Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その61 6年目に入ったこの連載はまだ続きます 1990年 (5)

JA3AER 荒川泰蔵

6年目に入ったこの連載はまだ続きます

振り返れば月刊FBニュースの創刊は5年前の2013年4月で、創刊号からの当連載記事も6年目に入った。20世紀に皆様から寄せられた「日本人による海外運用」のアンケートや情報を掘り起こし、5年間の予定で投稿を開始したが、前回でその5年が経過し6年目に入った。しかし、現在まだ1990年当時の中ほどで、サブタイトルとした「20世紀」を10年程残していて、このまま続けば (その100)を越えるかも知れない。更に3年間余りを要するこの連載のご愛読を、よろしくお願いします(写真1)


写真1. 5年前のFBニュース創刊号に掲載された当連載記事最初のタイトル部分。

1990年 (北マリアナ諸島 KH0/JK1ZHW)

JA1WTT池上孝三氏は北マリアナ諸島のサイパン島でKH0/JK1ZHWで運用したと、資料を添えてアンケートを送ってくれた(写真2~4)。「(CONTACT誌より抜粋)サイパンは珊瑚礁に囲まれた美しい島で面積約185k㎡、日本との時差は+1時間、平均気温は27℃、今回我々が滞在している時も昼は30℃、夜は24℃で終日心地よい風が吹いていました。滞在した場所は、島北部のコテージ風ホテル。ここはフィリピン海を見下ろす海抜約100mの高台で、ロケーションは日本方面に抜群に開けています。今回持っていった無線機はFT-767GXとFT-655、アンテナはHFダイポ-ルと50MHz用6エレ八木です。1990年3月17日夜出国、21:55発のJL-947でサイパンに向けて出発、3時間でサイパン空港に到着しました。翌朝から3月20日の最終日までにQSO出来た局はHFが約1,800局、50MHzが約800局で、合計2,600局以上の素晴しいペディションになりました。(1990年4月記)」


写真2. サイパン(KH0)DXペディションを報じたCONTACT誌の一部。


写真3. JA1WTT池上孝三氏が代表するクラブ局KH0/JK1ZHWの相互運用協定による運用許可証。
(注:現在はアメリカでの日本の社団局による運用は認められていません)


写真4. JN1WTK黒崎祐一氏の運用による、クラブ局KH0/JK1ZHWのQSLカード。

1990年 (グアム KH2EC)

JR2BEF鈴木康之氏はグアム島でFCC免許のアップグレード試験を受け、KH2ECで運用したとアンケートを寄せてくれた(写真5)。「1990年6月17日、どうにかアドバンスドまでUP GRADEしました。同じ試験でAH0ADウリュウOMとAH6KF/JF2AJAミズノOMがExtra、JA6EGLミヤケOMがGeneralをゲットしました。試験後KG6DXのシャックから14MHzを、途中モービルからAH2S/Rを使ってのレピーター運用などを試みました。17日夜、受験者主催の親睦パーティーを開きました。KG6DX, KD7P, AH2Sの試験官(VEC)家族、AH2CL/KH2DC夫妻、KH2DW等地元のOM/YL総勢20名で、中華料理屋を借り切りで行ないました。(1990年7月記)」


写真5. (左)KH2EC鈴木康之氏のVECによるFCC試験のGeneralクラス合格証。
(右)KH2EC鈴木康之氏のQSLカード。

1990年 (ミクロネシア V63BB)

JR2BEF鈴木康之氏はミクロネシアの免許を得て運用したと、アンケートを寄せてくれた。「私は農業用水関係の仕事をしており、そんな線でミクロネシア連邦のヤップ島でライセンスを得ました。パラオのライセンス(KC6BB)とUSAのライセンス(KH2EC)を申請書に添えて提出したところ、V63BBが免許になりました。ただヤップ州のトランスポーテーションでは免許発給をしていないので、ポナペ(ポンペイ)のメインオフィスに書類が回ってしまい、免許まで半年近くかかってしまいました。同行のJI2UAYはV63AXのコ-ルになり、本人はAYが良かったのにと残念がっていました。現地にはアクティブな地元局がいないので、今後は島に局設備を作り、地元のオペレーターを養成して行きたいと思っています。日本人の方でも2nd OPがOKですから、何かありましたら連絡を頂きたいですね。尚、この島はIRCが全く使えませんので注意!(1990年7月記)」その後、同じコールサインで運用したと再びレポートを頂いた(写真6)。「1992年4月末に再び運用しました。従来から頂いていた免許が有効期限を過ぎてしまったので、新しく申請したところ、たまたま従前と同じコールサインとなりました。ホテルに先客のハムがいたので、遠慮しながらになってしまいましたが、14MHz, CWを中心にQRVしました。(1992年5月記)」


