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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その104 登山にチャレンジ-3

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

2026年6月15日掲載

今年度のテーマとして「登山にチャレンジ」というテーマで、これから登山を始めてみようという方のために、安全管理そして楽しく山に登ることのできるように初歩的な内容の記事を投稿しています。登山ガイド、国際マウンテンリーダーの資格保持者である筆者からの知見でいくつかに分けて掲載してみたいと思います。

登山はとても楽しいスポーツ、レジャー、リクリエーション活動です。しかし一歩間違うと直接「死」に直面する面もあります。これら登山の危険な面をあらかじめ知っておくことでその対策にもなり、また実際にその危険に立ち向かったときの対処の参考ともなりますので、あらためて体系立ててまとめてみたいと思います。

単に漠然と登山は危険という認識では何も役立ちませんので、具体的にどんな危険があるのか、そしてそこから危険を避ける判断につなげていただけたらと思います。

危険な野生生物

昨年から各地で熊の出没による被害が増えています。いままでは熊の食料であるブナの実やどんぐりの不作の年には人里に現れていたと考えられていたようですが、近年はどうもこの様子が変わってきているように感じています。まず、以前ブナは5~7年おきに豊作・凶作が繰り返されていたようですが、2021年ころから1年おきに豊凶を繰り返すように変わってきていると言われています。


(出典: 読売新聞社)

最近の熊の出没による被害者数の統計情報は上記のように推移しているようで、豊作であった22年、24年には確かに被害者数が減っているものの、傾向としては昨今の報道にあるように増加傾向です。これは熊の個体数の増加と人を見ても恐怖を感じないようになった熊の学習能力の高さにあるものと思います。

熊は子孫を残すために発情期である初夏~夏に交尾をしたあと、受精卵はすぐに子宮に着床しません。秋にブナ、どんぐりを食べ栄養を取ったことが確認された後、冬に受精卵が着床し出産します。このため栄養をとれないということは子孫を残せないことに直結しています。栄養が取れないため交尾しないという順番ではなく、交尾をした後に子孫を残せるかどうかが決まるため、熊の本能として必死に食料を探すものと私は考えています。そこに個体数の増加と短くなったブナの凶作の周期がさらに熊の食料難に拍車をかけています。

熊は聴覚、嗅覚が敏感と言われておりますが、視覚は弱いと言われています。このため突然出くわしたときにパニック状態になって襲い掛かると言われています。対策としては熊撃退スプレーなどもありますが、一番は出くわさないこと。ラジオなどで音を出して歩くとか、出くわす前に大声を出しながら歩くことで少しはリスクを低減できるものと思います。

不運にも出くわしてしまったときは騒がずに背中を向けずに熊の目を見ながらあとずさりすることが必要と言われています。背中を見せて逃げると追いかけてきます。そのスピードは時速60kmと言われています。また出くわした後に大声を出したり、物を投げるのも禁物、熊を興奮させるだけです。どうしても逃げられないときは熊撃退スプレーを使いますが、この時は風の向きにも注意が必要です。

襲われてしまった後は、両手で頸動脈を隠しうつぶせになり内蔵を保護する防御態勢を取ることになりますが、ケガを避けることはできません。出くわさないことが一番のカギとなります。


熊のほかにも危険な野生生物としてはイノシシ、スズメバチ、ヘビ、ヒル、マダニなどに注意しなくてはいけません。

熊に遭遇したことがなくても、スズメバチは山で見かけたという人は多いと思います。毎年数十人の死亡事故が起きています。刺されたら水で患部を洗い、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗ります。スズメバチが巣を作る秋は一番活性化する時期ですので特に注意が必要です。

ヘビについて、以前はヤマカガシは毒を持たないと言われていましたが、ヤマカガシは毒を持っていることが確認されています。かまれたときの毒牙が口の奥にあることが危険度を下げてきたようですが、ヤマカガシの毒はマムシの3倍、ハブの9倍と言われています。つまり日本で最強の毒を持っているヘビです。

また植物にもトリカブトやウルシの木、毒キノコなど毒性を持ったものも多くあります。くれぐれもこれら危険動植物の特徴、特性を理解し冷静に対処できるようにしましょう。

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