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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その4 SOTA私の運用スタイル(JM3HRCさん)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。今回は関西、北陸、信越地域で積極的にSOTAのアクティベーションを行っているJM3HRC山口さんを紹介いたします。SOTAはいろんな楽しみ方をそれぞれの皆さんの楽しみ方でエンジョイできるアワードです。山口さんもこの点をとても気に入っておられマイペースで楽しんでおられます。 

しかし登山は昔からの山口さんのご趣味であり、3000m級の山にも出かけられるハードな登山家です。今回山口さんにはお使いの無線設備およびその軽量化の紹介に加え、最近登られた山岳の紹介を行っていただきました。山口さんは写真、映像の撮影技術もプロ並みで、素晴らしい山岳移動運用の様子が写されていますので掲載の写真をご覧ください。実は昨年の関ハムではSOTA紹介のビデオも山口さんが作成され、その卓越したビデオ制作の技術が絶賛を浴びておりました。

SOTA私の運用スタイル

JM3HRC 山口貴弘

私は滋賀県在住で、山岳での移動運用を中心にアマチュア無線を楽しんでいます。20年弱のブランクを経て、3年ほど前にアマチュア無線にカムバックしました。趣味の山登りは若いときから続けてきて、関西近郊を中心にシーズンにはアルプスや北陸方面に足を伸ばします。カムバックして昔と比べ寂しくなったバンドの中で、相も変わらず山頂からの無線を楽しんでいました。

2015年に、SOTA日本支部ができ、運用が開始されたことを知りました。聞きなれない『SOTA』とは何かと、ネットで色々と調べて見るとYOUTUBEに多くのSOTAフリークが運用の模様をアップロードされていました。そこで、目の色、肌の色、国は違えど世界中に登山と無線を楽しむよく似た趣味、嗜好の人が実に多くいることを知りました。時代、距離、国を超え、自分の足で山に登り、高い所から電波を飛ばし遠くの方とつながることは、単純に楽しいことに違い無さそうです。

SOTAは、世界中に12000局ものアクティベーター、チェイサーがデータベースに登録して活動されており、国内だけでない世界規模のつながりも興味深いところです。山岳移動運用の目標にもなり、これは私にぴったりだと早速参加することにしました。

一口にSOTA運用といっても参加者により様々なスタイルがあるようです。無線が主で海外を視野に、より遠くに電波を飛ばす為に山に登る方から、登山が主で登頂した山頂から手軽に無線運用を楽しむスタイルの方まで百人百様です。私の場合は、登山8:無線2くらいの割合で、登山がメインのスタイルです。

登山がメインの私にとって装備の軽量化は大きな課題でもあり、検討する事がまた楽しみでもあります。当初は何でも念の為と、複数のリグ、スペア電池、アンテナ、ケーブルなどをフルセットを持って行き、日帰り登山でも他の装備とあわせ15~16Kgのリュックを担いでいた時もありました。アルプス縦走のトレーニングになると、うそぶいていましたが、やはり体力、安全の点からも軽量化は必須です。

最近は、当日運用したいバンドごとにいくつかの装備パターンを決めています。私の装備パターンをご紹介します。

装備パターンと概算重量

(1)144/430MHz帯 FMのみ
Rig:VX3(本体135g、マイク80g、予備電池25g)
Ant:RH770(90g)

合計: 330 g

テント泊装備の時や、標高の高い山に登るときなど、少しでも装備重量を減らしたいときはこの組合せです。出力1Wですが、山頂からの運用では殆ど不足を感じた事がありません。RH770は携帯に便利で、非常に良く飛びます。

(2)144/430MHz帯 FM+144MHz帯 SSB
Rig(VU FM):VX3(本体135g、マイク80g、予備電池25g) 
Rig(144SSB):ピコMX-2F(出力1W)(本体326g、マイク52g、単3電池6本 180g)
Ant:RH770(90g)、BNCクリップケーブル(205g)

合計: 1093 g

都市部近郊の休日だと特に433 FMには多くの交信相手がいますが、都市部を離れると少なくなります。また小さなアンテナ、リグで遠距離の交信を楽しめる144 SSBが、私の山岳移動運用の中心です。この組合せが、私のメインスタイルです。

