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今月のハム

JS3MXP 村田泰宏さん

「おもろいアンテナを作る会」の代表、JS3MXP村田泰宏さん。鹿児島県徳之島出身の村田さんは、高校入学と同時に兵庫県西宮市に転居し、その後平成2年(1990年)に西宮市でJS3MXPを開局した。アマチュア無線を始めたきっかけは、当時、友人らと車やオートバイでドライブしたり、キャンプに行ったりして楽しんでいたが、その頃はまだまだ携帯電話が普及しておらず、出先で友人達と連絡するのに便利だと思い、養成課程講習会を受講して免許を取得したそうだ。

開局バンドは430MHzで、その後今に至るまで、村田さんのメインバンドはずっと430MHzのまま変わっていない。開局5年後の1995年に阪神淡路大震災が発生した。村田さんは、せっかく持っているアマチュア無線の資格と経験を活かしたいという理由で、ボランティア活動に参加。平日と土曜日は仕事から終わってから、日曜日は朝から参加したいという。主な通信内容は、支援物資が今どこにあるかなどの情報交換だった。


村田さんの移動運用車両

村田さんは、これまでアマチュア無線をやってきて良かったこととして、「CQを出せば、子供から大人まで年齢に関係なく誰とでも話ができ、友達が増えて行くことです」と話す。そんな村田さんは1日1交信を目標とし、ほぼ毎日電波を出している。ただしファーストQSOには特にこだわっておらず、とにかく1日1交信すること。そして、一番力を入れているのは、アンテナ制作である。特にメインバンドである430MHz用の「おもろいアンテナ」を作っている。それらのアンテナへの問い合わせがあれば、無線交信の中で作り方などを説明している。「電話では味気ないので、できるだけ無線の交信で説明するようにしています」と話す。

村田さんは、5年程前からアンテナを作るようになったが、「おもろいアンテナ」を作るようになったきっかけは、かつて、モービルホイップに空き缶をつけたものを見た記憶があり、空き缶でいけるのならば、それに代わる金属でも行けるだろうと考えてアイスクリーム用のスプーンをつけてみた。長さをきちんと調整すると上手くいった。その次はスプーンの代わりにホイッスルをつけてみたところ、これも上手くいった。その後は、爪切り、水道の蛇口、ホッチキス、目玉クリップ、灰汁取り、たわし、仕舞いには蚊取り線香の金属ケースなど次々に取り付けてみたところ、きちんと調整をすれば全て同調したという。


アイスクリーム用スプーンから蚊取り線香の金属ケースまで各種制作

その頃は、10mmのアルミパイプに穴を空けて、上記のものを取り付けていたが、アルミパイプより真鍮パイプの方が見栄えが良いことに気づいた。そこでホームセンターで入手した4mmの真鍮棒を曲げてモノのカタチを作ったところ、とても良い仕上がりになった。ここから村田さんは、4mmの真鍮棒を使ったアンテナを作るようになる。棒状の金属なので、折ったり、曲げたりすることで、比較的に自由にカタチが作れることもあり、バリエーションが広がっていった。


船の装備を使って、真鍮棒を曲げているところ。

その後、コールサインや名前の文字を入れる様になると、村田さんは、材料をより加工のしやすい3mmの真鍮棒に変更した。これで以前より細かい加工が可能になり、いろいろなカタチが再現できるようなった。ただし、コネクタのある基礎部分は市販品を使っていることから、ここだけ4mmにする必要があるので、エレメントの根元は4mmの真鍮パイプにしている。


外枠に4mmの真鍮棒を使ったアンテナ


3mmの真鍮棒を使ったアンテナ群

なお、アンテナのサイズは、これまでの経験から勘で決め、調整を行う垂直部分だけを少し長めにして、目的周波数(433MHz)より少し下に同調するようにし、カットアンドトライで合わせている。調整前の共振周波数でのSWRが1.0まで下がっている場合は、433MHzで1.0になるように調整するというが、これは村田さんのこだわりである。


新西宮ヨットハーバーに係留したボートの甲板でいつもアンテナを作っている。


操舵席には各種無線機を装備。メインはIC-7100S。

村田さんは取材した3月6日時点ですでに234本のアンテナを制作しており、調整前でも同調周波数が大きく外れることは無いという。144MHzへの対応は、「垂直部分を40cmくらい長くすれば、同調しますよ」と話す。村田さんはこれまで制作したアンテナの仕様(制作時間含む)はすべてノートに記載して管理している。


まずは設計図を描き、そのカタチに真鍮棒を加工する。


234本目に作ったアンテナ。
下にあるのは友人のJA3JGO局が設計した高周波を検知して光るLED。

また村田さんは、短縮型のモービルホイップだけでなく、ヘンテナも真鍮棒で作っている。まずは基本形のヘンテナを1本作り、その後魚や鳥のカタチのヘンテナに展開している。基本形ヘンテナの調整は、調整バーを芯線側、網線側の両方を同時に動かすが、村田さんがアレンジしたヘンテナの調整は、網線側を固定し芯線側だけを動かして調整しているという。


左上が基本形ヘンテナ。その他が村田さんのアレンジ。


モービルホイップに指向性をもたせる八木型アタッチメントも制作。
左下は電界強度計。これを使って指向性を確認する。

村田さんのこれまでの交信実績は、1990年の開局以来、異なる2276局と交信した。2019年は166局となっている。「多くの無線局との交信を通して、学ばせていただいたことは素晴らしいことです」、と村田さんは話す。


おもちゃを付けたり、同軸を巻いたり、色々とアレンジ。

村田さんは今後やりたいことは、「ルールの下で皆が楽しく自由に交信できる環境作り、電波適正利用活動を行っていきたいです」、と話す。また、万一の災害時にも活かせるように、村田さんはハンディ機、アンテナ、三脚を一体化したセットをいつも持ち歩き、さらに愛車には、無線本部としても使えるように無線機材をセッティングしている。


ハンディ機セット。

取材の最後に村田さんは、「アマチュア無線でネー」という自作の歌をハーモニカの演奏を添えて聞かせてくれた。この曲以外にも数曲、村田さんは作詞作曲しているそうだ。


船内のカラオケセットで歌唱中の村田さん。

村田さんは、作ったアンテナを自身のプログにアップするようにしている。興味があったらぜひご覧下さいとのことだ。
https://js3mxp.hatenablog.com/


JH1CBX Masacoさんにプレゼントしたアンテナ。

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