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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その20 SOTAにハマる(JG1BOKさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

皆様、こんにちは。東日本と九州南部はすでに梅雨入りが発表となりました。この原稿がFBニュースに掲載される頃には、日本全国が梅雨入りしているのではないでしょうか。梅雨入りしても毎日が雨というわけでもありません、梅雨の中休みを見つけて暑い夏が来る前に登山を楽しみましょう。今回は主に関東から上信越にかけてSOTAを楽しんでおられる、JG1BOK 川真田さんのSOTAの楽しみ方を紹介したいと思います。川真田さんは、SOTAの日本でのランキングではTop3にランキングされている、山岳アマチュア無線家です。主にHF CWを中心にQRVされていますが最近は1.2GHzにもアクティブにQRVされています。今日はそんな川真田さんがなぜSOTAにハマったのか、その秘密を紹介していただきましょう。

SOTAにハマる

JG1BOK 川真田 智

もともとHF帯のCWが好きで、HomeからDXを追いかけることを楽しんでいました。山登りも好きで、よく行っていましたが、ラジオ兼緊急用のハンディー機を持っていく程度で、交信はほとんどやっていませんでした。2年ほど前に、SOTAの紹介記事やHPを見て、試しに山の頂上から運用(アクティベート)を始めてみたところ、面白く、何度かやるうちにハマった状態になりました。天気の良い週末は、だいたい山に行きますが、最近はSOTAのアクティベートが主役です。私の運用スタイルは、HF帯CWが主ですが、最近は1.2GHzFMにも手をだし、こちらもハマりつつあります。

なぜハマった

私は目標に向かってステップバイステップで進み、途中のプロセスと目標達成を楽しむようなもの、無線で言えばDXCC、そして山登りが好きです。SOTAも、1山1山進み、Awardなどの目標を達成していくことを楽しむプログラムですので、すぐ好きになりました。さらにSOTAは無線と山登りの掛け算ですので、楽しみが何倍にもなることを実感しています。山道具に凝るように、リグやアンテナにも凝る。Homeと違って大きさや重さが極端に制限される中での最適化、技術屋魂が燃える領域で、楽しみは尽きません。また、SOTAは、参加や申請の手軽さとスピード感が格段に良く、各種Awardなども楽しめるように工夫されています。ログを登録すると即ポイントが計上され、Web上で結果を見ることができます。最初は1000ptを目標に、近づいていくとますます楽しくなり、1000pt達成しAwardをもらって、さらに楽しくなり、そして気が付くとハマった状態でした。

なぜHFのCW

第一に、単純に好きだからです。第二に、SOTAのプログラムは全世界的なものなので、海外の局とつながれたら、より楽しめると思うからです。限られた装備、山頂での運用、という中で考えると、HF帯CWが有利、ということでHFのCWなのです。リグの自作が比較的容易なことも良い点で、始めたころは自分で組み立てたエレクラフトKX1を使っていました。自作のリグで交信できると、楽しみは倍増します。

なぜ1.2GHz

第一に、アンテナのサイズが小さいので、多素子のアンテナでも小型軽量なことに加えて、工作や調整がやりやすく、手軽に試行錯誤を楽しめるのがポイントです。第二にSOTAにはMicrowave Awardがあり、これが気になるというのがあります。また、このバンドは空いていることも多いので、Phoneにはあまりなじみがない私でもCQが出しやすいバンドです。空いていてもワッチしているファンの方はかなりいるようで、IC-9700も出たこともあり、盛り上がりそうな気配を感じています。

楽しみ―その1

最高の展望の中、選りすぐった機材で、好きな無線をやる、これがなんといっても一番の楽しみです。Homeでは都市ノイズが多くて悩まされますが、山の上ではノイズも少なく、こちらのCQに応答してDX局の呼ぶ信号が微かに聞こえてくる瞬間、なんとも言えないうれしさがこみあげてきます。また、他の山頂移動局との交信(S2S:Summit to Summit )も、同じ楽しみを分かち合える一体感が感じられてうれしいです。


