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今月のハム

JA6BMB 佐藤元一さん

福岡県福岡市中央区の5階建てビルにホームシャックを構え、リモート運用を中心に楽しまれているJA6BMB佐藤さん。免許を取得したのは1960年。九州大学のインターン仲間と、その義兄である井波さん(JA6AV)宅を訪れた際、英語でイタリアと交信をしている姿に感動したのがアマチュア無線との出会いであり、免許を取得するきっかけとなった。

開局当時のリグは受信機がBC779B、送信機は自作の6146終段P・SG(プレート・スクリーングリッド)同時変調。アンテナは2本の竹を使った7MHz用のフルサイズのダイポールアンテナでアクティブにオンエアした。1961年には2アマの免許を取得。その後、SSB主流の時代となり自作を諦め、TS-520を購入し、団地の屋上に建てたグランドプレーンで14MHz帯、SSBを中心に運用を楽しんだ。

1973年、現在の5階建てのビルの屋上にクランクアップタワーを建て、14/21/28MHzのトライバンダーを上げ、新たにTS-820を購入。DXCCは159エンティティを達成したが、佐藤さんはDXCCアワードを追いかけることはせず、あくまでのんびりとしたラグチューが中心で、楽しいハムライフを送っていた。そんな佐藤さんに転機が訪れる。自宅周辺に次々と10階を越えるマンションが建ちはじめ、いつの間にか高層マンションに囲まれてしまったのだ。そのせいで、電波は思うように飛ばなくなり、さらに追い討ちをかけるようにTVIという問題にも直面。やむなくQRTすることになってしまった。

QRTしてから実に30年余り経った2015年、アマチュア無線への想いを抑えきれず、カムバックすることを決意。アマチュア無線にとっては環境が良くない自宅をメインとした運用は諦め、新たに無線に適したロケーションの良い土地を探すことにした。しかし、何度となく土地を見に行ったが思うような物件は見つからなかった。そんな時、JR6LVR柴田さんから、土地とアンテナタワー、シャック用のコンテナハウスのレンタルの話が舞い込んできた。高台にあり、周辺には民家も少なく、無線を楽しむには絶好のロケーションだった。こうして、自宅から離れた場所ではあるが、理想的な環境で無線局を開局できることになった。コールサインには愛着があり、いつか再開したいとの思いから、5年毎の局免許は欠かさず更新し続けていた。開局にあたり、まず購入したのがIC-7410だった。30年のブランクを経てカムバックしたわけだが、アマチュア無線を再開して一番驚いたのはコンピュータの活用。とりわけDXクラスタの存在だった。佐藤さんは「DXクラスタはズルい。まるでカンニングをしているようだ」と笑う。


29m高のクランクアップタワーには、7/14/21MHzの5eleトライバンダー、18/24MHzの4eleデュアルバンダー、3.5MHzのVダイポールが上がっている


佐藤さんのリモートシャック(写真左)とタワーを監視するリモートカメラ(写真右)


JA6BMB佐藤さんとJR6LVR柴田さん

こうして開局したものの問題がなかったわけではない。自宅からシャックまでは片道、車で40分はかかる。渋滞すると1時間以上かかる時もある。往復するだけで2時間以上だ。思うように運用できずアクティビティが下がり始めた。そんな時、リモートシャックの存在を知った。地元のハムクラブの知人や、その友人など、多くの方の協力もあって2015年秋にはRS-BA1を使ったリモートシャックが完成した。メンテナンスや緊急時にはJR6LVR柴田さんがサポートしてくれている。

昔と比べると、リグや環境は大きく変わったが「ラグチューを楽しむというスタイルは変わらない」とおっしゃりながらも、カムバック後も佐藤さんは意欲的で、2016年夏には1アマ免許を取得。その年末にはアメリカのAmateur Extraライセンスと、幸運なことにW6BMBというコールサインを取得することもできた。さらに、最近賑わいをみせている7.195MHzにQRVするため、7MHz帯用AM送信機の自作も始めている。今年中の完成を目指しておられるそうなので、7MHz帯AMでその声を聞くことができるかもしれない。さらに、今年10月にはパラオからの運用も計画中とのことだ。今は半田ごてを握っている時間が一番長く、次にラグチューを楽しむ日々と話す佐藤さんだが、アマチュア無線への意欲はまだまだ尽きることはない。

最後に一番印象に残っているQSOをお伺いした。スコットランドの局とQSOしていた時、佐藤さんが「酔ってきたのでQRTする」と伝えたところ、相手局が「何を飲んでいるのか」と聞いて来た。「スコッチだ」と答えると「ブランドは?」と聞いてくるので「グレンフィディック」と答えた。すると、相手局はこう言ったそうだ。「グレンフィディックか、実は、私はその会社の社長なんだ」と。そこから、不安定なコンディションの中、途切れ途切れになりながらもラグチューを楽しんだそうだ。こんな想像できない出会いがあるからアマチュア無線は面白い。

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