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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その7 山登り趣味に加わったもうひとつの趣味(JG1EJYさん、JG1EKAさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。

6か月延長となったこのFBニュースの連載「Summits On The Air (SOTA)の楽しみ」ですが、そのトップバッターとして今回はSOTA運用を楽しまれている、松島さんご夫妻を紹介したいと思います。松島さんご夫妻は主に奥多摩から山梨、長野方面でアクティブに運用をされております。以前は仲間との連絡だけに使っていた無線機ですが、今はSOTAを通じて+α(プラス アルファ)の新たな楽しみ方を発見されたそうです。また、山の上での運用であればこその工夫や、多くの局に呼ばれることの楽しさについても熱く語っていただきました。それではその+αの楽しさとはどんなものなのか教えていただきましょう。

山登り趣味に加わったもうひとつの趣味

JG1EJY・JG1EKA 松島直樹・貴志子

SOTAとの出会い
私たちは、ハイキングやキャンプ等を20年程前から楽しんでいるアウトドア系のアクティビティが好きな夫婦です。数年前から東京都近郊の奥多摩や山梨県・長野県方面の山歩きを月に1度ぐらいのペースで楽しんでいます。

私たちが山登りの+αの楽しみ方として、「山で無線運用をする」というスタイルを知ったのは2013年頃のハムフェアでの「山と無線」のブースを訪問した時でした。その後、2016年にSOTAというアワードを知り、世界で広く楽しまれていることや、交信記録の提示条件に縛りのない自己申告制であることから「山登りのついでにマイペースで楽しめるアワード」であると判り、興味を持ちました。これは第5回の記事、JP1QEC本橋さんが書かれたSOTAを始められたきっかけとよく似ています。


東京都西多摩郡石尾根から雲取山方面を臨む

登山の+αの楽しみとして無線を楽しむ
SOTAを知る前から登山にハンディ機を持って行っていたものの、ローカル局と軽く連絡を取り合う程度の用途でしかありませんでした。しかし、SOTAを知ることによって二人とも真面目(?)にCQを出すようになりました。

無線を楽しむひとつの要素としてロケーションの良さが大きな比重を占めると言われますが、私たちがよく運用する430MHzは、山に登ればその効果がとても顕著で思わぬ遠くからも呼んでいただけます。特にXYL(JG1EKA)がFMでオペレーションすると、途切れることなく呼ばれてしまいます。そうなると私(JG1EJY)は全く出る幕がなくなります。。。。少し話が逸れてしまいましたが、SOTAを知って私たちは単純に「山に登る」という楽しみに加え、「山で無線を運用して呼んでもらう」という楽しみが増えたのです。


三つ峠山1785m(山梨県西桂町)


雲取山2017m(東京都西多摩郡)

QRP出力で海外からも呼んでもらえる楽しさ
CQを出して、海外から呼んで貰えることもSOTAを始めることによって得られた貴重な体験です。JAからのQRP運用&拙く下手なCWのCQを海外の局が頑張って呼んでくれるのです。これにはとても感動しました。

私はCWの経験が浅く、初のHFでのSOTA運用で“J”や“7”で始まらないコールサインで呼ばれた時は頭の中が真っ白になりました。CQを出していながら、まさか海外局が呼んでくれるなんて思いもしなかったのです。OMの皆様には笑われてしまいますね。(苦笑)。

こんな局でも呼んでくれる理由は相手局の設備に助けられているということも十分あると思いますが、狭い自宅と違って山ではある程度の長さのワイヤーアンテナを展開することができることや、SOTAを楽しんでいる局がいろいろな国に居て、SOTA WATCH(※)などのクラスタをよく見てくれていること、また文字通り“山ほどある”SOTAに登録された日本の山からActivatorとしてQRVする局がまだ少ないことも要因かもしれません。それにしても弱小のJAのポータブル局を海外局が追いかけてくれるというのは、世界で楽しまれているアワードならではと思います。


車山1925m(長野県諏訪市)

山で無線をするために工夫する楽しみ
SOTAを始めることによって、単純に「山に登って無線を運用する」というアクティビティが増えただけでなく、いろいろと工夫する(せざるを得ない)ことになりました。一番工夫する必要があったことは、「装備の一層の軽量化」です。山に登る上で最低限必要な装備に絞ることは難しい反面、楽しいことでもあります。

普段の登山用具に加えて2~4kgの無線設備を追加で山の上に運び上げるために軽量化の工夫をしなければなりません。防寒/防雨装備・救急用品・ツェルト(簡易テント)・非常食・地図/コンパスなどは削ることができません。そこでいろいろ考え始めます。登山道に水場があれば、初期装備の水は減らして登ってから調達する。コンロはお湯が沸かせれば良い軽量のものに変更し、山で調理はしない。ゴミが出るようなものは極力持って行かない等いろいろと考えます。

また、無線設備については5Wちょっと程度の耐入力があれば十分なので、インターネットで公開されているポリバリコンを使ったEnd Fed Half Waveのユニットを参考にしてアンテナを自作しなおしたり、ステー代わりの細引きロープも軽量なものに替えたり、バッテリーもリチウムイオン系に変更する等々いろいろなことを考えることとなり、マンネリ化しかかっていた登山とアマチュア無線があらためて楽しいものになりました。

厳しい状況で聞くローカル局の声
山に登れば、寒さが厳しいとか、風が強いとか、思ったよりも登りが厳しく辛く思うことがあります。そんなときに、聞き慣れたローカル局の「お疲れさま!」「気を付けて下山してね!」等の声を聞くと元気をもらえるというのも良い点ですね。


2017年ハムフェア(山と無線ブースにて)

これからも、山と無線のマナーを守りながらマイペースでSOTAを楽しみたいと思います。もし、私たちのCQが聞こえていましたら、是非お相手をよろしくお願い致します。

SOTA WATCH2 : http://www.sotawatch.org/

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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