2018年7月 針ノ木岳(JA/TY-007)から運用

楽しみ―その2

小型、軽量、設営時間短縮をめざして、装備や機器を工夫するのも楽しみの一つ。特に楽しいのはアンテナ作りで、シミュレーション、工作、テスト運用を繰り返しやっています。サイズ、重量と飛びの最適化は永遠の課題だと思います。今は写真のように、縮長30㎝全長3mの小継グラス竿の短縮バーチカルで主に80m~20mにQRVしていますが、すぐ違う形になるかも知れません。また最近始めました1.2GHzのアンテナは、小さいので室内で工作や調整ができるため、気付いたら何個も作っていました。いかにエレメントをコンパクトに収納し、素早く簡単にセットできるかがポイントで、現時点での自分なりのベストは、ナイロンベルトを袋状に縫って、くるくる丸めて収納し、グラスロッドに刺して展開する5EL八木ですが、まだまだ工夫が足りないと思っています。


(左)HF帯アンテナ(右)1200MHz折り畳みアンテナ

楽しみ―その3

CWや音声交信以外の楽しみとして、APRS(Automatic Packet Reporting System)があります。山頂からビーコンを出して、山頂移動をPRすることで、交信の機会を増やすだけでなく、遭難対策にも役立ちます。運用局とのメッセージ交換や、普通のメールアドレスへEメールも送ることができます。また、SOTAクラスターの情報もアップ&ダウンできます。JL1NIE局の力作SLIPPERは多機能なAPRSサービスを提供してくれます。その一つに、頂上に着くとWelcomeメッセージを送ってくれる機能があり、メッセージが来ると登りの苦労が褒められたようで、うれしいです。


SLIPPERからのメッセージ


APRSビーコン地図表示(https://ja.aprs.fi/)

楽しみ―その4

下山後は、自宅で心地よい疲れのなかで一杯、が最高の楽しみですが、SOTAにはAwardが何種類もあるので、これを目指すのも楽しみです。アクティベーターの1000PtAward(Mountain Goat)は取得できましたがチェイサー(アクティベーターの追っかけ)やS2Sはまだまだで、最近始めた1.2GHzのMicrowave Awardも密かに狙っています。

Mountain Goatアワードとトロフィー

また、下界で同好の士とのアイボールやイベントに参加するのも楽しみです。山登りも無線も、様々な面で経験と工夫が必要な趣味ですので、貴重な情報交換の場です。お話もお酒も自然とすすみ、とても濃い時間を過ごせます。

最後に

SOTAはオープンなプログラム、参加するのに敷居はありません。ルールはSOTA日本支部のサイトhttp://www.kawauchi.homeip.mydns.jp/sotajp/で翻訳されたものが見られます。参加は自己宣言で、ログは自己申告で、OKです。周波数帯はHFでもUHFでも、モードはCW、SSB、FM、最近流行りのFT8でも、免許の範囲で自分の好きなスタイルで運用すればOKです。試しにSOTAWATCHというサイト(SOTA日本支部のHP→オンラインツールから行けます)で全世界の現在運用局、運用予定を見てワッチしてみてください。そして聞こえましたら応答してみてください、そうすればもうチェイサーの仲間です。

SOTA日本支部のサイトにあるキャッチフレーズ「地球規模で遊ぼう」、まさに全世界の愛好者を相手に、山×無線で遊ぶ楽しみを与えてくれるSOTA、ますますハマります。

いかがでしたでしょうか? 川真田さんは現在日本でのSOTAでTop3にランキングされていることは、冒頭に書きましたが、特に標高の高い山に多く登られるため、平均登頂高度は日本最高レベルです。これは川真田さんの体力も気力ももちろんですが、どれだけ山を愛しているのかということに尽きるのだろうと思います。無線についてもいろんな工夫を施したアンテナも自作されています。1.2GHzの折り畳みアンテナはまさに目からうろこが落ちる思いでした。皆さんもこんなにいろいろな楽しみ方のあるSOTAを始めてみませんか?

SOTA日本支部では常時メーリングリストの申し込みを受け付けております。私宛、コールサイン@jarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。

JH0CJH 川内 徹

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