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今月のハム

JO4BOW 濵本利幸さん

鳥取県北栄町から電信をメインにアクティブにオンエアしているJO4BOW濵本さん。音楽や車など多趣味な濵本さんのアマチュア無線との出会いは比較的新しく、1996年、車同士での連絡に便利だから一緒に免許を取ろう、と車仲間から誘われて養成課程講習会を受講し、第4級アマチュア無線技士の免許を取得した。31歳の時だった。しかし、実際にアマチュア無線を始めるには、無線機を準備して開局手続きをすることが必要と後でわかった。ちょうどその頃から携帯電話が広く普及したこともあり、仲間や家族との連絡用であれば携帯電話の方が便利だと考え、開局を果たすことなく月日が流れて行った。

そして免許取得から10年以上が経過した2007年、たまたま立ち寄ったリサイクルショップに並んでいた特定小電力トランシーバーが目にとまった。子供の頃、マンガ雑誌の広告に掲載のおもちゃのトランシーバーが欲しくても買ってもらえなかったことから始まり、中学時代には技術家庭の授業でトランシーバーを作り、電波が送受信されて離れた相手と交信できることが、たまらなく魅力的に感じた経験が思い出された。濵本さんはその頃から無線通信へのぼんやりとした憧れがあり、何に使うのかはさておき特定小電力トランシーバーを2台購入した。「子供の頃の憧れだった市販のトランシーバーを初めて購入したわけです」、と話す。

このトランシーバーは測量の仕事での連絡で使ってみたものの、せいぜい数百メートルしか届かなかった。しかし、その時、アマチュア無線技士の免許を持っていることを思い出し、アマチュア無線ならもっと遠くの相手と交信できるだろうと考えてアイコムのハンディ機IC-T7Dを購入した。たまたま本屋で手にしたCQ誌に開局などの電子申請を解説した別冊付録がついていたこともあり、初めてCQ誌を購入して、さっそく電子申請による開局申請を行った。

「慣れない申請で大変でしたが,かつて従事者免許を取得したときとは違い、ちゃんとやり通す決意があったので、無事に開局を果たすことができました」、と濵本さんは話す。従免取得から10年以上足踏みしたが、2008年9月1日、JO4BOWのコールサインが割り当てられ、ついにアマチュア無線局を開局することができた。

晴れて開局を果たした濵本さんは、来る日も来る日もIC-T7DでVUHF帯のFMをワッチしたが、聞こえてくるのは業務まがいの交信ばかりで、アマチュア無線の交信とは言いがたいものだった。CQを出している局など皆無で、全く交信することができなかった。さらに知り合いにアマチュア無線家は1人もおらず相談相手がいなかった。そのため、システムの構築はもちろん、アマチュア無線のルールやマナーもわからない。「全くの手探り状態で開局当初は途方にくれていました」、「それでも後には同じ町内のOMさんと知り合うことができ、多くの悩みを解決できました」、と話す。

VUHF帯のハンディ機では交信相手がいないことが判り、濵本さんはネットで中古のHF機を購入した。しかし、これが100W機だったため4アマ免許では使用できなかった。結果的に2アマ以上の資格取得の必要性に迫られた濵本さんは、どうせなら2アマではなく1アマ合格を目指そうと決心して試験勉強を開始した。

2009年4月期の1アマ試験に挑戦したものの、甘く見ていた法規が合格点に達せずに不合格。同年8月実施の国試は日程の関係で1アマが受験できなかったため代わり2アマを受験したところ今度は合格、晴れて100W機を使える資格を手にした。さっそく変更申請を行いHF帯の免許が下りると濵本さんは7MHz SSBにオンアエしてみた。すると交信相手はいくらでもおり、2009年11月、緊張する中でついにアマチュア無線での初交信が成功した。

交信を重ねるごとにアマチュア無線の楽しさが解った濵本さんは、翌年にはHF帯の出力を200Wへ増力、さらに1アマ合格の夢が諦められず2010年4月期の試験に再度挑戦して無事に合格した。リニアアンプを入手してさらなる増力を決意した濵本さんは、総合通信局の検査時に試験電波を発射する際はCWで行うものだと勝手に思い込み、試験官の前で下手なCWを打つと恥ずかしいからという理由で、検査の日までにCWのスキルアップをしておこうと考え、CWによる交信を始めた。当初はそのような動機で始めたCWだったが、その後すっかりCWの魅力のとりこになり、今では年間交信数の約9割がCWモードでの交信になっている。

2010年10月に変更検査に合格して1kW免許を取得。2011年の夏には念願のタワーを建設して八木アンテナ架設した。その後はアンテナのグレードアップや50MHzも1kWに増力した。現在濵本さんはメインリグとしてIC-7800を使用しており、特に気に入っている点を3つ挙げる。まずは受信音の良さで、澄んだCWトーンや、まるでFMを聞いているようなクリアなSSBの受信音により長時間のコンテストでも疲れ方が違うと説明する。次はフィルターの切れと相まって、基本性能の高さからサイドからの抑圧を受けにくい点。そして、マウス操作も可能なリアルタイムスペクトラムスコープによる実戦面での操作性の高さを挙げる。


2017年2月現在のアンテナ群
上から50MHz7エレ八木、7-28MHzマルチバンド八木、3.5MHzロータリーダイポール、1.9MHzワイヤーダイポール

濵本さんは、アマチュア無線を始めて良かったこととして、アマチュア無線という共通の趣味を持つ友人が増えたことを挙げる。鳥取県という土地柄、VUHFでは交信相手が見つからなかったもののHFに出るようになって知り合いも増え、県内外のアマチュア無線家とアイボールQSOする機会も多くなった。「アマチュア無線では日本全国はもちろんのこと、海外の仲間と知り合いになる機会があります。これは他の趣味ではなかなか無いことだと思います」、と話す。

思い出に残っているQSOとして、トルコのTA2STとのQSOを挙げる。TA2ST Taskinさんから濵本さんのところに、「WAJAの完成のために鳥取県の局とQSOしたい」というEメールが届き、スケジュールを組んでQSOした。「日本から遙か離れた外国でも,日本の都道府県や市町村と1つ1つ交信することに楽しみを感じているアマチュア無線家がいると知り、驚くとともに嬉しくなりました。このように交信を重ねるごとに仲間の輪が広がっていき、アイボールしたり、情報共有したりし合えるアマチュア無線は本当に素晴らしい趣味だと思います」、と話す。

濵本さんは現在コンテストに力を入れており、国内コンテスト、DXコンテストともに楽しんでいる。「コンテストは毎年リセットされるので、私のような最近始めたハムでも同じベースで戦えることが気に入っています」。国内コンテストでは、オールJAコンテストや全市全郡コンテストでシングルバンドでは全国優勝も果たした。「今後は、タワー、アンテナ、リグの数を増やしてSO2R環境を構築し、さらなる上位を目指したいです」、と話す。

また、「私は学生時代に無線部に所属したことがなく、自己流でコンテストをやっているので、一流の人のオペレーティングテクニックを学びたく、機会があればぜひマルチオペ環境でコンテストを戦ってみたいです」。さらに濵本さんはDXCCも追いかけており、交信数が287エンティティに達した。「これはまだまだ先が長いです。一生かかってもコンプリートできないかもしれません」、その他にも、「日本とは違ったロケーションでパイルアップを浴びてみたく、ぜひ海外で運用してみたいです」、「またCWが好きなので、英語圏の海外局とCWでラグチューができるようになりたいです」、など濵本さんには多くの目標がある。今後これらをひとつずつ達成していくだろう。

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