣り竿は強く締め付けなくても安定する

なお、金具で直接釣り竿をはさむのは、傷がつきますし、そこから破断する可能性もありますので、良くないと思います。ゴムシート等で包んだ上で締め付ける、若しくは塩ビパイプに挿入する方法が良いと思います。

アンテナを付けるところがない車にアンテナを付ける・その2

前回はルーフキャリアを使って基台を取り付ける方法をご案内しました。アンテナ関係は長い物が多いので、軽自動車の室内に収まらない場合が多く、ルーフキャリアは必須アイテムだと思います。

とはいえ、ルーフキャリアを付けると車庫に入らないとか、取り付けることで問題が発生してしまうこともあるかと思います。今回ご紹介するアンテナ基台は幅が狭くなっており、わずかのスペースしかない車両にも取り付けることが可能になります。

取り付けに使用した車は、リヤハッチ部分の上部にわずかなスペースがあり、そこに基台を取り付けてみました。実際にいろいろな車を見て見ると、ここしか取り付ける場所がない車が多いことがわかりました(特に軽自動車)。今回の車はスバルのステラ(型式: RN1)です。


今回使用した第一電波工業(ダイヤモンド)のアンテナ基台K401(第一電波工業Webサイトより)

小型の基台なので、大きなアンテナを付けたらまずいのでは? とも思われるでしょうが、走行中に運用する訳ではなく、停車時にアンテナを取り付けて運用しますので、問題にならないかと思います。


実際に取り付けたところ(K401、MAT50×2枚、HF40FXW)これでSWRはバッチリ落ちてます

基台を付けたら、下記のようなアース線で確実にボディアースを取るようにします。


第一電波工業(ダイヤモンド)のアースキットTPES3(第一電波工業Webサイトより)

こちらのアースキットはボディにつながっているボルトに共締めするか、若しくはスクリュータッピングビスでボディに穴を開けてアースを取る必要があります。もし、ボディに傷を付けたくない等、ボディアースが難しい場合は、最近流行のアースマットを使います。


第一電波工業(ダイヤモンド)のマグネットアースシートMAT50(第一電波工業Webサイトより)

私の経験上の話ですが、主に7MHzで運用していましたが、1枚よりも2枚使った方が、飛びが良いように思います。また2枚使うなら100均にある材料で自作しても良いかと思います。もちろん、アース線は最短距離が鉄則です。ここが長くなると動作も不安定になります。

144MHz以上でノンラジアルでないアンテナを使用する場合、アース線でボディに接続する方法は、動作が不安定になりがちです。このような場合は、ラジアルを自作するのが良いと思います。


自作した144MHz用と430MHz用のラジアル。144MHzはアルミパイプ、430MHzは針金で作りました

コネクター側の圧着端子に針金、若しくはアルミパイプを差し込み、圧着しただけの、非常にシンプルな作りです。先端は丸めておくなりビニルテープを巻くなりして、危険がなく、車に傷を付けないようにします。

このような物でも、十分に役に立ちます。市販品でコネクターのオス・メスになってるものもありますが、圧着端子になっていることで減衰も気にならず、値段も安くできるのでいいかな? と思ってます。なお、移動用伸縮マスト取り付け用に、ラジアル線3本にしたものも作ってみました。


自作したラジアル線3本のラジアル

モービルアンテナのほとんどがノンラジアルですが、ラジアルが必要なアンテナを有効に使うためにも、このようなラジアルを一つ持っていれば便利です。

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