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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その8 SOTAの楽しさについて(JF8LPBさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。

今回は、海外でSOTA運用を楽しまれたJF8LPB、近藤さんを紹介したいと思います。最近は日本にきてSOTA運用を行う方も多いのですが、近藤さんは2017年にドイツとチェコにおいていくつかのSOTA対象の山に登られて楽しまれた方です。渡航前から地元のSOTA愛好局と連絡を取り合い、免許取得において協力を頂き、現地にてアイボールそして一緒に山に登ってSOTA運用を行うのはとても楽しいひと時だったのではないでしょうか?海外に行っても、また海外の局を迎えても、このようにSOTAを通じて旧知の友のように分かり合える楽しさ、これこそがSOTAの楽しみではないでしょうか?今日はそんな近藤さんに海外での山岳移動運用の楽しさを語っていただきましょう。

海外でのSOTA運用の楽しみ

JF8LPB/2 近藤慶一

私がアマチュア無線の免許を取り開局したのは旭川高専の学生だった1986年、当時から21MHzCWでのQRP DXと430MHzでの移動運用が好きでした。そして愛知県で就職後は多くの皆様と同様に無線から離れ、かろうじて5年に1回の更新だけは忘れずにコールサインを維持していましたが、2014年に実家の母親から「無線機を片付けろ」との指示があり、久々に電源を入れたミズホのQP-21とBCLラジオが動作したことから再開したのでした。同じようなタイミングで富士山の世界遺産登録をきっかけに趣味になった登山に夢中になっていたこともありSOTA運用を始めたのは自然の流れだったと思います。また本格登山の一方でロープウェイや車で手軽に山頂付近まで行けるような登山での運用も好きです。

そんな中、昨年8月に海外出張でドイツとチェコを訪れることになり、週末を自由に過ごせることになったことから、何とか海外SOTA運用できないものかと考えました。今回はその顛末を簡単に紹介したいと思います。

まず私が訪れるドイツのフランクフルト周辺とチェコのズリーン周辺にどのような山があるかをSOTAデータベースでチェックしました。Googleマップで見て本格登山ではなくてもレンタカーで山頂近くまで行けそうな山がいくつかありそうなことが分かりました。

次はライセンスの取得です。ドイツとチェコの総通局にあたる機関にメールで問い合わせ、ドイツは申請書等を提出し7日間の短期ライセンスと"DM/JF8LPB"のコールサインを、そしてチェコはメールのやり取りのみで"OK/JF8LPB"で運用可との返事をいただきました。

SOTAのデータベースを見てRegionマネージャやアクティブに運用されている局のコールサインをチェックし、QRZ.comでメールアドレスがわかる何局かにメールを送ったところドイツはDO1DJJ Joergさん、DK9JC Johnnyさん、チェコはOK2SRO Honzaさんから返事をいただきました。彼らにはお勧めの山の紹介、移動方法を教えていただき、特にドイツのお二方には綿密なスケジュールを立てていただき、現地で一緒に運用することになりました。 彼らとのメールのやり取りの中でDK9JC Johnnyさんから私のコールが"DM/JF8LPB"であることに疑問を投げかけてきたのです。私は1アマなので本来は"DL/JF8LPB"であるはずだと。前述のように私はQRP運用がメインですので免許状が10Wになっていたのが原因でドイツ総通局がノビス級と思ったようです。 Johnnyさんがドイツ総通局にかけあってくれ、晴れて"DL/JF8LPB"のコールをいただきました。実はドイツのノビス級は7~18MHzの運用ができないため、この変更は実に大きかったのです。

またチェコのHonzaさんにも麓の駐車場やシャトルバスの時刻表の情報提供など親切にしていただけました。また事前に144/430MHzの周波数ステップやメインチャンネルの使い方等のローカルルールも教わりました。(これは重要な点です)

ドイツでの運用 2017.8.19
フランクフルトの西部にあたるライン地方でDM/RP-158 Erbeskopf、DM/RP-187 Wildenburgerkopf、DM/RP-171 Roesterkopfの3山で運用しました。約束の朝8時にDO1DJJ Joergさんに迎えに来てもらいレンタカーにて最初のDM/RP-158 Erbeskopfへ移動。30分ほどで山頂の公園まで車で乗り入れ、そこでDK9JC Johnnyさんと合流。しばし談笑の後ベンチにシャックを設営しました。


写真1-1 左Johnnyさん、右Joergさん

私が持ち込んだ機材は荷物の都合でFT2Dとモービルホイップのみ。144MHz FMでCQ連呼するも全く応答なしで焦りましたが、Johnnyさんから14MHz SSBのコンディションが良いようだとの情報をもらい、FT817NDで運用してみました。 オーストリア、アイルランド、スペイン、ポルトガル、スウェーデン、ノルウェーの計11局と交信に成功。 コンテスト以外で短時間に沢山のヨーロッパ局と交信できたので大興奮でした。


