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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その16 私とSOTA(JF1NDTさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

寒い毎日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

確かにこの季節、外は寒いですが、でも雪の少ない地域では低山に登るには炎天下の夏よりも適しているという方もおられます。皆様も防寒対策、安全対策をして低山登山アドベンチャーなどいかがでしょうか?

さて、今回は関東地域で、いや全国区で非常にアクティブにSOTA運用を展開されているJF1NDT 長田さんを紹介したいと思います。長田さんは、ほぼ毎週どんな天候であろうとも、どこかの山から聞こえてくるほどアクティブなSOTAアクティベータです。このためSOTAのアワードの最高峰であるMountain Goat賞を2年弱で取得した実績をお持ちです。他にもSOTA本部が発行している、Shack Sloth賞、100 Unique Summits賞、S2S賞もすでにSilverまで行っているSOTAアワードのトップランナーです。今日はそんな長田さんのSOTAの楽しみ方を紹介していただきましょう。

「私とSOTA」

JF1NDT Yuki

私がSOTAを始めたきっかけは、2015年の春に私の長男(成人)とひょんなことから夏に富士山に登ろうという話になり、本番までに足を慣らす意味で近郊の低山に登り始めました。
最初は登山のみで無線機を持たずに関東近郊の大山や金時山、大菩薩嶺などに登り、その年の8月に無事、富士山登頂も果たしました。そんな形で段々と登山の魅力に引き込まれ、その後も神奈川や山梨の低山を中心に登っていました。そして、ある時から自宅にあったFT-817を持って登り、山頂から交信するという登山のスタイルに自然に移っていきました。

ちょうどその頃にネットで次に登る山を検索していると、JH0CJH川内さんのブログに辿り着きSOTAなるものを初めて目にし、興味を持ったのが2015年の秋でした。その頃まだJAではSOTAは開始間もないということでしたが、既に何人もの局が登録されていて、私も早速登録を済ませ、登山の度にログをアップし、そしてその中で自分の順位が山に登るたびに上がっていくのが楽しみになりました。長年コンテストもやっていましたが、努力が直に数字に表れるのもSOTAの魅力のひとつだと思います。


FT-817と電源は18650リチウムイオン電池


釣竿に沿わせたギボシDP

またSOTAはアワードハントの楽しみ方もあります。交信時のQSLカードが必須では無く、交信ログを登録する時の宣誓だけでOKです。他のDXCCやIOTAなどと違い、QSL収集の手間が無く、整理が苦手な私にはぴったりで非常に良いシステムだと思います。2016年から本格的にSOTA運用を開始した私はチェイサー部門(追っかけ側)で2017年6月に1000ポイントとなり写真のようなアワードとトロフィーを獲得する事が出来ました。


Shack Sloth Award


Shack Sloth Trophy

また2017年11月には念願のアクティベート部門(山に登る側)でも1000ポイントとなり、同じくアワードとトロフィーを獲得出来、現在に至っています。


Mountain Goat Award


Mountain Goat Trophy

一口に1000ポイントと言っても読者の皆さんにはピンと来ないかも知れませんが、SOTAでは山の標高毎にポイントが決まっており、1ポイントから10ポイントのレンジで山ごとに付与されます。日本で一番高い富士山に登っても最高の10ポイントでしかなく、1000ポイント貯めるには、(冬期は3ポイント上乗せのルールもありますが)100座以上は登らなくてはならないのです。

よって多くの方は1000ポイントがひとつの目標になっているようで、私も2017年から本格的に始め、毎週末は山に登る生活に。それでも1000ポイント獲得までに約2年を要しました、その間の一座一座に色々な体験や挫折と工夫があり、SOTAの条件に必要な一座につき交信局数4局に到達出来なかった事もありました。それだけにMountain Goat (アクティベータ1000ポイント賞)に到達した時は感無量な思いでした。

その他にもSOTAには色々なアワードプログラムがあり100のユニークな山を対象にした100 Unique Summits Award


100 Unique Award

あとS2S(Summits To Summits)という山同士でのQSOが対象になるSummits To Summits Awardもすでに取得しました。


Summit to Summit Award

私はアワードハンターでは無いのですがQSLを必要としない事やアワードの申請がネット上で済むので簡単、しかもPDFならば無料であり(トロフィーは有料です)SOTAはアワード獲得の上でも非常に楽しめるプログラムだと思います。

私の運用スタイルは山でもほとんどHFのCWです。それは単にCW好きなだけでもありますが、海外の沢山のチェイサーへのサービスも一つの目的であり、実際にQRP5Wの電波でも昨今のサイクルボトムにもかかわらず多くの海外局が聞き耳を澄ませ、私を呼んできます。山岳移動では荷物の都合でどうしてもQRPにならざるを得えませんが、電力効率の良いCWが最も適したモードだと思います。しかし、今後はそれらにとらわれずデジタルモードやSHF帯などにもいつかは挑戦して行きたいと思います。

また私はWeb上にSOTA NOWという掲示板を開設しています。

SOTA NOW http://www3.ezbbs.net/31/jf1ndt/

イギリスで始まったSOTAは海外では非常にメジャーなプログラムで情報交換も頻著に行われていますが、JAでは私も含め言葉の壁があり日本語で簡単に気軽に情報交換出来る場所として開設しました。SOTAに関して解らないことや山の情報などどんな事でも結構ですので自由に書き込んでください。移動情報も大歓迎ですし、私や沢山のチェイサーとアクティベータの方々の情報交換の場になると良いなと思っています。そして今後も沢山の方にSOTAを知って頂き、より多くの方が山頂から電波を出すようになればと願っています。

さあ、今度はあなたがSOTAを始める時です。SOTA対象の国内7000の山があなたを待っています。

いかがでしたでしょうか? SOTAの日本でのアワード保持者の中でも長田さんは常にトップクラスを維持されている方で、どれだけすごいことなのか一部でもご理解いただけたかと思います。一方で長田さんも言われているようにSOTAはマイペースで楽しめるところが良いところでもあります。SOTAに興味を持たれた皆様、ぜひ今年こそマイペースでSOTAを始めてみませんか?

SOTA日本支部では常時メーリングリストの申し込みを受け付けております。私宛、コールサイン@jarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。

JH0CJH 川内 徹

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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