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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その6 SOTAの楽しさについて(JF3KLHさん)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。今回は、関西でアクティブに山岳移動をされ、SOTAの普及活動も積極的に行っていただいているJF3KLH横田さんを紹介いたします。

昨年の関ハムでは初めてSOTA日本支部の出展を行っていただき、とても多くの仲間にSOTAというアワードプログラムを広めていただきました。実はその時にFBニュースの編集者からも興味を持っていただき、今回の連載が始まるきっかけともなっております。横田さんはSOTA日本支部ができた当初からSOTAに興味を持っていただき、アクティベーションを行っていただいています。

今回、横田さんには山頂から無線運用することの醍醐味と楽しさを紹介していただいています。さらに、アマチュア無線そのものを山岳での安全のために活用すべくアマチュア無線そのものを全く知らない方にも積極的に紹介を進めていただいております。このように様々な角度からのSOTAの楽しさ、山岳移動運用の楽しさを語っていただきましょう。

SOTAは山でのお楽しみ

JF3KLH 横田嘉人

JF3KLHの横田です。2013年に35年ぶりにカムバックした爺ハムです。SOTA日本支部設立と同時にアクティベーターとして活動しています。

ホームベースにしているのは地元大阪府高槻市と京都市西京区にまたがるポンポン山(JA/OS-005)です。正式名は加茂勢山(かもせやま)といい北摂山系の山です。都心には珍しく2月にはフクジュソウ、4月にはカタクリ、8月にはオオキツネノカミソリと植生も豊かで秋には登山道が京都西山の善峯寺に続いていることもあって紅葉目当てに登る方も多いようです。標高は678.9mの低山ですが大阪平野と京都市内を一望できることからU/Vで運用すると3エリアはもちろん愛知、三重、岐阜、長野、徳島県といったところとハンディ機でも交信ができます。偶然にもポンポン山がSOTA対象の山と知ったこともあり2015年7月からSOTAのアクティベートを開始しました。


ポンポン山山頂。週末はハイカーとトレイルランの人達で賑わう。

その前に無線との出会いはというと中学生の頃に友人の影響でCB無線を始めました。流行になったBCLにもはまってましたね。高校に入学するとアマチュア無線の電話級(現在の第4級)を取得し当時はトリオでしたがTR-1300で50MHzからデビューしました。暫くはハムライフを満喫していましたが大学に入るといつの間にかフェードアウト。青春を謳歌してたんでしょうね、コールサインこそ維持しながら長い休眠生活を続けていました。

また登山との出会いは小学生の遠足でポンポン山に登ったのが始まりです。社会人になり広島での勤務時代に県北部芸北地域の深入山や臥龍山に登ったことが今思えば山に目覚めたきっかけです。同じ頃、取引先の東広島市にある某携帯端末メーカーでアクティブなOMさんと知り合い、瀬戸内に面した野呂山の無線小屋を訪ねました。そこには無線屋なら憧れるHF用のフルサイズの巨大八木アンテナが並び、自然界ノイズだけという山ならではの静寂の世界を体験しました。しかし、第1級アマ資格者でないと運用が許されず、当時第4級だった私は何もできませんでした。その経験もあってか時間はかなり経過しましたが2013年に第1級アマチュア無線技士の資格を取得しカムバックすることになりました。

SOTAに話を戻しましょう。運用を始めて間もなくのこと432.860MHzで長波のように長いQSBを伴って聞こえてきたのは南アルプスの名峰甲斐駒ケ岳からのCQでした。山好きなら一度は登ってみたい憧れの山です。交信できた時は、それはうれしくてアドレナリンが倍増でした。その翌週には北アルプスの3,000m峰乗鞍岳からのCQをキャッチ、こちらも難なく交信ができました。

それからというもの、山での運用が面白くはまってしまいました。恐らく固定からだと大きなアンテナと出力がなければ交信できないような場所にQRPでも標高差を味方にすれば10倍や100倍?の威力を発揮することを実体験したのです。

それまではというとATUとLWというスタイルで固定からHF帯にQRVしていましたがパイルの中、声を枯らしてコールしてもなかなか取ってもらえず、パイルが治まるのを待ってコールすると今度は相手局がCLなんてことがあったり、単調なQSOにも閉塞感を感じていましたのでこの感動は新鮮で大きな刺激になりました。それ以降、私のハムライフは山での移動運用へと一変しました。

その後、多素子アンテナで利得も味方にすればもっと遠くに届くだろう、ついでに軽量化も図ろうと430MHz用7エレメント八木アンテナを初めて自作しました。成果も上々で他の山でも試したくて活動範囲が広がっていきました。最近ではU/VだけでなくHFでも自作アンテナで運用し相手局にQRP運用と伝えると大抵驚かれちょっとした快感です。