写真1-2 自分の運用

次にJohnnyさんをその場に残し、Joergさんと車で20分ほどのDM/RP-187 Wildenburgerkopfに向かいます。Johnnyさんと別れたのは彼とS2Sを企んでいたからなのです。

この山はちょっとした観光公園で駐車場から山頂にある塔を目指します。塔を登りFT2Dを三脚に設営しCQ連呼・・・なかなか呼んでもらえませんでしたが、JohnnyさんとのS2Sを含めドイツのローカル局となんとか4局達成です。


写真2-1 塔、写真2-2 塔のシャック


写真2-3 山頂看板

4局達成でほっとしたところで最後の目的地DM/RP-171 Roesterkopfへ移動。途中でJohnnyさんと合流し、また3人で向かいます。

ここは頂上が林の中で眺望は全くありません。かろうじてベンチがひとつあり、そこにシャックを設営。


写真 3-1シャック

林の中なので144MHz FMはやはり全く駄目でした。再度FT817NDの登場です。今度は7MHz SSBで15局と交信。スイスとスペインのSOTA運用局とS2Sも達成できました。

この時点でお昼頃となり、残念ながら仕事に戻らねばならず、彼らとお別れです。たった半日の出会い時間だったのですがとても濃密なひとときを過ごすことができました。彼らとは今でもFacebookやe-mailで連絡を取り合う仲です。その後連絡を頂いたのですが、この時の運用の事がドイツの無線雑誌に記事になったそうです。


写真4-1 左から私、Joergさん、Johnnyさん

チェコ 2017.8.27
チェコ東部、スロバキア国境に近いズリーン地方でOK/ZL-043 Kycera、OK/ZL-045 Hostynの2山で運用しました。

当初は8/26土曜日に運用予定でしたが、OK2SRO Honzaさんから26日はチェコのハムフェア(?)で皆そちらに行っているから27日が良いとアドバイスを受け、予定を変更しました。この日も運用できるのは午前中のみでしたので、朝6時起きでホテルを出発。まずはOK/ZL-043 Kyceraです。

駐車場に車を停め登山道らしき道をずんずん歩いていくと案内板がありました。しかし目的のKycera頂上への道がわからず、しばらく悩みましたが案内板の地図と携帯のGPSを頼りになんとか林の中の頂上にたどり着きました。


写真5-1案内板


写真5-2シャック

この時点で朝7時。144MHz FMでCQを出しましたが少々早い時間でしたのでしばらく空振りでしたが、おそらく英語のCQに驚いていたのでしょう。1局応答してくれた後は次々と呼んでいただき結局7局と交信できました。

1時間ほど運用後、次の目的地OK/ZL-045 Hostynに向かいました。こちらは山の麓の街に路駐しシャトルバスに乗ります。

Honzaさんから予め時刻表をもらっていましたが、バス停には既に沢山の観光客やトレッキング客が待っていました。 そこにリュックをしょった日本人一人。皆私に注目です。 バスが到着するとそこは観光地。沢山のお土産屋と教会の前を通り過ぎ塔の立つ頂上へ向かいます。


写真6-1お土産屋


写真6-2教会

ここは見晴らしが良く、かつ時間も午前中の丁度良い時間だったこともあり、沢山の局に呼んでいただき、わずか30分あまりで23局との交信に成功しました。最後QRTする際に「日本に帰ります。ありがとう。」的なことをつたない英語で送信したところ、何局からもお礼の返事があったときはちょっとした感動でした。


写真6-3案内板


写真6-4シャック


写真6-5山全景(真ん中に小さく見えるのが教会)

以上のように驚くほど順調にSOTA運用を終え、帰国することができました。これもJohnnyさん、Joergさん、Honzaさんの献身的なサポートとライセンス取得のアドバイスをいただいたJARLや各国機関の方々のおかげでした。ありがとうございました。

ぜひ皆さんも海外旅行や出張の機会を利用して海外SOTA運用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?レンタカーでの移動が可能であれば手軽にプチパイルを味わうことができますよ。きっといい思い出になるでしょう。

現在は2エリア在住でSOTA運用を楽しんでいます。聞こえていましたらぜひコールください。

いかがでしたでしょうか。SOTAによる無線、そして山岳移動に加え、国際交流も楽しまれた様子がよくわかりますね。皆様もぜひ海外でのSOTA運用も視野に入れて旅に出てみませんか?それではまた次回をご期待ください。

川内徹 JH0CJH

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