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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その67 SOTAを楽しむ仲間たち4

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

2023年5月15日掲載

5月の大型連休も過ぎ、いろいろと山に出かけられた方もたくさんおられたのではないでしょうか? 私自身も山に出かけ、コロナ対策の規制の無い大型連休で多くの方が登山を楽しんで居られた様子を見るに、ようやく平常時に戻ったのかな? と思いました。

さて今月はSOTAを楽しむ仲間たちということで、JS1UEH齋木さんからの投稿を掲載させていただきます。齋木さんはSOTA日本支部開始前からいろいろとご協力いただいていた方で、SOTAの山岳リストが正式に英国のSOTA本部で承認されたあと、日本国内で最初のSOTAアクティベーションを行われた方です。さて、そのSOTA日本支部最初のアクティベーションがどんな場所、そしてどんな形で実施されたのか? たっぷりと語っていただきましょう。



山行無線運用Report

JS1UEH 齋木 武
Date: July. 11, 2015 (SAT)

1. はじめに
2015年7月8日、JA1CTV/JH0CJH川内さんからSummits on the Air (SOTA) Japanの正式発足が告げられた。数か月前から待ち望んでおり、ファーストのアクティベーションの山に富士山を選んだ。コースは新田次郎の小説「芙蓉の人」を読んだ影響もあって、御殿場口を選んだ。

2. アラート


前日(出発前)に上げたSOTA Watchのアラート(運用予告)の記録アラート時刻はUTCであるので、00:00は日本時間の午前9時。SOTA Japanの発足当時の富士山のIDはJA/SZ-001であった。その後、JA/SO-001に変わった。

3. 登山
所要時間(コースタイム)
登り8時間10分(標準所要8時間20分)

御殿場口(1440m)01:30発 - 日の出04:35 - 3000m標識06:04 - 剣ヶ峰山頂(3776m)09:40着


茶屋前(1500m)を通過02:01


日の出04:35(2500m付近)



3000m標識06:04ひたすら砂礫の道を登る。


物資運搬用のブル(中央左)が登ってきた。
その後ろは宝永山07:25(3300m付近)



頂上前の馬の背の急登。


剣ヶ峰山頂着09:40


4. 無線運用


山頂の観測所脇に設営


18MHz用ワイヤーアンテナと50MHz用のヘンテナ



リグKX3、出力5W。電源は内蔵の単3型ニッケル水素電池x8本9.6Vと鉛バッテリ12V 2Ah 900g。
QSOは18MHz CW 11局うちVKが1局、SSB 1局、50MHz SSB 24局と交信(10:20から12:00)。
運用ログはSOTA Databaseにエントリー。

5. スポットの記録


Sat 01:21UTC(10:21JST) via RBNGate Postted by KU6Jでファーストスポット。
「not readable yet」は期待の高さだと思う。

6. 下り


12:24下山開始。富士山郵便局前12:44


砂走館(3100m)14:00



次郎坊(1900m)15:21。大砂走りの下りは楽にはならず、砂礫が靴の中に入って足裏がとても痛かった。砂礫が入らないようにゲイターが欲しい。

所要時間(コースタイム)
3時間50分(標準所要3時間30分)
剣ヶ峰山頂(3776m)12:25発 - 砂走館(3100m)14:00 - 御殿場口(1440m)16:15着

7. まとめ
09:00JSTの山頂運用予定に遅れること1時間16分、御殿場口コースの登りは砂礫を1歩登って半歩沈むの繰り返しで厳しく、時間もかかった。

50MHzはこれまでに移動実績があったが、18MHzをアラートしたのは、VKとつながることを狙ったもので、そして、VK5CZ(Ian)とQSOができたのは大きな成果であった。

ファーストから世界に打って出ることができ、SOTAアクティベーションの大きな魅力の1つを楽しめたと思う。



いかがでしたでしょうか? 日本初のSOTAアクティベーションは日本一の標高の富士山山頂から行われたのです。同時に世界中のチェイサーが、日本初アクティベーションを追いかけていたことも、ついこのあいだのように思い起こせます。8年前の当時SOTAと言っても誰も判らない様子だったと思いますが、齋木さんはじめアクティベータの方、チェイサーの方の積極的な運用で次第に広まってきましたが、その第一歩がこのアクティベーションでした。

SOTA日本支部ではSlackを使ったコミュニティプラットフォームがあります。すでに100人以上のSOTA愛好家の方々が参加されています。このコミュニティに新たに参加をご希望の方は私宛のメール、ja1ctvアットマークjarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。登録案内を送らせていただきます。

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