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今月のハム

7L4IOU 出島久巳さん

東京都江戸川区から、自作を楽しみながら、デジタルモードを中心にオンエアしている7L4IOU出島久巳さん。コンテスト以外では最近はもっぱらFT8モードにオンエアし、「すでに1000局ぐらいQSOしました」、と話すが、FT8モードが開発、公開されたのが、本年(2017年)7月なので如何にこのモードにアクティブかがわかる。

出島さんのアマチュア無線との出合いは、秋田県に住んでいた中学生の頃、たまたま聞いていたラジオで、アマチュア無線の電波が受かった時だった。当時短波帯ではアマチュア無線でもAMモードが主流だったため、周波数さえ合えば一般的な短波ラジオでも受信が可能だった。

高校に入学すると、出島さんはアマチュア無線クラブ(JA7YCH)に入部した。入部後は、まずライセンスを取得するため、他の1年生と一緒に試験勉強を行い10月の国家試験を目指した。年に2回(4月と10月)しか国家試験が実施されていない時代だった。国家試験は仙台で受験する必要があったため、秋田からだと日帰りはきつく、出島さんらは一泊して受験したという。

一発で合格した出島さんは、すぐに開局申請を行い、JA7KBRのコールサインで開局した。「その時一緒に受験したクラブのメンバーにはJA7KAC(JA1ADT)佐々木さんらが居ますよ」、と話す。当時の秋田では3.5MHzで運用する局が多く、出島さんも開局当時は3.5MHzを中心に運用したという。

高校を卒業した出島さんは上京して八重洲無線に就職した。社内には有線テレタイプがあり、さらに当時の社長が、日本の局としては率先して無線テレタイプ(RTTY)を始めていたこともあって、出島さんはRTTYの存在を知ることとなった。しかし、すぐに運用準備を始めることは無く、諸事情で八重洲無線を2年で退職、秋田にUターンした。

出島さんがRTTYを始めたのは、秋田で就職した会社での転勤によって、ふたたび東京に出てきてからだった。当時人気を博したマイコンTK-80を入手し、RTTYとFAXを受信すべくプログラミングを行った。当時は通信社がRTTYでニュースを配信しており、まずはそれの受信を目標とした。出島さんはモデムを自作し、TK-80でデコードさせた。「確か50ボーで850Hzシフトでしたね」、と話す。回りにアドバイスをもらえる局が存在しなかったので、出島さんは書籍などを参考に独力で仕上げ、半年くらいかかってようやく受信に成功した。

さらに数年後にPC8001が発売されると、すぐにこれを入手して、今度はRTTYでのQSOを目指してプログラミングを行った。出島さんの本業は技術職でなく事務職だったため、「ファーストQSOを達成するまでは、本当に苦労しましたが、できたときは本当にうれしかったですね」、と話す。

仕事が落ち着いたこともあり、出島さんは東京でも新規開局し1エリアの免許を得た。しかしCWでそのコールサインを打つと符号が長く、コンテストで運用するにも、珍局をコールするのに不利であった。そのため平成に入ってから一旦廃局し、7L4IOUとして再開局した。「7L4IOUもよくZL4IOUとミスコピーさせるのであまり良いコールではありませんけど」、と苦笑する。今ではデジタルモードの運用が中心となっているが、「生涯QSO数は、まだまだCWの方が多いですよ」、と話す。

出島さんが今一番熱中しているのが、前述の様にFT8モードの運用である。このモードは現在開発中ということもあり、バージョンアップの度に新機能が付加されている。DXペディション対応版には、同時にデコードした局を信号強度順に並び替える機能が追加されるとのこと。もしDXペディション局がこれを使って信号の弱い順に応答を始めると、出力に任せてコールした場合いつまで経ってもコールバックが得られないことになる。かといってあまり出力を絞ると、相手局にデコードしてもらえないかも知れない。「もしこれを大きなDXペディション局が使うと、勝負の駆け引きが面白いですよね」、と話す。

出島さんは、現在アンテナの実験も行っており、その評価にFT8を使用している。実際には、4エレトライバンダーと14MHzモノバンドの垂直2エレ八木の比較である。2つのアンテナで、2台の無線機を使って同一周波数を同時に受信し、同時に2つのWSJT-Xを立ち上げて受信信号を比較するというものである。FT8はS/Nが数値で見えるため、このような評価でも使用できることを教えてくれた。


出島さんのアンテナ群
垂直2エレの下側エレメントは、回転時にルーフタワーのステーに接触しないように、キャパシティハットにしている

一方、出島さんは自作にも熱心でいろいろな周辺機器を作っている。たとえばフィルター。現在、出島さんはRTTYスキマーサーバーを常時走らせているが、受信機にはRed Pitayaという計測用ボードをSDRとして使用している。これは、もともとオシロスコープ用でフロントエンドにフィルターが無いため、当初何かからの抑圧を受けてうまく動作しなかった。インターネットでアドバイスをもらい調べてみると、近くにある東京スカイツリーから発射される、かつてのアナログTV放送帯にあるマルチメディア放送からのものだった。出島さんは、さっそく、HFアマチュアバンドだけを通すフィルターを自作して、この問題を解決した。


RTTYスキマーサーバーと併せて稼働中のRed Pitaya SDR


1.8-30MHzを通過させる自作フィルター

出島さんは、「キットはいろいろ作りましたが、いつかオリジナルの自作機でオンエアしたいですね」、「自作はもちろん興味からですが、やはりきちんと動くと楽しいです。怖いもの見たさもありますね。飽きたら次のものを作ります。一巡してまた戻ってくることもありますよ」、と自作の楽しさを話す。


シャックに常備のCNCフライス


SO2R用に作ったHF用デュプレクサー。1本のトライバンダーを2台のトランシーバで使える。


14MHz用バンドパスフィルター

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