写真6. V63BB鈴木康之氏の免許状。

1990年 (パラオ KC6NQ, KC6CW)

JA2NQG杉山峯一氏は、パラオの免許を受けて複数回運用した状況をアンケートで寄せてくれた。(写真7及び8)。「はじめ1989年にKC6NQのコールサインで6ヶ月間の個人局免許を受けました。1990年からKC6CWに変更になり、1年間の免許となりました。この年の9月にホテル・ニッコー・パラオで、160~6メーターのCWのみで運用しました。1991年に免許の更新を行ない、2年間有効のライセンスをもらって、9月にニュー・コロール・ホテルよりCW中心に運用を行ないました。(1991年11月記)」


写真7. (左)杉山峯一氏のキャンセルされたKC2NQの免許状と、
(右) 新しく発行されたKC6CWの免許状。


写真8. 杉山峯一氏へのKC6CWの免許状交付時の案内状。
免許状を運用場所に掲示するようにと記されている。

1990年 (フィジー 3D2JA)

JA3IG葭谷裕治氏は、フィジーで免許を得て運用したとアンケートを寄せてくれた(写真9及び10)。「1990年8月22日から4日間、Pacific Harbour Hotelから3D2JAで約1,000局とQSO。日本人の個人局としては最初のライセンスでした。RIGのIMPORT PERMIT必要。ライセンスを更新したので近日中に再度QRVします。(1992年1月記)」


写真9. 3D2JA葭谷裕治氏の免許状。


写真10. 3D2JAを運用したJA3IG葭谷裕治氏の近影(2016年・昔を語ろう会にて)。

1990年 (ニュージーランド JA1GFI/ZL)

JA1GFI中島淑夫氏はニュージーランドで、相互運用協定によるJA1GFI/ZLを運用したとアンケートを寄せてくれた。「昨年(1989年)12月のJARLニュースで、ニュージーランドでは144MHz以上のV・UHF帯でのトランシーバーの運用は、免許の申請が必要なく運用出来るとの記事を読み、今年(1990年)1月20日より2週間ニュージーランド、オーストラリア出張の折りにZLでのハンディ機運用を計画しました。JARL国際課でZLのV・UHFバンドプランを入手したところ、日本とは周波数帯も広く、FMのステップも25kHzであり、144MHzでもレピーター運用帯がある事を知りました。あまり時間がないと思いシンプレックスのみをターゲットに決め、C150を改造して144MHzから148MHzまで送信可能にし、一応免許証と免許状の英訳証明書を取り、トランクの片隅にC150を入れて出発。先ずニュージーランドでは一番人口の多い(90万人)の北島のオークランドに到着、ホテルでアイボールQSOの約束をしていたZL1AMU, Rolyさんと会い楽しいひとときを過ごした後、ホテルの部屋(6階)で144MHz帯をワッチしてみますと146.625でレピーターが良く聞こえます。シフト幅は600kHzです。FMシンプレックスはほとんど聞こえませんでしたが、146.525で聞こえていましたので(コールチャンネルがバンドプランには書いてあるが使っていないようす)少し時間をおいてCQを出したところ3局とQSOに成功。1週間の滞在中あちこちでCQを出しましたが、南島のニュージーランド第2の都市クライストチャーチで3局とコンタクト出来た他は、ロトルアで146.700のレピ-タ-が聞こえた以外なにも聞こえませんでした。Rolyさんの話しでは、日本から北海道を除いた位の面積に人口300万人、ハム人口は2,000人位ではとのことで、ハム人口が少ないためと思います。ただ自然は美しい国で観光立国を目指しており、日本人観光客も増えているようすですので、ニュージーランドに行かれる方はハンディ機を(可能かどうか分かりませんが、レピーター対応に改造して)持参すれば、少なくともオークランド、ロトルア、クライストチャ-チでは楽しめると思います。オーストラリアにも行きましたが、こちらは免許が必要ですのでワッチしただけです。シドニーもレピーター運用が主の様で、FMシンプレックスは日本の144MHzとだいぶ感じが異なっていました。(1990年5月記)」

海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~ バックナンバー

2018年4月号トップへ戻る

次号「月刊FBニュース2018年9月号」は 9月3日(月)と18日(火)に公開予定

サイトのご利用について

©2018 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved. 発行元: 月刊FBニュース編集部