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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その106 登山にチャレンジ-5

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

2026年8月17日掲載

今年度のテーマとして「登山にチャレンジ」というテーマで、これから登山を始めてみようという方のために安全管理そして楽しく山に登ることのできるように初歩的な内容の記事を投稿しています。登山ガイド、国際マウンテンリーダーの資格保持者である筆者からの知見でいくつかに分けて掲載してみたいと思います。

登山はとても楽しいスポーツ、レジャー、リクリエーション活動です。しかし一歩間違うと直接「死」に直面する面もあります。これら登山の危険な面をあらかじめ知っておくことで、その対策にもなり、また実際にその危険に立ち向かったときの対処の参考ともなりますので、あらためて体系立ててまとめてみたいと思います。単に漠然と登山は危険という認識では何も役立たず、登山という楽しさを体験できませんので、具体的にどんな危険があるのか、そしてそこから危険を避ける判断につなげていただけたらと思います。

落雷

この季節の登山中のリスクとして気を付けなくてはいけないことが、落雷です。


雷にはその発生原因によりいくつかの種類があります。

熱雷:
夏の急激な温度上昇により地上の水蒸気が急上昇することで、上空の空気が一気に押し上げられて積乱雲が発生します。入道雲と呼ばれているものですね。遠くから見るには夏の景色ですが、積乱雲の直下は真っ暗で豪雨、時には雹が降ることもあります。このような状況で発生する雷は「熱雷」と呼ばれています。夏の午後の夕立、最近はゲリラ豪雨とともに発生する局地的な雷です。この熱雷は積乱雲が見える場所で発生していますので、比較的容易に場所を認識することができます。さらに比較的短時間で消えていく特性があります。

界雷:
雷は夏だけではなく、寒冷前線付近や温暖前線の通過時に起きるものもあります。これは「界雷」と呼ばれており、これは性質の異なる冷気と暖気のぶつかり合いによって、上昇気流が起こることで発生します。これは熱雷とは異なり広範囲で発生しますので、場所の特定が難しいところがあります。しかし寒冷前線と温暖前線の場所と動きを天気図から読み取ることができます。

熱界雷:
登山中に一番気を付けなくてはいけないのは、上記の熱雷と界雷の合体したこの「熱界雷」になります。地上が夏の日差しで急激に熱せられ、上昇気流が発生し、そこに寒冷前線が来た場合に発生します。寒冷前線の冷気がその上昇気流の下に潜り込み、さらに上昇気流の速度が上がることになりますので、非常に急激な上昇気流となり落雷が多発します。

他にも台風や発達した低気圧によっておこる「渦雷」、冬の日本海側で発生する「冬季雷(雪下ろし)」などがありますが、このような時期に登山をする方は少ないため、リスクとして遭遇する場合は少ないと思います。

雷が発生し近づいてくると、雷光からゴロゴロと音がするまで数秒掛かります。アマチュア無線家の方であれば、これは光のスピード(電磁波の速度)30万km/sと音のスピード340m/sの大きな違いからくることはご存知と思います。光ってから何秒で音が聞こえてくるかで、だいたい雷からどれくらい離れているのかを計算することができます。しかし数秒掛かるからまだ大丈夫というのは大きな間違いで、たまたまその時の落雷が遠かっただけで、どこに発生するかはすでに判断できる状況ではありません。つまりゴロゴロと音が聞こえたら、すでにどこに落雷が起きても不思議ではない状態となります。

落雷対策としては山の場合、避難小屋などに逃げ込むことが一番です。近くに避難小屋がない場合は、まず姿勢を低くして、しゃがむことです。この時に姿勢を低くするために両手を地面についたり、寝そべることは逆に地面を電導する電流によってとても危険です。地面との接地点をできるだけ少なく、低い姿勢を取らないといけません。


出典: 日本気象協会

また昔から大きな木の影に隠れるという対策がありましたが、これも木に落雷した場合の側面からの落雷、さらに落雷した倒木により危険です。このため木の幹からは4m以上離れる必要があると言われています。また木の一番高いところから高さも含めて45度の範囲内が保護範囲となり比較的に安全と言われています。


出典: 気象庁

また低い姿勢を取ったとしても、特に稜線などで多人数が数珠つなぎのように並んで低い姿勢をとるのは危険です。滑落や転落に十分気を付けた上で、お互いに離れて低い姿勢をとることも登山中には意識しておくことが必要です。

私は登山中は熊対策もあり、いつもAMラジオを聞いています。AMラジオは遠くの雷鳴が聞こえなくともノイズで発生していることが判ります。ノイズが聞こえたら遠くを見渡し、その雲がどちらに移動しているのかなどを予測判断しておくことも大切な予防措置となります。

さてテーマである登山中のリスク対策とは話が変わりますがSOTA日本支部からのお知らせです。SOTA日本支部では8月29、30日に、東京の有明GYM-EXで開催されるハムフェア2026に今年も出展いたします。出展ブースはC33です。多くの方々とのアイボールを楽しみにしております。

SOTA日本支部ではSlackを使ったコミュニティプラットフォームがあります。すでに100人以上のSOTA愛好家の方々が参加されています。このコミュニティに新たに参加をご希望の方は私宛のメール、ja1ctvアットマークjarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。登録案内を送らせていただきます。

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