テクニカルコーナー
2025年11月17日掲載
今年もD-STAR QSO PARTYのルールが発表されました。全世界でD-STAR通信を楽しめるイベントですが、画像交換を行うと大量ポイントがゲットできることから、画像を送り合う局が多いイベントとしても知られています。
この画像伝送ですが、アイコム製のリグだけではなく、JVC KENWOOD製のリグでもできることをご存じでしょうか? 今回はTH-D74やTH-D75で画像伝送をする方法についてご紹介いたします。

ID-52PLUSで送信する画像をTH-D75で受信している様子。

D-STARのDV(デジタルボイス)モードは、伝送速度4.8kbpsの中に「音声フレーム」と「データフレーム」を交互に伝送することで、「音声」とGPS位置情報や画像などの「データ」を同時送信できるしくみです。このデータ部分はDD(デジタルデータ)モードの『高速データ』に対して『低速(スロー)データ』と呼ばれていますが、その後JARLの『アマチュア無線のデジタル化技術の標準方式』に伝送速度を速める仕様が追加され、『低速(スロー)データ』に対して『DVファーストデータ』と呼ばれるようになりました。

一般社団法人日本アマチュア無線連盟「アマチュア無線のデジタル化技術の標準方式」より抜粋

通常のスローデータとファーストデータとの速度比較
参考資料: 2014年12月号 ID-5100に追加されたファーストデータ
このスローデータやファーストデータで送信される画像を「見える化」できるのが、アイコムが無償提供しているRS-MS1A(*1)と呼ばれるアプリです。このアプリはアイコム製のトランシーバーだけではなく、IC-R30などDVモードに対応した受信機や、TH-D74やTH-D75などJVCケンウッド製のトランシーバーまでも接続して楽しむことができるのです。
*1 iOS版のアプリ「RS-MS1I」はアイコム製品しか接続できません。

ID-52PLUS(左)で送信する画像を受信機のIC-R30(右)で受信している様子
アプリはGoogle Playで入手できます。
Android™専用 コントロールソフトウェア: RS-MS1A
D-STARの拡張機能をスマートに楽しめるAndroid™端末専用アプリ
RS-MS1A 対応OS: Android 8.0以降
RS-MS1Aは画像伝送の他にマッピングや一部の無線機操作もできる仕様ですが、TH-D74やTH-D75は、CI-Vコマンドを必要としない画像伝送やテキスト伝送などに機能が限定されます。

ID-52PLUS(CI-V対応)に接続したRS-MS1Aと、TH-D75に接続したRS-MS1AのMENU画面
TH-D75/D74とAndroid端末との接続は、「PCとBluetoothで接続する」(取説18-3)の手順で行います。
・TH-D75/D74のBluetoothをON。(メニューNo.930)
・TH-D75/D74をペアリングモードにする。(メニューNo.934)
・Android端末でBluetooth検索
→ TH-D75/D74とAndroid端末の双方にパスキー表示されたら「OK」で設定。

ペアリングしている様子

「ペアリングが完了しました」表示が出たら、Android端末と接続完了
次ページは「無線機本体の設定方法」
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