ところで山に登るには機材の軽量化がどうしても問題になりますが、そこは知恵と工夫を凝らし時には自作する正しくアマチュアスピリットそのものでありSOTAの魅力と感じています。

工夫といえばQSLカードは毎回登った山や花の写真を入れて発行しています。カードにはBLOG(SOLO*WALKER:http://fmmido.exblog.jp/)のアドレスを明記し当日の模様をご覧いただけるように連携させています。(単に自己満足の世界ですけど)

ところで山での楽しみ方として「ヤマメシ=山ごはん」が近頃流行ってますね。私もFacebookのグループ会員ですが・・・。同様にSOTAも山での楽しみ方とすればモチベーションも上がり、登るのも苦になりません。いや、ならないと思います。あっスイマセン、嘘つきました。しんどいです。おまけに体を動かして汗をかくことで代謝を促進し、知らないうちに健康な体作りができるエクササイズとする一面もSOTAの隠れた魅力です。

勿論、山に登るのは苦手という方には固定から移動する側のアクティベーター局を追っかけるチェイサー部門があります。

これらの魅力とともに世界標準の山岳アワードとして多くの方に知っていただきたいという思いから関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2017)に初めてSOTAのブースを出展しました。

事前にSOTAのメーリングリストでKANHAM出展への思いを込めドネーションを募ったところ、何と見ず知らずの私共に対し全国のメンバーから続々とドネーションが寄せられました。いや~これには感動しましたね。と同時にプレッシャーも半端なかったですけど。熱いぞ!SOTA JAPAN

登山口に「探しています」という看板をよく見かけます。いわゆる行方不明者の捜索です。2016年6月ポンポン山でのこと、「先程からうずくまって身動きできないご婦人がいるので無線で救急連絡してほしい」と他の登山者から頼まれ非常通信を実施しました。幸いにもSOTAメンバー各局がそれを受けて119番通報してもらい京都府消防局並びに高槻市消防本部にそのご婦人をヘリ搬送してもらったことがあります。ロケーションが良くても携帯電話の電波は届いたり届かなかったりでしたので携帯電話に依存するのは禁物です。

また運用中に「これって何ですか?」ってよく聞かれます。アマチュア無線がガラパゴス化していることに思わず愕然としますが、稀に「免許を取るにはどうすればよいのでしょうか」と尋ねられることがあります。

大峰山系の稲村ケ岳で運用していた時もそうでした。女性登山者さんから「以前、大峰の山中で友人が水を汲んでくると言ったきり帰ってこないので、見に行ったら捻挫して動けなくなっていたそう。携帯電話で119番したが圏外で連絡がつかず結局友人を電波が届くところまで抱えて移動した」と経験談を話してくれました。以後、携帯電話はどこでも繋がるわけではないと学び、無線機の所持を考えたそうですが、肝心のアマチュア無線の免許の取り方が分からず無線をしている私に声をかけたというわけです。


ポンポン山山頂では高槻市消防署員が担架の準備をし京都市消防局のヘリが吊上げ搬送

今、一個人としてSOTA運用を兼ね機会があれば「山に行くなら無線機を持とう」と啓蒙しています。というのも登山者に身近に訴求できるのは山に登って無線機を扱う我々だからできることではないかという勝手な思いからです。

アマチュア無線は交信を楽しむだけでなく、山では自分の身を守る通信手段にもなります。無線機だって最近ではメーカーの努力で軽量化され安価に手に入るようになりました。あとは登山者に無線機の所持を促し、難しいと思われている無線従事者、無線局免許取得の支援が望まれます。願わくば山岳関係者、日本アマチュア無線連盟(JARL)、無線機・山岳用品メーカーの皆さんが連携し山の魅力と同時に無線機の所持促進に一役かっていただきたいと思っています。そして一人でも多くの命をつないでいただけることを願うばかりです。

最後に、やまびこの如く私のコールサイン“JF3KLH”が聞こえて来ましたら是非とも交信をお願いいたします。73&88! de JF3KLH

いかがでしたでしょうか。 今回まで6回に渡りSOTAの楽しさを紹介してまいりました。 実は昨年の関ハムにおいてFBニュースの編集部からいただいたご提案は6回の連載でした。しかし、このSOTAの連載に関しての人気が高いということで、さらに6回の追加連載が決まりました。今後、半年間に渡って、さらにSOTAを楽しまれている方々、およびその楽しみ方を紹介して行きたいと思います。ご期待ください。

川内徹 JH0CJH

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