(3)50/144/430MHz帯 FM/SSB
Rig:FT-817(本体1000g、マイク174g、単3電池8本 240g)
Ant:RH770(90g)、6m用DP(350g)、BNCケーブル(390g)

合計: 1893g

春先から初夏にかけて、Esが出始めるといつも静かな6mバンドがにぎやかになってきます。ダイポールアンテナに小出力でもEsが出れば海外との交信も期待でき、この組合せを選択します。

(4)144/430MHz帯 FM+HF CW
Rig(VU FM):VX3(本体135g、マイク80g、予備電池25g)
Rig(HF CW):HB-1B(出力5W)(本体555g(電池含む)、外付スピーカ55g)
Ant:RH770(90g)、HF用 RHM8B(285g)+カウンターポイズケーブル(120g)
Key:のむさん工房どこでもエレキー(55g)

合計: 1400g

HFをVU並の手軽さで運用したいときの選択です。狭い山頂では大きなHF用のアンテナを展開しにくいので、短縮ロッドアンテナでのお手軽運用です。でも最近の悪いコンディションでは、このアンテナと5W出力ではなかなか厳しいです。何とか装備を増やさずによく飛ぶ方法はないかと検討中です。

(5)7~433MHz帯 All Mode
Rig:FT-817(本体1000g、マイク174g、ノートPC用外付Liイオン電池(12V) 400g)
Ant:RH770(90g)、6m用DP(350g) 、HF用 VCH釣竿(1050g) 
Key:のむさん工房どこでもエレキー(55g)

合計: 3119g

7~433MHz帯を All Mode 出力5Wで山頂から運用するときの選択。FT-817は海外を含めSOTAをやっておられる方のスタンダード機です。でも長距離登山で常に持ち歩くには少し重いのが難点です。

印象に残ったSOTAの山

この2年でSOTA対象の山から、約80回の移動運用をしました。その中で以下の3山が特に印象に残っています。

・白山御前ヶ峰 2702m(SOTA JA/GF-007)

石川県白山市の白山御前ヶ峰です。日本百名山の1つで非常に人気の高い山です。高山植物が豊富で、どの季節も非常に美しい山です。日本海方面に開けていてVHF、UHFでも日本海ダクトで思いがけず遠くと交信できることがあります。

・霊仙山 1094m(SOTA JA/SI-010)

滋賀県と三重県の県境に連なる鈴鹿山系の山です。石灰岩台地が広がり、カレンフェルトが印象的です。関西(琵琶湖)方面、中京(伊勢湾)方面に開けています。夏場のヤマビルには要注意ですが・・。

・塩見岳 3047m(SOTA JA/SO-006)

長野県と静岡県に跨る南アルプスの山です。山頂からは、富士山を正面に望むことができます。遮るもののない3000mの山頂からの交信は爽快です。

SOTAお勧め運用ポイント(関西エリア)

関西近郊で、新たに山岳移動運用を始めようとする方へのSOTAお勧めポイントです。

伊吹山 1377m(SOTA JA/SI-001)
滋賀県米原市の移動運用の名所です。ドライブウェイが山頂直下まであるので、20分程度歩けば山頂です。健脚の方は、下の登山口から標高差1160mの登山道を登ることもできます。花のシーズンから厳冬期の雪山登山までシーズンを通して楽しめ、東西ともに開けた好ロケーションです。

大台ケ原 日出ヶ岳 1695m(SOTA JA/ME-001)
奈良県吉野郡、三重県多気郡にまたがる紀伊半島東部の山。山頂近くまでドライブウェイがあり、駐車場から野鳥のさえずる整備された気持ちのいい登山道を約40分登ると山頂です。山頂からは太平洋(熊野灘)が望め、東西共に開けています。

最後に

SOTAの運用はログを自己申告でデータベースに登録する簡単なものです。しかしSOTAへの参加でSOTA愛好者同士でゆるいつながりが自然にでき、山好き無線家の情報交換や親睦のスペースともなっています。興味を持たれた方は、ぜひご参加ください。

SOTA is not inherentry a competitive activity,it's about indivisual aspiration and working towads a goal at your own pace.

SOTAの信条は、競争でなくマイペースで楽しむこと。

登山とともに、あせらずマイペースで末永く続けていきたいと考えています。

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